【イベントレポート】
【N+Iレポート】バックボーンと10Gbイーサネット■URL
最近では、パソコンにもギガビットイーサネットが組み込まれ始めたが、巨大ネットワークのバックボーンでは、10ギガビットのイーサネットが普及しつつある。ネットワークスイッチ、ルーターでは、複数の10ギガビット・イーサネットポートを持つカードを複数組み込み、これにより大容量のバックボーンネットワークを構築するわけだ。 10ギガビット・イーサネットは802.3aeで規定され、ファイバー側の接続点であるトランシーバーも、マルチソースアグリーメント(ユーザーに対する安定供給を目的にAgere SystemsやAlcatel Optronics、OpNext、NEC、住友電気工業などが合意した10ギガビットイーサネットの共通仕様)により複数方式があるものの、共通仕様となり、利用できる環境がととのってきたからだ。 ただ、世界的な不況傾向により、以前に比べると、ネットワークシステムの強化の速度は鈍化しており、多くのユーザーが今すぐにでも10ギガビットイーサネットを使うバックボーンを必要としているわけでもない。バックボーンは、ギガビットイーサネットをLACP(Link Aggregation Control Protocol。802.3ad)で複数まとめて1つの論理回線として扱うこともできるし、負荷分散で逃げるという手もある。 スイッチメーカーは、ラインアップとして10ギガビットイーサネットに対応してはいるが、以前のようにユーザーが、どんどん、バックボーンを強化していくという感じではなさそうだ。また、この先に40ギガビットイーサネットが控えているのだが、その普及には時間がかかりそうだと見る人もいる。 ただし最近の傾向として、ネットワークスイッチなどは、かつては米国で先に使われていたものを日本のプロバイダーなどが導入していたのに対し、ブロードバンド普及が著しい現在では、日本が先に最新機器を導入するケースが多くなっているという。今回のN+Iの会場では、スイッチメーカー各社の最上位システムも展示されてはいたが、こうした機種の周りは人影もまばらといった感じであった。不況のためか、日本人来場者をあまり見かけなかったので、それも影響しているのかもしれない。 ◎関連記事 (2003/5/2) [Reported by 塩田紳二] |
|