● 「Android」に「Facebook Ads」。日本にやってきた「Windows Live」
先々週金曜日の「OpenSocial」に続くかのような勢いで、「Googleケータイ」として注目を集めていた「Android」の発表、「OpenSocial」のライバルと目されるSNS「Facebook」の新広告システム「Facebook Ads」と、海外からのニュースが非常に目立った1週間でした。
そんな中でも、日本に上陸してきた「Windows Live」が直近の目玉だといえるでしょう。2005年の発表から約2年を経て、ようやく日本での正式サービスとなったこの「Windows Live」について、今回は解説します。
◆「Windows Live」正式版、日本でも公式スタート
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2007/11/08/17447.html
11月7日、日本語の正式版「Windows Live」が利用可能な状態に。「Windows Live メール」や「Windows Live フォトギャラリー」などソフトウェアとWebサービスを組み合わせて利用できるのが特徴となっている。
◆Googleが携帯電話向けプラットフォーム「Android」を発表
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2007/11/06/17415.html
11月5日、米Googleは携帯デバイス向けのオープンプラットフォーム「Android」を発表。今後は「Open Handset Alliance」という企業連合によって推進していくとしており、日本ではNTTドコモとKDDIもここに参加している。説明会では、STBなど携帯デバイス以外の分野への応用についても意欲を示した。
◆米Facebook、友人関係を活用する広告システム「Facebook Ads」発表
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2007/11/07/17433.html
11月6日、SNSシェア第2位の米Facebookは新しい広告システム「Facebook Ads」を発表。企業サイトの訪問や購入、レビューの書き込みといった友人の行動を配信し、それと合わせて広告を配信するもので、友人の行動記録が強力なリコメンドとして働くのが特徴。すでに12企業が採用しているとのこと。
◆7件の脆弱性を修正した「QuickTime 7.3」公開、LeopardやVistaも対象
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2007/11/06/17420.html
11月5日、Appleは「QuickTime 7.3」を公開。Mac OS版、Windows版ともにあった脆弱性を修正したもので、AppleはすべてのQuickTime 7ユーザーにアップデートを推奨している。
◆「JEITAはコピーワンス緩和合意を破棄するのか」権利者団体が公開質問状
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2007/11/09/17475.html
コピーワンスと私的録音録画補償金制度に関する問題について、映像・音楽等の権利者団体「デジタル私的録画問題に関する権利者会議」はJEITAに対し公開質問状を送付すると発表。これまでの議論の経緯からJEITAの姿勢を非難。「ダビング10」や、補償金制度の否定論について、12月7日までの回答を求めている。
● 正式サービスになった「Windows Live」って何なの?
Windows Liveとは、2005年11月に米Microsoftが発表したサービスです。コンシューマー向けの「Windows Live」の他にビジネス向けの「Windows Office Live」があり、今回日本で正式版がスタートしたのは「Windows Live」の方です。
発表当時はちょうど「Web 2.0」のブームに火がついた頃で、Webをプラットフォームとしてサービスを展開するGoogleに対し、MicrosoftはWeb上のサービスを始めないのか? と注目が集まる中での発表でした。フィードやAjaxなどWeb 2.0的とされる技術を使ったWindows Liveは、MicrosoftのWeb 2.0のへのアプローチはこれだ、という回答と見られました。
Web 2.0の重要な要素の1つとしては「ソフトウェア・リリースサイクルが終わる」ことが挙げられています。企業はサービスをオンラインでユーザーに提供し、サービスを動かすためのソフトウェアはサーバー側にあり、ソフトウェアは絶え間なく改良を続けバージョンアップされます。したがって、ソフトを定期的にバージョンアップし、それを売って収益を上げるというビジネスは成立しなくなる、という意味です。これは「WindowsやOfficeのバージョンアップを繰り返して売っていく、従来のMicrosoftの商売は成り立たなくなるぞ」ということでもあります。
MicrosoftはWindows LiveなどのWebサービスでは広告を主な収益源とすることを表明。Googleと同じビジネスモデルで勝負をするため、現在では自社製広告配信エンジンの展開を始めるなど、動きを見せています。
さて、8日から正式版となったWindows Liveには、Hotmail(GoogleではGmail)、フォトギャラリー(Picasa)、カレンダー(カレンダー)のように、Googleの対抗となるサービスが揃っています。
そうした中で、Windows Liveは「ソフトウェア+サービス」、つまり、基本的にブラウザ上ですべてのサービスを利用するGoogleと違って、アプリケーションとサービスを組み合わせて利用するのが特徴だとしています。Windows Vistaに搭載されているソフトウェアと操作性がほぼ同じであることも特徴で、初心者にも手を出しやすいでしょう。
なお、Windows Liveは、Windows Update等によって自動的にインストールされたり、インストールを促すメッセージが表示されることはありません。興味を持った方はhttp://get.live.com/WL/allにアクセスして、インストールしましょう(先にWindows Liveにサインインするためのアカウントを取得する必要があります)。また「Windows Live メール」や「Windows Live フォトギャラリー」をインストールした場合でも、元からある「Windows メール」や「Windows フォトギャラリー」は削除されずに残ります。
2007/11/12 12:37
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小林祐一郎 プログラマ、編集者、Webディレクター等を経て、ライター・編集者として活動。興味のあるテーマは「人はどうすればネットで“いい思い”ができるのか」 。ごく普通の人の生活に、IT技術やネットのコミュニケーションツールがどんな影響を与え、どう活用できるのかを研究している。近著「Web2.0超入門講座」(インプレス) |
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