2009/06/01~2009/06/07


 先週は、Windows 7の発売日決定のニュースに注目が集まりましたが、青少年保護に関する重要な動きがいくつかありました。まず、「mixi」「GREE」「モバゲータウン」の運営会社が1日、青少年の利用について年齢認証やゾーニングも含む施策を実施することを発表しました。

 ところで、これらのサイトはすでにEMA(モバイルコンテンツ審査・運用監視機構)の認定を受けています。サイト全体が青少年の利用に配慮した、いわば“健全サイト”と認められ、携帯フィルタリングによるコミュニティサイトの一律ブロックからは対象外になります。

 一方、年齢認証やゾーニングを実施するということは、“健全サイト”であっても、年齢によっては有害な情報も存在することを意味します。矛盾しているように見えるかもしれませんが、3社は、“健全サイト”認定を受けるにとどまらず、より厳しい基準による青少年対策に乗り出したのです。

 なお、今回の施策の背景には、警視庁が4月末、これらのサイトを含む大手8社(会員が公称100万人以上)に対して、青少年が有害情報を閲覧できないよう、年齢確認の厳格化などの措置を取るよう協力依頼したこともあると思われます。警察にとっての“健全サイト”が、民間による第三者機関であるEMAよりも厳しい基準であるのは、是非はともかく、当然といえば当然です。特に3社のように人気のサービスは、EMAの“健全サイト”認定を受けて一律フィルタリングの対象外となることで、逆により厳格な青少年対策が求められることになりそうです。

 もう1つ青少年関連では、国内の大手ネット企業や業界団体、有識者などで構成される「児童ポルノ流通防止協議会」が2日に発足しました。警察庁の有識者会議「総合セキュリティ対策会議」が提言していたもので、児童ポルノ掲載サイトのアドレスリストを作成し、このリストをもとにISPがアクセスをブロッキングしていく仕組みを検討します。

 ちょうど先週は、ITU(国際電気通信連合)と総務省が、オンラインでの青少年の保護をテーマにしたシンポジウムを東京で開催しました。日本側は、未成年者に対する携帯フィルタリング原則化など、いわば青少年保護の“日本モデル”を紹介し、日本が先行して取り組んでいることをアピールしました。一方、鳩山邦夫総務大臣はあいさつの中で、「先進8カ国の中で、児童ポルノの所持罪がないのは日本とロシアだけ」とコメント。また、インターネット上の児童ポルノ対策として国際連携の重要性も指摘しました。

 欧州では一部ですでに導入されているという児童ポルノサイトのブロッキング、そして現在国会に提出されている児童ポルノ禁止法改正案は、今後、児童ポルノ対策の国際連携において日本側に求められているものと言えそうです。

改正薬事法が施行、医薬品ネット販売規制への対応は
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2009/06/01/23620.html
 6月1日、改正薬事法が全面施行され、ネット販売を含む通信販売は、リスクの低い「第3類」に限定されることになった。ただし、「薬局・店舗のない離島居住者」と「改正法施行前に通信販売で購入した医薬品の継続購入者」に対しては、2年間の経過措置として、「第2類」の通信販売が急きょ認められた。ケンコーコムでは、履歴確認を行うシステムが整っていないとし、いったん「第2類」のネット販売をすべて停止している状態。

mixi、GREE、モバゲーが青少年向け施策、年齢認証やゾーニングも
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2009/06/01/23623.html
 「mixi」「GREE」「モバゲータウン」の運営会社3社が協力し、青少年の利用について施策を実施すると発表。携帯電話事業者などの助言を受け、実効性の高い年齢認証制度を実施するとしているほか、年齢に応じた利用制限(ゾーニング)も掲げている。

「児童ポルノ流通防止協議会」発足、ヤフーやグーグル、MSも参加
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2009/06/02/23642.html
 マイクロソフト、グーグル、ヤフー、KDDI、ニフティ、ネットスターなどのインターネット関連企業、テレコムサービス協会、インターネット協会などの通信業界団体、日本ユニセフ協会、ECPAT/ストップ子ども買春の会、WEB110などの団体、有識者らが参加。「児童ポルノ掲載アドレスリスト作成管理団体(仮称)」の設置などを検討する。

Windows 7は10月22日発売、Microsoftが明らかに
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2009/06/03/23654.html
 Windows 7の発売日を10月22日に決定したことを、米Microsoftが6月2日付のWindows公式ブログで発表した。Windows 7へのアップグレードオプションプログラムを用意することも明らかにした。

米Sun、Javaアプリのオンラインストア「Java Store」を発表
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2009/06/03/23664.html
 米Sun Microsystemsが、Javaアプリケーションのオンラインストア「Java Store」を発表。現在、プライベートベータプログラムが始まっており、年内に米国ユーザーを対象に正式オープン。米国外では2010年にサービスを開始する予定。

日本ファルコム、自社管理楽曲について使用料フリー宣言
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2009/06/05/23693.html
 ゲームソフト制作・販売の日本ファルコムが、「ファルコム音楽フリー宣言」を表明。同社の自社管理楽曲については、CDまたは音楽配信サイトで楽曲を購入した人が、許諾申請不要・無料で2次利用できる。「イース」「英雄伝説」のサウンドトラックなど、6月現在の楽曲数は3453曲。


(編集部)

2009/6/8 10:57