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2012年に最も読まれた記事は「DVDリッピング違法化+違法DL刑事罰化」

INTERNET Watch年間アクセスランキング

 INTERNET Watchで今年1年間に掲載したニュース記事(1月5日付〜12月26日付)について、アクセス数による上位20位までのランキングを算出した。6月15日掲載の『DVDリッピング違法化+私的違法ダウンロード刑罰化法案、衆議院で可決』というニュースが、本誌で今年最も多く読まれた記事だった。

 1位の記事は、著作権法改正案が衆議院で可決されたことを伝えた記事。具体的なページビューはここでは公表できないが、2位をダブルスコアで引き離しており、1本のニュース記事としては飛び抜けた異例のアクセス数を集めた。ツイート数も現時点で「11.3K」と表示されている。INTERNET Watchでは多いもので数百〜数千ツイートされる記事はあるものの、1万ツイートの大台を超えて「K」表示になったのは本誌では過去最多と思われる。

 6月15日の時点では、衆議院の委員会審議(正確には最後の採決の段階)になってねじ込まれた違法ダウンロード刑事罰化の規定がこのニュースの最大のポイントだったわけだが、記事に対するツイートなどの反応を見ると、多くの関心はDVDリッピング違法化の方に向いていた感もある。

 DVDリッピング違法化は、DVDに用いられている著作権保護技術を回避して行う複製を、私的目的の複製として認める範囲から除外し、禁止するものだ。違法ダウンロード刑事罰化とは異なり、すでに文化審議会の議論・報告書の段階で方向性は示されており、本誌でも3月の時点で報じていた。実際にDVDをリッピングしてコンテンツを楽しむような層がどのぐらいの規模で存在するのか不明だが、記事がこれだけ関心を集めたところを見ると、エンドユーザーにおけるインパクトは大きかったようだ。

 著作権法改正に関する記事はこのほか、3位、4位、9位にランクインし、トップ10のうち4本を占めたほか、16位にも入っている。

 著作権法改正がこれだけ読者/インターネットユーザーの注目を集めていることについて、文化庁長官官房著作権課では「おそらく、違法ダウンロード刑事罰化に対する関心の高さの表れではないか」とコメント。どういった行為が刑事罰の対象になるのかといった部分も含めて、「文化庁のサイトや政府公報をぜひご覧いただいて、著作権法改正のそもそもの趣旨もご理解いただければ」としている。

 実は今回の改正の出発点は、世の中のデジタル化・ネットワーク化の進展に伴う著作物の利用形態の多様化や著作物の違法利用・違法流通の常態化に対応するための規定を整備することが目的だった。インターネット関連の話題を扱う本誌で今年最大の話題が著作権法改正だったことは、そうした観点からは自然な結果かもしれない。

文化庁

 2位は、紛失したスマートフォンを誰かに拾われた際に、果たしてどういう扱いをされるかということを北米で調べた実験についての記事。わざと置き忘れた50台のうち、その拾い主が持ち主の元に返そうとする行動をとったのは50%ということで、多いと見るか少ないと見るかは判断が分かれそうだが、拾い主がスマートフォン内のアプリ/ファイルに対して何らかのアクセスをした割合が9割を超えたとの結果が教訓的だ。スマートフォンは個人情報やプライバシー、センシティブな情報の固まりとも言えることから、最低でもパスワードを設定しておくなどのセキュリティ対策の必要性をあらためて示すかたちになった。

 事業者別という観点でランクインした記事が多かったのは、Googleだ。オンラインストレージサービス「Google Drive」(10位)、アプリ/デジタルコンテンツのマーケット「Google Play」(14位)、iOS版「Google マップ」アプリ(15位)、「iGoogle」「Google Video」などのサービス打ち切り発表(20位)のほか、同社サービス/製品というわけではないが、日本からのIPv6接続に対する方針について言及した記事(11位)でも大きな存在感を示した。

 ついに日本に本格上陸したAmazon「Kindle」(6位)や、AppleのiOSデバイス新モデル(8位、17位)などデバイスものの記事も相変わらず人気だ。同時にAppleといえば、今年はiOSの新バージョン提供に伴い「Google マップ」(15位)や「MapFan+」(19位)というiOS対応地図アプリへの関心も高まった。「MapFan」は日本のデジタル地図として老舗だが、Google マップのように誰もが知っている/使っているわけではなく、ここまで注目されたのはやはり、iOS 6の地図アプリ騒動による影響と言える。

 OS関連では、Microsoftは今年、「Windows 8」というメジャーバージョンアップ製品を投入したわけだが、ランクインしたのは旧バージョン「Windws Vista」のサポート期間延長に関する記事(5位)。Windowsについては、20位圏外ではあるが「Windows XP」のサポート期間に関する記事もかなりアクセスを集めている。目新しい製品の方に注目が集まるAppleと、現行製品に対する関心の方が高いMicrosoftに分かれたわけだ。

(編集部)