急遽テレワーク導入!の顛末記
「iPhoneとPCを連携させて、無料で通話を録音・文字起こしする方法」――急遽テレワークを導入した中小企業の顛末記(181)
iPhoneの通話音声がPCで扱えるようになったので、いろいろ試してみた
2024年4月1日 07:00
先日はWindows 11の「スマートフォン連携」機能を使って、PCをマイクとスピーカー代わりに使って、iPhoneの電話対応を行った。この仕組みを使えば、電話の音声を手っ取り早く録音できるかもしれない。
……この記事を書いている時点で、新型コロナが5類に移行されて326日が過ぎた。
私が勤めている新宿にある中小企業では現在、各スタッフが可能な範囲でリモートによる業務を行っている。その中で、今回はiPhoneの電話にPCで受け応えしながら、それを録音したり、文字起こししたり、外部と共有したりしてみた。
3月25日(月):iPhoneの電話をPCで対応、ついでに録音してみた!
Windows 11の「スマートフォン連携」機能を利用することで、iPhoneにかかってきた電話に対応したり、電話をかけたりすることが可能になった。この時、電話相手の声はPCのスピーカーで再生されるので、仮想ミキサーアプリを利用すれば、この音声をPCで録音できるかもしれない。
iPhoneでの通話の録音は以前にも行ったことがあるが、マイクで拾った自分の声と、スピーカーで鳴っている相手の声をまとめて録音するには、2つの音声をMIXする必要がある。この作業には今回も仮想ミキサーの「VoicemeeterBanana」を使用し、同ソフトとWindowsの設定を以下のように行った。
Windowsの「サウンド」設定
出力:VoiceMeeter Input
入力:マイク
「VoicemeeterBanana」の設定
HARDWARE INPUT:デバイスにマイクを設定し、出力先に「B1」を指定
VIRTUAL INPUTS:出力先に「A1」と「B1」指定
HARDWAREOUT:「A1」にスピーカーを設定
これにより、まずはWindowsの出力設定によって、電話相手の声(PCで鳴っている音)が、「VoicemeeterBanana」の「VIRTUAL INPUTS」に送られるようになる。
その後、「VoicemeeterBanana」の設定により、マイクが拾った音声は「B1」に、電話相手の声は「A1」と「B1」に送られるように。さらに、「A1」にスピーカーを設定したことで、電話相手の声はスピーカーで再生。一方、「B1」(「VoiceMeeterOutput」という仮想デバイス)には、自分と電話相手の声がMIXして出力されるようになる。
この状態で録音用のアプリとして「♪超録 - パソコン長時間録音機」を起動。録音時の入力デバイスに「VoiceMeeter Output」を指定したところ、自分と電話相手の両方の声を録音することができた。以前にiPhoneでの通話を録音した際は、3極=4極の変換コネクタを使ったうえで、iPhoneとPCをケーブルで接続する必要があったが……。この方法ならもっと手軽に、通話音声を録音することができそうだ。
3月26日(火):「VoiceMeeter Output」をZoomに接続!文字起こししてみた
昨日は「VoicemeeterBanana」を使って、自分と電話相手の声を「VoiceMeeter Output」という仮想デバイスに送ることができた。そこでふと思いついたのが、この仕組みをAIによる文字起こしに使えないかということ。先日はZoomの標準機能を使って、録音データの文字起こしを行ったが、それと同じ方法で通話の文字起こしができそうだ。
さっそく、Zoomのミーティングで文字起こし機能を有効にした状態で、マイクに「VoiceMeeter Output」を指定したところ、電話中の音声がリアルタイムで文字起こしされた。このミーティングをレコーディングしておけば、最後に録音データも保存されるので、録音用のアプリを使うより便利かもしれない。
3月27日(水):Zoom越しに新人社員の電話応対をチェック
明日からはしばらく自宅でテレワーク。担当しているプロジェクトで、いくつか電話での問い合わせを行うことになったが、その対応を新人社員に任せるかどうか悩んでいる。最初のうちは、その様子を傍で見守るべきだろうが、最後まで付きっ切りで対応するのも難しい。
そこで、昨日と同じやり方で、電話のやり取りを新人にZoom配信してもらうことを思いついた。このミーティングに参加すれば、電話のやり取りをヒアリングするだけでなく、コメント機能を使ってアシストすることもできそうだ。
「スマートフォン連携」機能を利用することで、iPhoneの電話音声をPCで取り扱えるようになった。iPhoneでは電話の音声を無料で録音するのが難しいが、こうしたツールの力を利用すれば、手軽に音声データを保存できそうだ。
とある中小企業に勤める会社員、飛田氏による体当たりレポート「急遽テレワークを導入した中小企業の顛末記」。バックナンバーもぜひお楽しみください。