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【使いこなし編】第227回
Amazonのサウンドバー「Fire TV Soundbar Plus」をHDMIでなく光デジタル接続で使う〜メリットとデメリット
2025年2月13日 06:00
Amazonから2024年12月に発売された「Fire TV Soundbar Plus」の使いこなしを、第223回から実践している。薄型テレビをもっとイイ音で楽しみたいとき、手頃な価格で手軽に導入できる製品がサウンドバーだ。製品の概要については、第223回を参照してほしい。
今回は、Fire TV Soundbar Plusの光デジタル入力を使ってみようと思う。テレビとの接続はセットアップ時に実践したようにARC/eARC対応のHDMIを使うケースがほとんどだと思われるが、手持ちのテレビのHDMIポートがARC/eARCに対応していない場合に、この光デジタル接続を使えばテレビの音声をデジタル転送可能になる。
これまでの連載でも述べたように、音質や機能の面で、ARC/eARC対応のHDMIと比べて光デジタル入力が優れている点は特にない。ARC/eARC対応のHDMIが使えない場合に光デジタル入力を使うと、どのような違いがあるかを主に見ていこう。
Dolby AtmosやDTS:Xが使えないなどのデメリットあり
ただし、光デジタルではDolby AtmosやDTS:Xが使えないばかりか、電源操作も連動しなくなる。光デジタルでは、ベーシックなリニアPCM 2ch(非圧縮ステレオ)のほか、マルチチャンネルではDolby Digital 5.1ch、DTS 5.1ch、AAC 5.1chまでのサウンドフォーマットを転送できるが、Fire TV Soundbar Plusでは光デジタル(Bluetoothも)接続で、Dolby Atoms、DTS:X、マルチチャンネルオーディオに対応していない。つまり、ステレオの音のみということになる。
HDMIが使える場合には、HDMIを優先して繋ぐようにしてほしい。eARC対応であれば、Dolby AtmosやDTS:Xも転送される。
また、光デジタルでは純粋に劣化のないデジタルサウンドを転送するだけの機能になり、前回チェックしたFire TVストリーミングデバイスからFire TV Soundbar Plusを細かく設定することもできない。設定は全て専用リモコンを使い、音声ガイダンスと前面のLEDに従って設定することになる。
この使い方では、テレビやFire TVストリーミングデバイスとは無関係に、アンプ付きスピーカーとして動作させられるものと考えておくといいだろう。
光デジタルに別の入力ソースを接続することも可能(ただし非推奨)
光デジタル入力をいろいろ試してみて、実際に便利だなと思ったのは、CDデッキやPCといった音質的に光デジタル入力で十分な音源を接続しておく使い方だ。通常はHDMI接続のテレビからの音声を流し、CDの音楽などを聴きたいときに入力ソースを切り替える。
このようにすれば、テレビ(や映像コンテンツ)以外の音もFire TV Soundbar Plusから楽しむことができ、机上やリビングでコンパクトなサウンドシステムを構築可能になる。HDMIと光デジタルの入力機器が両方がオンになっていると入力信号が誤動作する可能性があるので、使わない機器は都度電源をオフ(もしくはスタンバイ)にしておくようにしよう。ただし、このように両方の入力を常時接続して使うことはAmazonで公式には推奨していないので注意してほしい。
光デジタル接続時は端子の間違いに注意
Fire TV Soundbar Plusの光デジタル端子は、角形の光デジタルになっている。光デジタルでは光ファイバーを使っているので、通電されると先端が赤く光る(ここは触れないように注意)。角形光デジタルにはシャッターが付いているので、そのまま押し込むとシャッターが開き接続できるようになる。差し込む際には、上下の向きも決まっているので注意してほしい。
丸形はシャッターがなく、3.5mm径アナログヘッドフォン端子などとまったく同じ形状のため、ちょっと間違いやすい。アナログと光デジタルが共通端子になっている場合もある。接続する場合は手持ち機材の説明書をよく読んでから行うようにしてほしい。信号自体は角形も丸形も同じなので、変換して挿し込むことも可能だ。
接続したら、Fire TV Soundbar Plusで入力を光デジタルに切り替える。本体かリモコンで外部入力ボタンを押すと、押すたびに「HDMI」→「光デジタル」→「Bluetooth」→「USB」と音声ガイダンスが流れ切り替わっていくので光デジタルにする。これで音が出るようになるはずだ。
テレビのボリュームは最小にしておく
このままだと、テレビ本体からも音が出てしまうので、テレビの音を「1」まで下げておく。実践で使っているTCLのチューナーレステレビ「50P63J」は消音(ミュート)にすると画面に画面に表示されたままになるので、最小の「1」にしておいた。常時画面表示がなければ消音しておくのがベストだ。
テレビによっては、出力を「光デジタル」や「外部スピーカー」などに設定が必要になることもある。50P63Jではテレビのスピーカーと光デジタルの両方から出力されていたが、切り替える場合にはボリュームを下げる必要はなくなるはずだ。
また、テレビ側で音声関連設定の「デジタル音声出力」の切替が必要になることもある。通常は「自動」や「オート」で問題ないが、音が出ない場合は「PCM」に設定する。50P63Jでは光デジタル接続関連の設定は特に必要はない。テレビの設定に「デジタル音声出力」という項目もあるが(「ディスプレイと音」ー「音声設定」ー「詳細設定」のメニュー内)、ここはHDMI接続時の設定のようで、「自動」のままで光デジタルも利用できた。
光デジタル接続でのFire TV Soundbar Plusの音量調整は、Fire TV Soundbar Plus前面のLEDで確認しながらリモコンで調整する。また、電源もテレビと連動しないので、個別にオフにするという操作が必要になってくる。LEDは電源オンで左右に流れるアニメーション表示で、オフで5個が一瞬点灯するという表示になっている。
Fire TV Soundbar Plusは、音楽ソースも楽しめるポテンシャルを持っている。8畳程度の広さの部屋であれば左右チャンネルをそれほど離す必要もないので、こういったサウンドバーで、十分に臨場感ある音楽を楽しめる。光デジタル出力のあるCDプレイヤーやネットワークサウンドプレイヤーなどを接続して楽しんでみてほしい。その場合は「EQモード」を「ミュージック」に設定し、ポップスやロック、ダンス系を聞くなら[低音]レベルを上げ目にすると、ご機嫌なサウンドになる。
なお、テレビとHDMIで接続している場合は、テレビの電源をオフにすると、Fire TV Soundbar Plusも連動してオフになってしまうので注意してほしい。テレビの画面を消してFire TV Soundbar Plusから音だけを出したい場合は、テレビがオフの状態からFire TV Soundbar Plusの電源のみオンにして、リモコンで入力を切り替えるといいだろう。
「もうウチにはCDプレイヤーなんかなくて、音楽はサブスクでしか聴いていないよ」という人向けには、次回Bluetoothでスマホの接続を実践してみるので、そちらを参考にしてもらいたい。
今回の教訓(ポイント)
Amazon「Fire TV Soundbar Plus」は光デジタル接続でも入力可能
切り替えて使うことでテレビとは別のプレイヤーの入力としても活用できる