年初から「2ちゃんねる」海外へ譲渡、IPA職員がファイル交換ソフトのウイルスに感染し写真などを流出と奇妙なニュースが相次ぎ、波乱を予感させる2009年のスタートとなりました。トレンドマイクロによると、2009年は広く浅く金銭を搾取することを狙った脅威が増えるとの予想があります。注意・対策を怠らずにインターネットを利用しましょう。
先週は「2009 International CES」に「Macworld Conference & Expo 2009」と大きなイベントが重なり、新製品・新サービスのニュースが多数ありました。後半で、これらをまとめて紹介します。
◆「Windows 7」ベータ版公開、一般ユーザーへの提供は9日から
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2009/01/08/22037.html
米国時間1月7日、米Microsoftは、2009 International CESでの講演で「Windows 7」のベータ版公開を発表した。日本法人によると、日本語版は1月13日から提供開始となる。
◆米Apple、「iTunes Store」の全楽曲をDRMフリー化へ
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2009/01/07/22019.html
1月6日、米Appleは「iTunes Store」で販売している楽曲を、3月までにすべてDRMフリーにすると発表した。現在購入しているDRM付き楽曲は楽曲価格またはアルバム価格の30%でDRMフリーにアップグレードできる。また4月に、「iTunes Store」で販売する楽曲の価格体系を変更するとした。
◆IPAが職員の情報流出で会見、過去の勤務先の業務情報も流出
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2009/01/06/22018.html
1月6日、IPAは、職員がファイル交換ソフトを利用していてウイルスに感染した問題で記者会見を行い、業務関連のファイルや個人情報を含む1万6千ファイル以上の流出を確認したとした。また、ファイル交換ソフトで商用のかな漢字変換ソフトや、児童のものを含むわいせつ画像を検索し、一部をダウンロードしたことが確認されたという。
◆著作権保護期間の延長については結論を得られず、文化審小委員会
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2009/01/06/22013.html
1月6日、過去の著作物等の保護と利用に関する小委員会が報告案をまとめた。著作権保護期間の延長については賛成・反対双方の意見がまとまらず、引き続き検討するとしている。一方、過去の著作物の利用円滑化としては、デジタルアーカイブ化の早期実現などの提言を盛り込んだ。
◆偽のSSL証明書作成を研究者グループが実証、200台のPS3を使用
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2009/01/05/22003.html
12月30日、ドイツでのセキュリティカンファレンスにおいて、MD5アルゴリズムの弱点を利用した偽SSL証明書が作成できるという発表が行われた。これを受け、マイクロソフトはセキュリティアドバイザリを公開。Mozillaも公式ブログで情報を公開した。
● CESとMacworldで登場した注目アイテム・サービスについて復習しておこう
IT関連の総合展示会「2009 International CES」は、米ラスベガスにて現地時間1月8~11日に開催されました。また、アップル関連の展示会「Macworld Conference & Expo 2009」は米サンフランシスコにて現地時間1月6~9日に開催。Appleが来年以降の不参加、さらに恒例だったスティーブ・ジョブズCEOの講演も行わないことを発表しており、ジョブズCEOの健康問題が事前の話題となっていました。
その最後の参加となるMacworldで、AppleはiTunes Store全楽曲のDRMフリー化のほか、iPhotoにFlickr等との連係機能や顔認識機能を新搭載した「iLife '09」、「iWork '09」とオンラインサービス「iWork.com」を発表しました。他に新しい17型MacBook Proも発表しています。
サードパーティによるMac関連のニュースでは、「Picasa for Mac」ベータ版の公開、MicrosoftがMac用Officeとの連携強化発表、Mac用「ノートン・インターネットセキュリティ」の発売、「Skype 2.8 Beta for Mac」の公開がありました。
かたやCESの目玉としては、「Windows 7」ベータ版の一般公開がありました。そして、国内での発表会も行われたソニーの「VAIO type P」は、いわゆるネットブックとは一線を画す「ポケットに入るサイズ」にこだわったマシンです。
また、同じくソニーから発表された無線LANとフルブラウザを搭載したデジカメ「DSC-G3」、「Chumby」がSamsungと提携してデジタルフォトフレームにコンテンツ配信という発表など、インターネットの新しい活用スタイルが生まれそうな、ガジェット絡みのおもしろいニュースが続いています。
インターネットの新しい活用スタイル、といえば「うごメモはてな」の話題も気になるところ。冬休みを利用した低年齢層を中心に投稿数が増え、12月24日のスタートから、1月8日の時点で10万件を突破したとのこと。なかなか明るい話題の見つからない昨今ですが、こうした中から新しい波が起こることを期待したいところです。
2009/01/13 11:41
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小林祐一郎 プログラマ、編集者、Webディレクター等を経て、ライター・編集者として活動。興味のあるテーマは「人はどうすればネットで“いい思い”ができるのか」 。ごく普通の人の生活に、IT技術やネットのコミュニケーションツールがどんな影響を与え、どう活用できるのかを研究している。近著「Web2.0超入門講座」(インプレス) |
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