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【使いこなし編】第208回
Synology「BeeStation」で「Googleドライブ」などクラウドストレージをバックアップして容量を節約する
2024年8月29日 06:00
本連載では、Synologyのパーソナルクラウド「BeeStation」の活用を、第185回から実践している。本製品はNASの一種だが、インターネット経由で外部からも簡単にアクセスできるのが特徴で、「パーソナルクラウド」の呼び名は、その特徴にちなんでいる。
前回までは、LAN内で使えるネットワークドライブとしてPCからBeeStationを使ってみた。今回からは、「OneDrive」「Googleドライブ」「Dropbox」といったクラウドストレージサービスとBeeStationを連携し、これらのサービスのバックアップデバイスとして活用する手法を見ていこう。
これらクラウドストレージサービスでは使える容量が契約するプランにより決まっているが、BeeStationを連携することで、あまり使わないファイルを適宜BeeStationにバックアップしながら、容量を節約して使えるようになる。また、一時的にサービスが使えなくなることがあっても、BeeStationのファイルにアクセスできるようになり、安心感が増す。
Googleドライブと[一方向]で同期する
ここでは、Googleドライブと連携する操作を紹介する。
PCのウェブブラウザーで「BeeFiles」を表示させて、[カテゴリ]の[クラウドサービス]を選択し、利用しているサービスを選んで進めていく。なお、スマホアプリの「BeeFiles」からも同じように設定可能だ。
BeeFilesで[その他]から[クラウドサービス]を選択して操作を進める。このクラウドサービスの同期は、SynologyのほかのNASにも採用されている「CloudSync」という機能を使って実現しているので、これに対して操作ができるように設定することになる。
[同期方向]を[双方向]と[一方向]から選択できるが、ここではGoogleドライブからBeeStationへの[一方向]に設定して使ってみよう。[双方向]は一般的な同期で、BeeStationとクラウドストレージとのどちらかでファイルが更新されたときにもう一方にも反映され、両方で最新のファイルを利用できるようにするものだ。ファイルやフォルダを削除した場合は、両方から削除される。
対して[一方向]は、クラウド側のファイルの更新内容がBeeStationにダウンロードされるだけとなる。もしBeeStationでファイルを更新しても、クラウド側には反映されず、クラウド側で同じファイルを更新したときに上書されてしまう。また、クラウド側でファイルやフォルダを削除しても、「削除した」ことは同期されず、BeeStationには残り続ける。
これによって、BeeStationをクラウドストレージのバックアップとして使えるようになる。使わなくなったファイルをクラウド側で削除しても、必要になったときはBeeStationから簡単に取り出すことができ、失わずに済む。[双方向]と[一方向]で使い方が全く異なり、バックアップ用途には[一方向]が適しているわけだ。
最初の同期が完了するまで待とう
設定を終えると、クラウドとBeeStationの間で同期が始まる。初回は全てのファイルがダウンロードされるので、それなりに時間がかかる。完了するまで放置しておこう。同期が完了すると[最新]と表示され、BeeFilesの[クラウドサービス]に同期されたファイルが表示されるようになる。
次回、この同期させたファイルを使って、実際の動作を実践してみよう。