【イベントレポート】
【N+Iレポート】Ciscoなど、内線電話システムの置き換え用VoIP製品を展示■URL 日本でもIP電話が話題を集めているVoIP技術だが、ここN+Iの会場では、Cisco等のメーカーが企業内の電話システムとしての提案を行なっている。逆に日本のようにプロバイダーが行なうサービスとしてのVoIPといった部分での展示は見ることができない。 イーサネットでネットワークに直接接続できる電話機を使い、ゲートウェイ機器や、あるいはネットワークスイッチに組み込むことができるサーバーボードを使って構築する例が多く、簡単に言えば、従来のビジネス電話機と構内交換機の組み合せをまとめて置き換えるシステムとなっている。 また、Cisco SystemsやExtreme Networksといったネットワークスイッチを製品として持つ企業は、音声、動画、データをイーサネットでひとつのネットワークとして扱う「統合ネットワーク」を提案している。バックボーンなどで使われるネットワークスイッチは、いまや単なるスピード競争が終わり、大容量化も一段落。今後は性能を維持しつつ、音声やビデオデータを扱うための帯域制御を行なうといった段階に進みつつある。 そこで有望な市場なのが、どの企業にもある内線電話のシステムだ。ごく小さな個人経営の企業でもなければ、内線電話を持たない企業はないといってもよいほど、多くの企業がこれを導入している。これをイーサネットに取り込むことができるなら、かなり巨大な市場となる可能性がある。そこで、各社ともに企業向けのVoIPシステムに力を入れ始めたのである。 WindowsのNetmeetingやMessengerによる音声通信の機能があるが、これを専用機器で実現し、ビジネス電話機のようにしたものがVoIP端末である。早い時期にスタートしたメーカーでは、通信プロトコルがメーカー独自の場合もあるが、H.323やSIPに準拠/準拠予定といったものが増えてきた。 Cisco Systemsのような、すべてを提供できるメーカーは独自プロトコル(CiscoのものはH.323をベースにした独自プロトコルだという)を使うことができるが、逆に端末のみ、ゲートウェイ/プロキシサーバーのみといったメーカーは、H.323やSIPといったオープンスタンダードに準拠し、各社分業でビジネスを行なっているようだ。あるいは、過渡期的な製品として、ケーブリングはネットワークを使うもののゲートウェイサーバーがPBXへのインターフェイを持ち、既存の内線電話システムに接続可能なものもある。 さらに、VoIP端末をIEEE 802.11bでワイヤレス化したものもいくつか発表されている。Cisco SystemsやSymbol Technologyなどが製品を展示しており、各社の企業向けの無線LANソリューションと組み合せることでオフィスを完全にワイヤレス化することも可能になる。
◎関連記事 (2003/5/2) [Reported by 塩田紳二] |
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