イベントレポート

CEATEC JAPAN 2016

人体通信デバイスやプリントアウトして“貼る”化粧、観光地のカメラシェアリングサービスなど、パナソニックの体験ブース

 「CEATEC JAPAN 2016」のパナソニックのブースでは、IoT関連技術を活用したデバイスを展示している。「人体通信応用デバイス」は、タグを身に付けることで人体を介して情報を通信できるもの。日常的な動作の中で機器間の通信・認証が可能になるほか、触れた物のみ通信するためセキュリティ性を高めることができるという。

 これにより、例えば改札で手を触れるだけで認証する、ポイントやクーポンをハイタッチでスマートフォンに受信する、握手することで名刺データを交換する――といったことが可能になる。

 体験ブースでは、色情報が設定されたタグを身に付け、手を握る動作をトリガーにして、電飾が仕込まれた相手のスカートを光らせるデモを実施していた。また、タグに設定されている色情報をスピーカーで説明したり、テレビ画面に反映することも可能だ。

各色に割り振られたタグを身に付けることで、電飾の色を変えることができる
緑のボールを持つと、マップの中でも緑色の領域が多い場所を示した

 非接触肌センサーと特殊印刷技術を活用した「メイクアップシート」のメイキングも実施。鏡台に備えられたカメラでユーザーの肌状態(シミ、毛穴の大きささなど)を分析し、化粧顔料インクを搭載したプリンターでナノシートにプリントする。これにより、従来の“塗る”から“貼る”化粧を実現することができるという。なお、水につけるだけで肌に貼り付けることが可能だが、一度剥がしたあと再度貼り付けることはできない。

鏡台に備えられたカメラで肌の状態を分析
化粧顔料インクを備えるプリンターで出力
シートを簡易的に貼り付けるための道具も用意されていた
シートは時間が経つとなじんできて、肌との境界が目立たなくなるという

 カメラシェアリングサービス「PaN」は、観光地やテーマパークなどに設置した通信機能を持つカメラで写真を撮影し、クラウド経由で画像をダウンロードできるサービス。カメラを持たない場合でも記念撮影が可能で、自撮り棒などを使わずに家族・友達全員を高画質な写真に収められるのを特徴としている。すでに実証実験を行ったところ好評だったという。

 会場ではIDが割り振られたバーコードカードが配布され、専用の機器に読み取らせることで撮影を開始。ユーザーの撮影データはサーバー上に蓄積されており、閲覧時はQRコードを読み取り、カードに記されているIDを入力するだけで画像にアクセスすることができた。

高所に設置されたカメラで家族・友達全員を写真に収めることができる
撮影前にバーコードを読み取る
QRコードでサイトにアクセスした後、IDを入力すると写真を個別にダウンロードできる

 このほか、機器組み込み型IoTデバイスとして「電池レス無線スイッチ」も展示。例えば、椅子に座るなど日常的な動作をトリガーにして、一度に複数の端末と通信することができる。体験ブースでは椅子に座るとPCやスタンドライトの電源を同時にオンにし、立ち上がると一瞬でオフにするデモを実施していた。