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【使いこなし編】第226回

「Fire TV Soundbar Plus」の音質にこだわる! Fire TVストリーミングデバイスから可能な詳細設定

「Fire TV Soundbar Plus」をFire TVストリーミングデバイスから細かく設定する

 Amazonから2024年12月に発売された「Fire TV Soundbar Plus」の使いこなしを、第223回から実践している。薄型テレビをもっとイイ音で楽しみたいとき、手頃な価格で手軽に導入できる製品がサウンドバーだ。製品の概要については、第223回を参照してほしい。

 前回は、テレビのARC/eARC対応HDMIポートに接続したFire TV Soundbar PlusにFire TVストリーミングデバイス(この実践ではFire TV Cube)経由で、[設定]の[ディスプレイとサウンド]からサウンドの再生設定をした。同じ[ディスプレイとサウンド]には、「Fire TV Soundbar Plus」が表示されている。今回はここの設定をくわしく見ていこう。

チューナーレステレビにFire TV Soundbar PlusとFire TV Cubeを繋げて活用中

イコライザーや疑似サラウンドの設定ができる

 もし[ディスプレイとサウンド]に「Fire TV Soundbar Plus」が表示されない場合は、Fire TV Soundbar Plusが認識されていないので、テレビの電源を入れ直してみてほしい。表示されていれば、[Fire TV Soundbar Plus]を選択する。

 なお、Fire TV Stick(第1/第2世代)、Amazon Fire TV(第2世代)のデバイスは、このサウンドコントロール機能に対応していないので注意してほしい。ここではFire TV Cube(第3世代)を使っている。

前回と同様にFire TVの[設定]から[ディスプレイとサウンド]を開く
「Fire TV Soundbar Plus」が表示されていたら選択する
Fire TV Cubeのリモコンで「ホーム」ボタンを長押しするとショートカットが表示され、[サウンドバー]を選ぶことができる。選択すると、上記[Fire TV Soundbar Plus]を選択したことと同じ設定にアクセスする

 [EQモード]では、イコライザーの設定をプリセットを選ぶことで変更できる。イコライザーは高音や低音など、再生周波数ごとに強調したり弱めたりする。例えば[ナイト]は、夜に音量を小さくすることを想定し、小さな音量で聞きにくくなる低音と高音をじゃっかん強くして聞きやすくする。アンプには「ラウドネス」などというプリセットで装備されるEQだ。

 [サラウンドエフェクト]は、DTS Virtual:Xと呼ばれているコンテンツ側でDoldy Atmosなど3Dサラウンドに対応していない場合にも、サラウンドっぽい広がりのある音として再生してくれる機能になる。[オン]にしておくと良いだろう。選択ボタンでオン/オフを切り替えることができる。テレビのHDMI端子がARCしか対応していない場合には、Doldy Atmosのサラウンドは楽しむことができない。この場合にもこのDTS Virtual:Xならサラウンド風の音を楽しめる。eARC対応であれば、DTS Virtual:XではなくDoldy Atmosのサラウンドを純粋に楽しめる。

 [ダイアログエンハンサー]については前回も解説したが、前回も言ったようにオンにしておけば、レベルをFire TVリモコンの再生コントロールの「戻る/進む」ボタンで設定できる。演者の声を聞きやすくしてくれる機能で、数値が高い方が声が大きく聞こえる。ほか[低音]と[高音]で簡易的にイコライジングすることができる。[DTS Tru音量]では、DTS TruVolumeというダイナミクス最適化機能のオン/オフができる。これは、映画などで小さな音から急に轟音に切り替わる時に、音量差(ダイナミクス)を余りつけず驚かさないようにするもの。映画鑑賞に没入したい場合は[オフ]にして、ながら視聴では[オン]にして音量を平滑化しておくと聞きやすくなる。

 [音源]では、Fire TV Soundbar Plusの入力を切り替えられる。HDMIケーブルで接続している場合には、[HDMI ARC]が選択されているはずだ。切り替える必要がなければ、ここはこのままにしておく。次回、外部入力切り替えについて扱うことにしよう。

 このほか[オーディオ遅延]の設定もできるが、無線接続でないなら遅延はないと思うので、この設定は不要だ。

[EQモード]を選択する
[EQモード]では4種類から設定できる。これは鑑賞するコンテンツで好みに設定を変える
[サラウンドエフェクト]は[オン]にしておくといい。DTS Virtual:Xという機能になる
[ダイアログエンハンサー]はFire TVリモコンの「戻る/進む」ボタンでレベルを設定できる
[DTS Tru音量]では、DTS TruVolumeというダイナミクス最適化機能が利用できる。鑑賞スタイルでオンにしよう
[音源]では、Fire TV Soundbar Plusのサウンド入力先を切り替えることが可能

Fire TVストリーミングデバイスがなくても一部の設定は利用可能

 なお、これらのサウンド調整の設定は、Fire TVストリーミングデバイスがなくても、Fire TV Soundbar Plusの専用リモコンや本体のボタンを使えば可能だ。

 ただし、設定時に音声案内が流れ、それに従って操作していくのだが、これが微妙に煩わしく感じることもある。例えば、「DIALOG」ボタンを押すたびに「ダイアログレベル1」「ダイアログレベル2」と順に発音して切り替わっていくという具合だ。

 Fire TVストリーミングデバイスを持っているなら、今回解説したように画面を見ながら設定してしまった方が分かりやすいし、リモコンにはない全ての設定が可能となっている。コンテンツを視聴しながらEQやダイアログエンハンサー、DTS Virtual:Xの切り替えをするのは、リモコンから行うと使いやすいのではないかと思う。

設定は、Fire TV Soundbar Plusの専用リモコンや本体のボタンを使っても可能

今回の教訓(ポイント)

Fire TV Soundbar Plusの詳細な設定がFireTVストリーミングデバイスから可能
ただし、古いFireTVストリーミングデバイスでは非対応のモデルもある

村上 俊一

1965年生まれ。明治大学文学部卒。カメラマン、アメリカ放浪生活、コンピューター雑誌編集者を経て、1995年からIT系フリーライターとして活動。写真編集、音楽制作、DTP、インターネット&ネットワーク活用、無線LAN、スマホ、デジタルガジェット系など、デジタル関連の書籍や雑誌、ウェブ媒体などに多数執筆。楽曲制作、旅行、建築鑑賞、無線、バイク、オープンカー好き。