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【使いこなし編】第195回

Synology「BeeStation」に、友達がインターネット経由で写真をアップできるようにする

 本連載では、Synologyのパーソナルクラウド「BeeStation」の活用を第185回から実践している。今回も前回に続き、写真管理アプリ「BeePhotos」を使ってスマホの写真や映像を管理する方法を実践していこう。

 前回はBeePhotosを使ってアルバムの共有リンクを作成して、外部から見られる共有アルバムを作成してみた。複数の友人とイベントの写真を共有するのにとても便利な機能なので、使ってみてほしい。

 今回は、これの反対で、友達などほかのユーザーから、BeeStationに写真をアップロードしてもらうためのリンクを作ってみよう。例えば、何人かの友達で旅行に行ったときに、皆が撮った写真をアップロードしてもらい、まとめたアルバムをBeeStation上に作ることができる。友達にはリンクを伝えるだけでよく、アップロードに難しい操作は必要ないので手軽だ(もちろん、友達にBeePhotosをインストールしてもらう必要もない)。

Synologyのパーソナルクラウド「BeeStation」を活用中。お気に入りのアルバムを友達に見てもらおう

[写真リクエスト]タブから操作する

 写真をアップロードしてもらうためのリンクの作成は、前回と同様に、BeePhotosの最下段にある[共有]タブから、上部の[写真リクエスト]タブを表示させて行う。続けて、アップロードを受け付ける空のアルバムを作成し、共有リンクを作成する、という手順になる。

 前回同様、セキュリティを考慮してリンクの有効期限を設定し、期日が来たら自動でリンクが無効になるようにしておこう。なお、写真リクエストのためのリンクにはパスワード保護機能がないので、リンクを知っていれば誰でもアップロードできるようになっている。

 以下に紹介する手順では、作ったばかりの空のアルバムに対して操作を行っているが、すでに写真があり、共有リンクが設定されたアルバムに対しても、同様に写真リクエストの作成は可能だ。その場合、共有リンクにアクセスすることで、アップロードされた写真はすぐ見られるようになっているので、誰に共有リンクを送っているかに注意しながら利用してほしい。

BeePhotosの最下段で[共有]タブを表示すると、[他者と]タブが表示される。ここでは共有中のリンクが表示される
上部の[写真リクエスト]タブを表示させ、[写真リクエストを作成します]をタップ。次回以降は右上の[+]から作成する
このような設定画面が表示される。[件名]に名前を入力し、[写真をアルバムに追加]をオンにする
[+アルバムの作成]から空の新規アルバムを作成する[※]。アルバム名を記入して進めると、「アルバムは共有されませんでした」という画面が表示されるが、これは[OK]で進めて問題ない

[※]……すでにあるアルバムや共有リンクを設定したアルバムを表示させた状態で、右上の[≡]からそのアルバムに対して[写真リクエストのリンクを作成]を選んでもリンクを作成でき、アルバムが設定された状態で、同じリンク設定画面になる。ただし、この方法だと空のアルバムは作られず、既存のアルバム内の写真とアップロード写真が混在してしまうことになる

これで、作成した空のアルバムが選択された状態になった。ここで前回同様、リンクの有効期限を設定しておこう。ファイルサイズ制限もかけることができるが、ここは相手の利便性を考慮しオフにしておいた。右上の[作成]で保存する
共有サービス選択の画面が表示される。送りたいサービスがあればここから選んでもいいが、ひとまずグレー部分をタップして閉じる。[Copy Link]のアイコンがあるが、ここからの操作はうまく行かなかった
[写真リクエスト]タブにリクエストのリンクが追加されているのでタップする
設定を開くとリンクが作られているのがわかる。「コピー」でリンクをコピーし、メールやメッセージアプリなどに貼り付けて使う

写真リクエストを受け取り、写真をアップロードする

 作成した写真リクエストのリンクは、メールやメッセージアプリなどを使って相手に伝えよう。リンクが怪しまれないように事前に告知しておいた方がベストであることなど、注意点は前回と同じだ。

 写真リクエストのリンクをタップすると、ウェブブラウザーが起動してアップロード用の画面が表示されるので、指示に従いアップロードする。途中で(アップロードするユーザーの)名前の入力が必要になるが、これは、誰がアップロードした写真かを区別するのに使われる(写真のファイルに名前の情報が追加される)だけで、ユーザー登録などの意味はない。アップロードした人が判別できれば、どんな名前でもいいだろう。

リンクが送られてきたら、それをタップする
ウェブブラウザーが起動し、このような画面が表示される。[写真を選択]で進める
iPhoneの場合、このような画面が表示される。[写真ライブラリ]を選択し、写真を選んでいくといいだろう
Android(Pixel)だとこのような画面が表示される。[メディアの選択]を選ぼう
続けてAndroidの画面。[最近使用したファイル]や[フォト]から選んでいく
写真を選んで[完了]をタップし、アップロードを行う
[ユーザー名]の入力が求められたら、名前を入力する
アップロード中の画面。シッカリ自宅内に設置してあるBeeStationにアップロードされている
アップロード完了が完了した。この画面は閉じてしまってOK
BeePhotosで確認すると、作成したアルバム内に写真が追加されている

 写真がアップロードされるのを待って、BeePhotosで確認してみよう。作成したアルバム内に新しい写真を見つけられるはずだ。なお、写真リクエストを送っただけでは、アップロードした人自身はまだこのアルバムを見ることはできない。前回の手順を参考にして、このアルバムの共有リンクも送る必要がある。

 今回まで、BeeStationで写真や動画を扱ってみたが、家族内やグループ内の共有・保存用として、けっこう使えることが分かったのではないだろうか。写真と動画のバックアップのためだけに、iCloudバックアップやGoogleドライブなどクラウドストレージのの大容量プランを契約している人もいると思うが、BeePhotosに写真や動画を保存してここで共有し、クラウドストレージの容量は抑えて利用量を節約する使い方がおすすめだ。

 共有したい友達などにユーザー登録などの面倒な操作をしてもらわなくても、リンクを作るだけでBeeStationを介した共有ができるのは、とても使い勝手がいい。この後の回で実践していく予定だが、家族をBeeStationのユーザーとして登録し、、使い勝手のいいファイル共有もできる。次回は、PCからBeePhotosを活用してみようと思う。

今回の教訓(ポイント)

BeeStationでは写真リクエストリンクを作成することで、リンク経由で写真をアップロードできる
イベント後などに仲間から大量の写真を送って集める時に便利

村上 俊一

1965年生まれ。明治大学文学部卒。カメラマン、アメリカ放浪生活、コンピューター雑誌編集者を経て、1995年からIT系フリーライターとして活動。写真編集、音楽制作、DTP、インターネット&ネットワーク活用、無線LAN、スマホ、デジタルガジェット系など、デジタル関連の書籍や雑誌、ウェブ媒体などに多数執筆。楽曲制作、旅行、建築鑑賞、無線、バイク、オープンカー好き。