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【N+I 2003 レポート】

ルート、風力発電と太陽発電で無線LANを稼働させるシステム

■URL
http://www.root-hq.com/

監視用システムとしての利用を想定して、夜間でも見える暗視カメラと搭載している

 今年の無線LANシステムのトレンドはIEEE 802.11g対応ということになるが、無線LAN機器ベンダーのルートのブースでも6月末に発表されたばかりのIEEE802.11a/b/g準拠のアクセスポイント「RDA5000」を展示し、注目を集めていた。しかし、同社ならではの展示としては、高速移動中でもスムーズなハンドオーバーを実現した「Mobile IP Solution」や、風力発電と太陽発電による無電源地域向けの無線LANシステムのが挙げられる。

 Mobile IP Solutionは先ごろ、自動車テストコース内での時速260kmでの高速ハンドオーバーに成功したことが発表されたが、すでに実用のために導入されている例があるという。ブースでは、道路管理業務用としてMobile IP Solutionが導入されている近畿地方の国道をビデオで紹介。車載カメラからの映像が途切れることなく配信される様子が映し出されていた。真野浩代表取締役社長によると、道路管理のための通信インフラを低コストで構築できるのが無線LANの強みだとしおり、近畿や中部の15~20カ所の国道で導入予定があるという。業務用ではあるが、意外なところから“道路インターネット”が普及しつつあるようだ。

 一方、無電源地域向けの無線LANシステムは、「来場者がみんな写真を撮っていくんですよ」(真野社長)というほど目を引く製品。高さ2mほどのポールに風力発電機とソーラーパネル、バッテリー、暗視も可能なIPカメラ、2.4GHz帯の無線ルータとアンテナが取り付けられたものである。価格は1機180万円で、宇都宮市では不法投棄現場の監視用として数十カ所の導入実績があるという。風速5mほどの風が8時間、日射量が5時間程度あればバッテリーがフル充電され、その状態で5日間稼働可能。すなわち、通常の気象状況であれば無電源でも途切れることなく稼働するわけだ。監視カメラシステムとしての利用のほか、アンテナを大型のものに付け替えれば無線通信の中継距離も延長できるため、有線回線も電源もない区間のIPネットワーク構築に活用できそうだ。

車載型のモバイル無線ルータ。CPU性能などを向上させたという 有用性は疑問だが、これさえあれば、山中での登山者向けホットスポットサービスも可能?

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(2003/7/4)

[Reported by nagasawa@impress.co.jp]

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