vProの匠
【悩める情シスのvPro入門】「シンクライアント」と「ファットクライアント」、結局どっちがいいの?
- 提供:
- インテル株式会社
2022年12月6日 06:00
ここは都内にある某中堅企業のオフィス。今日も情シスの社員2人が出社してきたのだが、どうやら悩み事があるようで……。
新人情シスの新垣エマさんは、どうやらシンクライアントに興味を持った様子。「うちの会社でも使ってみては?」と提案してきたのだが、先輩である伊集院テルオさんは、この提案にどう答えるのだろうか――。
社員数400名規模で、全国に工場やオフィスを持つ中堅企業で働く情シス。業務経験は13年で、管理ツールについての知識あり。最近では「インテル vPro プラットフォーム」の試験導入に関わっており、その運用に興味を持っている。
ここ最近、入社したばかりの新人の情シス。伊集院さんの部下として働いているが、毎日の仕事について分からないことばかりで、ついつい先輩に頼ってしまう。
今回のお題:シンクライアントとファットクライアントの特徴とは?
あっ、先輩! 昨日、テレワークの情報を調べていたら、「シンクライアントを使えば、PCの管理が楽になる」って書いてありました。それって本当ですか?
いいところに目を付けたね。それじゃあ、シンクライアントを導入すると、どんな良いことがあるか考えてみようか。
それは……仮想OSやアプリケーションがサーバー上で動いているから、シンクライアント端末そのもののメンテナンスには、あまり手間がかからないとか?
うん、シンクライアントの大きなメリットだね。クライアント端末にデータが保存されていないから、端末ごとにアプリケーションを管理したり、データを保護する必要がなくなるわけだ。
Windowsのリモートデスクトップみたいに、サーバー上の仮想マシンを操作するんですよね。モニターにはデスクトップ画面が表示されているのに、その端末では動いていないと知ってビックリしました!
その“サーバー上で仮想OSが動いている”タイプはVDI方式と言われていて、シンクライアントの中でも最も一般的な方式なんだ。ちなみに、いわゆる普通のPCのように、ローカルでOSやアプリケーションを実行している環境のことは、ファットクライアントとも呼ばれているかな。
シンクライアントはウチの会社でも導入できる?
それじゃあ、次にPCをリプレイスするタイミングで、ウチもシンクライアントを導入しませんか?
確かにシンクライアントは管理の面では便利だけど、普通のPCにはない弱点もあるんだ。例えば、利用しているネット回線が遅いと、操作にラグが起きてしまったりね。
あー、それは使いにくそう……。動画とかもコマ送りになっちゃいそうですね。
高画質な動画の再生は難しいね。そういう処理は全部サーバーが行っているから、作業が集中すると動作が重くなる原因にもなる。もし、ネットワークなどに障害が起きたら、操作自体ができなくなるリスクもあるよ。高性能なサーバーを使おうと思ったら、導入や運用にもコストがかかるしね。
そういえば、ビデオ会議に参加しようと思ったら、シンクライアント端末のWebカメラは使えるんですか? アプリケーションはサーバーで動いているわけですし……。
その場合にはアプリケーションがVDI方式に対応している必要があるね。ウチで使っているZoomなら大丈夫だよ。
最近流行りの“データレスクライアント”とは?
うーん、シンクライアントの導入って、そう簡単にはいかないんですね。
まてまて、セキュリティの向上が目的なら、データレスクライアントを導入するという手もあるぞ?
データレスクライアント……ですか?
そう、データをクライアント端末に保存しないから“データレス”。例えば、今利用しているPCに専用のソフトウェアを入れることで、データを常にクラウドに保存するようにする。これも、データレスクライアントの1つだね。
なるほど、データが保存されていないわけだから、もしPCを落としても大丈夫だと。ネット回線やサーバーが重くなっても、シンクライアントのように操作が遅くなることはなさそうですね!
それだけじゃないぞ、サービスによってはサーバー上でデータを世代管理して保護しているから、仮に“データを暗号化するランサムウェア”に感染しても、復元ポイントから汚染前のデータを復元できるんだ。
データレスクライアントでも、日々のセキュリティ管理は重要
データレスクライアントを導入すれば、セキュリティも万全ですね!
いやいや、それで安心していちゃダメだぞ。もしも、マルウェアに感染したら、クラウド上のデータにアクセスされる危険性があるから、1台1台のPCをきちんと管理する必要があるんだ。
あ、やっぱり、それは必要なんですね。
もちろんそうだよ。この前にも説明したように、テレワークで自宅にあるようなPCについても、「インテル vPro プラットフォーム」などを利用してWindows Updateをきちんと行うこと。ほかにも、セキュリティ対策にはいろいろな方法があるけど、それはおいおい説明していこうかな。
わかりました! よろしくお願いしますね、先輩。
シンクライアントなら端末の管理は楽になるけど、導入にはいくつかハードルがあるみたいです。その分、データレスクライアントなら、今あるPCを利用しながらの運用が可能。……ただし、セキュリティを守るためにも、PCの管理はきちんと行いましょう!
姉妹連載「匠の部屋」でも質問、募集中!
匠道場の姉妹連載企画である「匠の部屋」では、情シスの皆さまが抱えているPCの課題と、そうした課題に効果的な「インテル vPro プラットフォーム」に関する疑問を集めています。いただきました質問は、連載企画「匠の部屋」の中などで順次お答えさせていただく予定です。疑問点がもしあれば、是非、以下のフォームから質問を送ってみてください。
【追記】今期のvPro導入困りごとアンケートの受け付けは終了しました。
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