【イベントレポート】
【N+Iレポート】米国で無線LAN導入が本格化。展示は埋め込み型がメイン
■URL
http://www.interop.com/lasvegas2003/
今回の会場を見た感じでは、米国では、企業での無線LAN導入が本格化してきたようだ。アクセスポイントにしても、天井などに埋め込むタイプ(電源はイーサーネット経由で供給)が多い。また、通常のアクセスポイントではなく、無線やアンテナ部分のみを内蔵したモジュールを外部に設置し、アクセスポイントの機能は、ルーターやスイッチ側に装着するインターフェイスで実現するものもある。これは、建物に埋め込まれるアクセスポイントが独立した機能を持っていると、故障や障害などの際に、アクセスポイント自体の設定を行なわねばならず、管理がかえって難しくなるからだという。企業向けでは、多くのアクセスポイントを設置する必要から、集中管理ができるように工夫している製品がほとんどだ。
かつては、無線LANはセキュリティ上問題があるといった話が多かったが、最近では暗号化やネットワーク認証を併用することにより、適切な機器を使えば、無線LANでも問題はないという方向に変わってきたようだ。これは、ネットワークを利用する際にユーザーや機器を認証し、ネットワーク側で正しい接続相手と判定した上で通信を行なわせるアイデンティティベースのネットワークを構築することで、認証されていない機器やユーザーからのアクセスを禁止できることによる。
一般向けの安価なアクセスポイントではなく、企業向けなどある程度の利用者規模を見込んだ機器を購入する必要はあるが、これによりオフィス内の配線が簡略化されると共に、ユーザーや機器の移動にも対応が可能にとなる。かつては有線LANが設置されたオフィスが先進と言われたものだが、今後はケーブル配線しているネットワークのほうが時代遅れと言われるようになるのかもしれない。
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Trapeze Networks社の無線LANシステム。Mobility Point(写真左)とMobility Exchange(写真右)を組み合わせて無線LANアクセスポイントを構成する。RingMasterと呼ばれるソフトを使い、通信範囲や出力などの制御を行なう |
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(2003/5/1)
[Reported by 塩田紳二]
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