テレワークグッズ・ミニレビュー
番外編
コロナ5類移行でリアル出社は増えた? フリーアドレスが大不評!? 読者アンケートで見えた意外な声
2023年6月30日 12:34
「テレワークグッズ・ミニレビュー」が連載を開始して丸3年。当初は編集部スタッフの間でもテレワークの環境作りに手探り状態で、だったらそれ自体を企画にしてしまおうと始めたのがこの連載だった。
しかし、2023年に入って新型コロナウイルスは5類移行となり、街の雰囲気も変わってきた。そんな中、はたして本誌の読者のテレワーク環境はどうなっているのか? そんな疑問からアンケートを実施してみた。
ということで今回はアンケートの結果をお伝えしたい。あくまでINTERNET Watchの読者に向けたアンケートなので、世間一般の平均とは異なるだろうが、気になる答えを見ていこう。
テレワークと出社の割合、原則出社は28%で全国平均を大きく下回る
まずは現在のテレワークと出社の割合について聞いてみた結果がこちら。
最も多かったのは意外にも「原則出社」で28%。次いで多いのが「原則テレワーク」で2ポイント差の26%、次も1ポイント差で「週に1~2日程度出社」で25%、「週に3~4日程度出社」が13%、最後が「月に1~3日程度出社」で8%という結果になった。
僅差とはいえ1位が原則出社だったのは意外にも思えたが、調べてみたところ内閣府が今年3月に実施した調査では、全国平均のテレワーク実施率(少しでもテレワークをしている人)が全体の30%なので、むしろテレワーク実施率72%という結果はすこぶる高いと言えそうだ。内閣府の調査でも情報通信業は73.9%と高い割合が出ているので、弊誌読者の方の傾向としては、順当なところと言えそうだ。
アンケートのコメントを見ても、 「自宅の環境を整えた結果非常に快適になり、もはや会社では仕事ができません」「自宅の環境を自分好みに整えてしまったので、自宅のほうが仕事しやすい。出社したくない」「自宅の環境を整えたため、相対的に会社の環境がショボいが、会社が執務環境に無頓着なのが困る」 など、もはや自宅のほうが仕事がしやすいという声が多かった。
一方でテレワークに対する不満の声も聞かれて、中でも多かったのは回線の遅さ。 「賃貸で光回線が引けずWimaxを使っているが夕方以降速度が落ちる」「5Gホームルーターを使ったがちょくちょく4Gに切り替わったり、繋がらなかったり」 といった声。また、 「回線が遅くWeb会議に参加できない」「帯域が狭く会議で会話が途切れる」「重要な会議ほど(参加人数が多いせいか)問題がおきる」 など、回線の弱さがWeb会議で露見することが多い様子だ。
また、電気代が高騰している影響も。 「在宅手当がでない」「電気代などは各自持ちなので、電気料金の高騰が痛い」「電気料金が上がっているので昼休みにPCをシャットダウン」「会社からのテレワーク補助が月5000円だけど、電気代値上がりして足りていない」 などなど。
確かに仕事しているとPCの熱もあって余計に部屋が暑くなる。ここ数日は暑い日が続いているので、この先の電気代はますます大変そうだ。
5類移行も強制出社の波は緩やか!?
続いて気になるのが、新型コロナの5類移行でリアル出社が増えたのかということ。以前の雰囲気では、コロナが落ち着けばすぐにでも出社にさせたいような空気感があったがその結果は……
これまた意外というか、「あまり変わらない」が72%と大半を占めた。次が「増えた」で21%。編集部も「少しは増やそうか」となったのでこれに該当する。反対に、「減った」が7%もあったことには驚かされた。
先の質問でも見えたとおり、もともとテレワークでも働きやすい業種の方が多かったと想定すると、そうした業界では「出社すべし」という流れは少ないのかもしれない。そう思えば自宅のテレワーク環境をもっと充実しても良さそうな気がしてくる。
ただし、出社しようという動きは少なからずあるようで、 「フリーアドレスで座席数が大幅に削減されたのに、リモートワークから出社に戻せと言われ困惑している」「通勤電車が混んでいる」「テレワーク=さぼりと思っている上司がいる」 といったコメントが見受けられた。
その一方で、 「最近週1回の出社になった。自分だけは遠方在住のため出社免除されているものの、ほかのメンバーとの心の距離が開いていく気がする」 といった声も。コロナ禍以降、地方在住者のフルリモートでの契約も増えてきているが、自分だけがリアル出社できないというのは、それはそれで大変そうだ。
自宅で仕事部屋、確保できてる?
続いて自宅の仕事環境について、仕事部屋が確保できているかなどを聞いた結果がこちら。
もっとも多いのが「仕事部屋が確保できている」で40%、次いで多かったのが「仕事部屋はないがデスクなど仕事スペースはできている」で38%、「リビングやダイニングなど共有スペースで仕事をしている」が10%、「仕事をできる場所はない」が1%と続き、残りの11%が「テレワークをしていない」と「その他」になる。
自宅の仕事環境が快適になりすぎている人の声はこれまでにも紹介したが、中には仕事部屋が確保できているものの 「冷暖房がない」「セラミックヒーターと扇風機でしのいでいる」 といった声や、 「部屋が狭くディスプレイを増やしたいが増やせない」 といった声も。
また、仕事部屋がない人だと多く聞かれるのが、 「Web会議で子供の声が入ってしまう」「家族がいるときは寝室などに移動してWeb会議に出る」「紙の資料を広げるスペースがない」「わんこ(愛犬)が遊ぼうとうるさい」 など。
共有スペースで仕事をしている人は 「ダイニングではテーブルも椅子も仕事に向かずつらいです」「やはりスペースがない。特に子供が学校から帰ってきたときに落ち着いて仕事をしづらい」 など。特に共有スペースでの仕事だと、毎回片付けなければならないというのも大変そうだ。
フリーアドレスが不評過ぎる……
一方のオフィスでのデスク環境について聞いた結果がこちら。
もっとも多かったのは意外(?)にも「フリーアドレスではない(自分の席がある)」で48%。
次いで多かったのは「コロナ禍以降フリーアドレスになった」で23%、弊社もこれだ。そして意外と多かった「コロナ禍前からフリーアドレス」が19%。合わせると42%が現在フリーアドレスということだが、コメントを見ていてもフリーアドレスに対する不満の声は多く聞かれた。
「フリーアドレス化で据え置きディスプレイが使えなくなり、モバイルディスプレイを持ち歩くようになった」 とか、 「毎回電源などを持ち歩いて接続するのが煩わしい」「デスクごとに外部ディスプレイの台数や解像度が異なるのでその都度設定が大変」「大型ディスプレイのある席の奪い合い」「フリーアドレスで席が減ったのに出社する人数が増えて席が足りない」「自宅のテレワーク環境の方が、会社のフリーアドレスの環境よりも、環境が整っていて仕事の効率が全然違う」 などなど。フリーアドレスになって良かったという声はまったく見つけられず。
また、フリーアドレスであるなしにかかわらず、出社環境でのWeb会議に対する不満の声が多く聞かれた。 「在席で会議をする人がいてうるさい」「会議室が足りず自席でWeb会議をすると周囲の音を拾ってしまう」 などなど。
Web会議での音問題はオフィスでも自宅でも生じる問題で、ヘッドセットに関する悩みのコメントは、このほかにも多く見られた。
テレワークでも出社でも、Web会議はやっぱり大事
ちなみにここで紹介した以外の困りごととしてもっとも多かったのが、PCのスペックに対する不満だ。
「会社支給のモバイルPCが落ちやすい。軽量のため冷却が弱いのではないと思う」「職場PCでリモート会議することがあるが、性能上の問題でイマイチ良く映らない時や、背景ぼかし等に支障が出る場合がある」「どうしてもテレワークではビデオ会議ツール、ブラウザ、作業ソフト各種など、PCで複数作業をするためメモリ不足に陥りがち、ハードウェアを改善したい」「相手に合わせるためにいろんなビデオ会議用のソフトを入れないといけない。使い方もバラバラで、PCも重くなる」 などなど。
ここでも不満の中心にあるのはWeb会議。今や重要なプレゼン、あるいは商談などがWeb会議で行われるのは当たり前の時代。そうした中で「声が聞こえない」「映像が途切れる」といったトラブルはかなりクリティカルな問題だ。そういった意味では、PCのスペック、回線のパフォーマンス、周囲のノイズを拾わないヘッドセットなどはまだまだニーズが高そうだ。ということで、テレワークグッズ・ミニレビューでもその辺りは注力していこうと思う。
ヘッドセットについてはこれまでもいろいろと試しているので、まだ読んでいない人は関連記事を参照してほしい。
なお、アンケートではオススメのテレワークグッズも聞いているが、なかなか熱いコメントを多くいただいていて、ここでは紹介しきれない。また別の形で紹介する機会を設けようと思っているので楽しみにしておいて欲しい。
INTERNET Watch編集部員やライター陣が、実際に使ってオススメできると思ったテレワークグッズをリレー形式で紹介していく「テレワークグッズ・ミニレビュー」。もし今テレワークに困りごとを抱えているなら、解決するグッズが見つかるかも!? バックナンバーもぜひお楽しみください。