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【N+Iレポート】米Extreme Networks、4GNSS発表■URL ネットワークスイッチメーカーである米Extreme Networks社は、新しいアーキテクチャである4GNSS(4th Generation Network Silicon System)を発表した。 ネットワークスイッチは、パケットを宛先に応じてネットワークに振り分ける機器で、スイッチングハブと違い、IPパケットを認識して転送制御を行なう(このためレイヤー3スイッチとも呼ばれる)。動作としてはいわゆるルーターと同じだが、フィルタリングのようなWAN接続に要求される機能を持たない代わりに、接続したネットワークと同等のスピード(ワイヤスピード)でルーティングを行なうことができるものを指す。 ギガビットイーサネットなどの高速ネットワークで、その速度に応じた転送を行なうためには、高速な処理が必要であるため、従来専用デバイスをASIC(Application Specific IC)として開発していた。 4GNSSは、ASICを使ってプログラマブルなデバイスを開発。ソフトウェアの変更で、新しいプロトコルやアプリケーションに対応できるようにするものだ。従来こうしたソフトウェア処理には、ネットワークプロセッサと呼ばれる専用のプロセッサがあったが、処理速度の点でハードウェア処理を行なうASICデバイスには劣っていた。その大きな原因は、ネットワークプロセッサを作るのはスイッチメーカーではなく、半導体メーカーであり、ある程度広い範囲の応用に対応する必要があるために、特定処理のみをハードウェア実行するような機構を取り込みにくかったからである。 Extreme Networks社は、ネットワークスイッチメーカーであり、自社の製品にのみ利用可能な専用デバイスを作るだけで汎用性を持たせる必要がないため、プログラマブルでありながら、高速処理が可能なデバイスを開発が可能となった。この4GNSSでは、一度ハードウェア開発が終われば、新しいプロトコルなどの対応にはソフトウェアのみを開発すればいいために開発期間が短縮でき、ユーザーが導入した機器もハードウェア追加などを行なうことなく新しいプロトコルなどに対応できるため、コストを抑えることが可能だという。 同社では、4GNSSを通信事業者やISP、あるいは大企業などの大規模ネットワークで利用する機器に利用する。同アーキテクチャに基づく製品(コード名Mariner)は2003年第3四半期に出荷される予定だ。 ◎関連記事 [Reported by 塩田紳二] |
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