【ドメイン】
WIPOによるドメイン仲裁件数が減少傾向
~2001年に引き続き2002年も
■URL
http://arbiter.wipo.int/domains/statistics/index.html
http://arbiter.wipo.int/domains/statistics/cumulative/results.html
世界知的所有権機関(WIPO)によるドメイン名紛争の仲裁事件の件数が、通年で初めて統計が取られた2000年をピークにして2001年、2002年と減少傾向にあることが明らかになった。
WIPOがドメイン名紛争の仲裁を始めた1999年12月は1件の事件が扱われた。.comなどのgTLDレベルで見ると、2000年は合計1,841件、翌年2001年は1,506件へと反転して減少した。2002年は11月までの統計しか出ていないが、1,167件にとどまっており、12月が100件程度に達したとしても、2年連続して20%程度の減少になる見込みだ。2002年だけを見ても、月間ベースでは漸減傾向にある。
最近になって、gTLDレベルでは、.infoや.nameなどが追加され選択肢が十分に準備されてきているほか、大手企業のドメイン名取得がほぼ完了したと考えられるなど、状況は変化しつつある。このように、ドメイン名紛争、所謂サイバースクワッティングは、このところ問題が沈静化してきたようだ。
なお、これまで行なわれた仲裁では、ドメインの移転裁定が出たのが6割強となっており、仲裁を提起した側に有利な裁定が出る傾向にある。これは、そもそも、仲裁を提起する企業は、ドメイン名そのものかそれに類似するような商標または商号を使用し、そのような商標または商号が著名であるケースが多く、WIPO側の心証を有利に形成する状況証拠および具体的証拠を提示しやすいことが原因であると考えられる。
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(2002/12/26)
[Reported by Gana Hiyoshi]
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