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【レポート/業界動向】

IBM、「IBM Software World 2003」を開催。DB統合の新製品も発表

■URL
http://www-6.ibm.com/jp/software/isw/
http://www.ibm.com/news/jp/2003/05/05271.html (リリース)

会場  日本アイ・ビー・エム株式会社(以下日本IBM)は、5月27日より東京国際フォーラムで「IBM Software World 2003」を開始した。5月29日までの開催となる。

 「IBM Software World 2003」は、IBMが持つWebSphere、DB2、Lotus、Tivoli、Rationalという5つのソフトウェアブランドを紹介する総合イベント。117社のパートナー企業が参加し、展示や講演を行なっている。また開発者向けの技術情報を提供する、技術コンファレンス「developerWorks Live! with WebSphere 2003」も同時に開催。120のセッション(有償)を通して、IBMソフトウェア製品の活用ノウハウや、開発・運用テクニック、ソフトウェア設計・開発手法などを解説している。

 展示会場はパートナー企業のブースが細かく立ち並び、IBM製品向けの製品やソリューションを展示している。通常の展示会よりブース規模は小さいが、その分特化された製品が出展されている。また来場者も開発関係者などが多いため、各所のブースで製品についての突っ込んだやりとりが行なわれていた。また会場の一角では「スターバックスコーヒー」が無線LANのデモコーナーを設置。コーヒーを飲みながら無線LANを利用できるスペースを提供していた。

スターバックスの無線LAN体験コーナー 次世代WebSphereリッチ・クライアント(開発中)の展示。JavaScriptによってブラウザー上でワープロや表計算の機能も実現する
リアルタイム双方向配信を実現する「Kenamea Web Messaging Platform」はニイウスが出展 カール・アジアパシフィックでは、次世代Web言語「Curl」のデモを展開。アプリケーション開発やSIerへの展開が増えているという。

 IBMでは「IBM Software World 2003」に併せて、新製品および事業展開の発表も行なった。まず常務執行役員の堀田一芙氏が、「オンデマンド・オペレーティング環境(統合化・仮想化・自動化を実現し、オンデマンド・ビジネスを可能にする環境)の実現に向けて、ミドルウェアの変化と改革を進めていく」と発言。ソフトウェア5ブランドによって、オンデマンド・ビジネスを推進していく方針を改めて表明した。この一環として、2002年12月に渋谷にソフトウェア・コンピテンシーセンターを設置。技術検証などをパートナー企業とともに展開しているが、同センターを5月28日より大阪にも設置。関西地区での需要に応えるほか、渋谷センターとの間を100Mbpsで接続し、リモート検証にも対応するという。

 IBMのソフトウェア群は、従来はトランザクション管理の「WebSphere」、リレーショナルデータベースの「DB2」、グループウェアの「Lotus」、統合システム管理の「Tivoli」の4ブランド。ここに今年2月に買収完了したアプリケーション開発環境の「Rational」が加わり、現在5ブランドとなっている。この「Rational」ブランドの、今後の事業展開も明らかにした。日本ラショナルソフトウェア株式会社の代表取締役社長であり、現在はIBM社員でもある齋藤肇氏は、「IBMとの統合後も、Rationalの生命線であるオープン性は貫いていく」と発言。今後もマルチプラットフォーム、マルチベンダーでのソフトウェア開発を行なっていくと表明した。一方で、IBMの大和ソフトウェア研究所などとの連携により、製品開発における品質・スピードの向上や、UML(Unified Modeling Language、オブジェクト指向のソフトウェア開発における統一表記法)の推進も進めるという。

 Rationalブランドの製品では、先日米国で発表した新製品2種を日本市場にも投入する。1点は高速アプリケーション開発環境の「IBM Rational Rapid Developer」で、プログラミング作業の多くを自動化し、開発期間の短縮を実現する。もう1点の「Rational XDE Tester」は、JavaクライアントとWebアプリケーションの機能テストを行なうテスターとなる。またIBM Rational XDE Developer Plus(旧IBM Rational Purify Plus)も機能追加を行ない、早期のバグ検出や、ビジュアルトレース機能によってアプリケーションのランタイムエラーの視覚的チェックが可能となった。いずれの製品も2バイト化やサポートの問題があるため、当初は限定した顧客にのみ提供し、実証などを行なった後、販売を拡大する方向という。

IBMの堀田常務執行役員 ソフトウェア5ブランドの概要
日本ラショナルソフトウェアの齋藤社長 IBM Rationalの製品群

 さらにIBMでは、企業向けの情報統合ソフトウェア「DB2 Information Integrator 8.1」も発表した。これはWindowsやLinux、UNIXなど分散した稼働環境内で、データベースや表計算用のスプレッドシート、XMLなど多様な形式で保存されているデータを統合的にアクセス、管理できるソフト。企業内外の多種多様なデータを、単一のデータベースのように扱うことが可能になる。

 「DB2 Information Integrator 8.1」では、DB2のエンジンに、複数データベースのデータにアクセスするツール「データ・アクセス・ラッパー」を搭載。このラッパーが、さまざまな形式で保存されたデータを自動編集する。編集したデータは、SQLやXQuery(XMLのデータを扱う形式)、Webサービスを利用してのアクセス、管理が可能だ。対応するデータ形式は、OracleやSQL Server、Sybase、XML、Excel、検索エンジンなど多岐にわたるほか、開発パッケージを用いることで、独自のデータフォーマットにも対応できるとしている。

 「DB2 Information Integrator 8.1」は、基本機能を備えた「DB2 Information Integrator Standard Edition」から開発パッケージの「DB2 Information Integrator Developer Edition」までの5製品を提供する。価格は「DB2 Information Integrator Standard Edition」が357万5,000円、「DB2 Information Integrator Developer Edition」が17万8,700円。OSはWindows、AIX、Linux、HP-UX、Solarisに対応している。6月13日からダウンロード販売を開始し、追って7月11日よりパッケージ版の販売も予定している。

DB2 Information Integratorの概要 同システムによるデータアクセスのデモ

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(2003/5/27)

[Reported by aoki-m@impress.co.jp]

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