【ワイヤレスジャパン2003レポート】
NECエンジニアリング、牛肉の履歴をIPv6アドレスで管理するソリューション
■URL
http://www.nec-eng.com/pro/jirei_somusyo/index.html
16日から18日まで東京ビッグサイトで開催中の展示会「ワイヤレスジャパン2003」で、NECエンジニアリングは、1頭1頭の牛にIPv6アドレスを割り当て、牛肉の流通管理などに利用するソリューションを展示した。
このソリューションは、総務省の「e!プロジェクト」の一環として今年1月から3月にかけて岐阜県畜産研究所で実験されたもの。7頭の牛にIEEE 802.11b準拠の「IPv6無線LANセンサ」を取り付け、ネットワーク経由で体温などのデータ収集を行なえるようにした。また、国内の肉牛にはもともと農林水産省により1頭1頭に固有の番号が割り振られており、実験ではこれをIPv6アドレスに変換してIPv6無線LANセンサに登録。出荷後も、食肉センターなどでこのアドレスを読みとることで、無線LAN経由で肉牛の個体管理が行なえる。
NECエンジニアリングさらに今年度、対象範囲を小売店まで広げた実験を計画しているという。食肉として処理される段階で、さらにIPv6アドレスの後に肉の部位や製造順などをもとにしたシリアル番号が追加され、食肉ごとに無線ICタグ(RFID)で貼り付けられる。これにより、食肉ひとつひとつに固有のアドレスが割り当てられることになり、消費者は小売店の店頭などでRFIDをスキャンすれば、ネットワーク経由で生産地などの情報を引き出せるようになる。
展示されていたIPv6無線LANセンサは大きさが60×100×30mmほどで、外部にバッテリーや体温センサーが付属している。サーバーなども含めて1頭あたりのコストが5,000円程度になれば十分に畜産農家にとってメリットがあるとしているが、今のところ、バッテリーの寿命が3週間程度しかないのがネックだとしている。
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畜産農家からの要望としては、バッテリー寿命は最低2カ月は欲しいところだという |
「個体識別子番号」というのが、もともと肉牛1頭1頭に割り振られているもの |
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(2003/7/17)
[Reported by nagasawa@impress.co.jp]
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