趣味のインターネット地図ウォッチ
ブロックの組み合わせで地図アプリ開発を体験できる~デジハリの「JointApps」に地図キット追加
(2015/3/5 06:00)
デジタルハリウッド株式会社は、プログラミング不要でAndroidアプリの開発体験ができる「JointApps」に、「地図アプリキット」を追加した。
JointAppsは、プログラムが組み込まれたブロックを配置してつなげるだけで、アプリ作りを体験できるサービス。開発はブラウザアプリで行い、作成したアプリはAndroid用のプレーヤーアプリ「Joint Apps Player」をインストールすることで利用可能となる。作成したアプリはJointApps Player内でユーザーにシェアすることもできる。さまざまな機能を持ったブロックが用意されており、それらをパズルのように組み合わせたり、画像を変えたりすることで、自由にオリジナルアプリを作成できる。
JointAppsには標準で「カメラアプリを作る」アプリキットが入っているが、今回、新たに地図アプリキットが追加され、作成できるアプリの幅が広がった。地図アプリキットを使うことにより、「おすすめラーメン店マップアプリ」や「取引先マップアプリ」などのガイドマップアプリや、指定した場所に近付くとアラームが鳴る「寝過ごし防止アラームアプリ」などさまざまなアプリを作成できる。
地図アプリキットのブロックは以下の8つ。
- 「GPSレーダー」指定した地図データの場所に行くと何かを起動させる
- 「ピン変換」ボタンをタップすると地図上にピンを立てるモードに切り替わる
- 「ピン編集」ボタンをタップすると立っているピンに情報を入力できるモードになる
- 「ピン消去」ボタンをタップすると立っているピンをタップして消去できるモードに切り替わる
- 「地図」地図を画面に表示する
- 「GPS」地図ブロックにつなげて地図の中心を現在地に移動させる
- 「地図保存」地図上に立てたピンやピンに入力したデータを一括して保存する
- 「地図読込」地図保存ブロックで保存したデータを読み込み、「ピン変換」および「地図」を組み合わせることで立てたピンを表示できる
これらのキットを使ってオリジナルマップの作成アプリを作る場合、「自分だけの場所データを保存するアプリ」(保存アプリ)と「保存したデータを再生させるアプリ」(再生アプリ)の2種類を作る必要がある。
ブロックの種類は、プログラムが動作するきっかけを指定する「トリガー」、どのように動作するかを指定する「アクション」、画面に表示させるものを指定する「エクスプレッション」、データの保存や読み込み、ツール選択などを行える「データ」の4種類に分かれている。4つの組み合わせで1つの列となるが、1つの列につき必ずしも4つのブロックすべてを置く必要はない。例えば一番上の列のエクスプレッションに「地図」ブロックを置いて、その右横のデータに「GPS」ブロックを置いてつなげるだけで、起動すると現在地の地図が表示されるアプリが完成する。
次にその下の列のトリガーに「ボタン」を置き、アクションに「ピン変換」、エクスプレッションに「地図」を置き、ボタンブロックに文字を入力してボタンの色を選んで、レイアウトタブでボタンを置く位置を決めると、ボタンを押して地図上にピンが打てるようになる。同じようにして、ピンに情報を入力するボタンとピンを消すボタンとして1列ずつ作り、最後にピンのデータを保存するボタンを作ると、オリジナルマップの作成アプリが完成する。
前述した通り、このアプリだけでは場所データを保存することしかできないので、「再生アプリ」を別に作る必要がある。再生アプリは、1列目は「保存アプリ」と同じで、2列目にはアクションに「ピン変換」、エクスプレッションに「地図」、データに「地図読込」を置く。この状態で、登録したピンの情報を地図上に表示するプログラムは完成だ。これに加えて、「ピンの近くに来ると音が鳴る」という機能を付加する場合は、3列めのトリガーに「GPSレーダー」、アクションに「再生」を置く。
注意する点としては、地図データの保存や読込のブロックを使う場合は、保存先や読込先を必ず指定する必要があること。筆者が初めて試した時は、これを忘れたためにアプリが起動せず、しばらく原因が分からず困った。この点だけ気を付ければ、あとは特に悩むことなく使えると思う。
このようにブロックをさまざまな配列で組み合わせることで、地図を使ったいろいろなアプリを作れる。ブロックとして用意されていない複雑な動作を使ったアプリ作成は無理だが、簡単な操作で地図を使ったアプリの開発を体験できる点はとても面白いと思う。大人が使って遊ぶだけでなく、子供のプログラミング教育にも役立つだろう。