イベントレポート

第2回IoT/M2M展 秋

IoTで虚構ニュースも現実に、「INFOJAR」も展示していたKDDIブース

 「第2回IoT/M2M展 秋」「第7回クラウドコンピューティングEXPO 秋」「第6回情報セキュリティEXPO 秋」「第6回Web&デジタルマーケティングEXPO 秋」「第6回モバイル活用展 秋」「第5回データセンター展 秋」「第5回ビッグデータ活用展 秋」「第4回通販ソリューション展 秋」という8つの展示会が併催されるイベント「Japan IT Week 秋 2016」が10月26~28日に幕張メッセで開催された。

 「第2回 IoT/M2M展 秋」のKDDI株式会社のブースでは、「LIFE DESIGNE」「EXPERIENCE」「PARTNER/PRODUCT/SERVICE」の3つのコーナーに分けて展示を行っていた。

少し未来の生活シーンに向けた作品

 「LIFE DESIGNE」コーナーは、生活者×KDDI×外部パートナーで共創する「au未来研究所」から生まれた、少し未来の生活シーンに向けたアイデアで作られた作品が並んでいる。

 「電玉」はau未来研究所のハッカソンから「KDDI ∞ Labo」を経て誕生した、IoTけん玉だ。けん玉にセンサーが仕込まれていてスマートフォンとつながり、インターネット経由で世界と対戦できる。けん玉の技に対応して、陣取りなどさまざまなルールで点数を競う。

 「Comi Kuma」はぬいぐるみで、触ったり動かしたりするだけで、2つのぬいぐるみ間でスタンプをやりとりする。たとえば離れて暮らす祖父母と孫の間でちょっとしたやりとりができる。

 足音で遊べるキッズシューズ「FUMM」は、子供靴に内蔵されたセンサーによって、子供が歩くとスマートフォンから音が鳴ったり、画面の中で恐竜が歩いたりする。「いつものお散歩が、冒険に」というコンセプトだ。

 次世代型おままごとキット「ままデジ」は、ままごと用の料理道具にセンサーが組み込まれ、包丁で切ったりフライパンで炒めたりするのに合わせて音を鳴らして臨場感を演出する。カレーを作ると、最後にカレーの匂いの湯気がふわっと出てくる。

 そのほか、事実でないニュースを掲載する人気のサイト「虚構新聞」の記事をau未来研究所が実現してしまった「INFOJAR」も展示されていた。YouTubeが視聴でき、ご飯が炊きあがると「ごはんなう」とツイートするというものだ。

インターネットで対戦できるけん玉「電玉」
抱きしめてコミュニケートするぬいぐるみ「Comi Kuma」
足音で遊べるキッズシューズ「FUMM」
次世代型おままごとキット「ままデジ」
「虚構新聞」の記事を実現してしまった「INFOJAR」

企業がIoT対応するための構築や回線のサービス

 「PARTNER/PRODUCT/SERVICE」のコーナーでは、展示会初日の10月26日に発表された「KDDI IoTクラウド Creator」など、3つのIoT関連サービスを並べて紹介していた。

 「KDDI IoTクラウド Standard」は最もベーシックなサービスで、監視カメラパッケージや温湿度パッケージなど、特定のユースケースごとにパッケージされたサービスを導入できる、オーダーメイドのサービスだ。

 一方、個別開発に対応するのが、新しく発表された「KDDI IoTクラウド Creator」だ。アイデアを形にするコンサルティングや、デザイン、開発・評価・改善のサイクルを短期間で繰り返すアジャイル開発手法によるシステム開発などをKDDIが行なう。

 「KDDI IoTコネクト Air」は10月19日に発表されたIoT回線サービス。ソラコムのIoT向けモバイル通信ネットワークとKDDIのSIMを使い、IoT機器に適したサービス体系や価格体系で利用できる。

「KDDI IoTクラウド Standard」の説明
監視パッケージなど、特定のユースケースごとにIoTソリューションがパッケージされる
気候を集計する例
「KDDI IoTクラウド Creator」の説明
KDDI内部で開発使う処理フロー定義ツールと、スイッチとランプをつなげる例
「KDDI IoTコネクト Air」の説明

同時に使えるタッチパネルやVRを体験

 「EXPERIENCE」のコーナーでは、タッチディスプレイやVRなど、体験できる展示がデモされていた。

 巨大なタッチディスプレイの展示では、複数人がディスプレイの別々の場所をタッチして、それぞれ別々に情報を呼び出して表示できる様子を体験。実は、静電容量方式などの方法ではなく、裏からカメラによってタッチ動作を検出しているのだという。

 シダックス新宿歌舞伎町クラブ店で10月19日~11月18日に実演しているVRコンテンツもデモしていた。HTC Viveを使い、アイドルのライブを好きな位置から見たり、VRのキャラクターと部屋を歩き回ったりできるという。

 「買い物カメラ」は、スマートフォンのカメラにモノを写すと画像認識により商品を特定し、価格.comなどの情報を表示できるものだ。すでにスマートフォンアプリなどが公開されている。

 そのほか、リモートの作業者のスマートグラスから届いた映像を指示者が見て、映像への手掛き指示や音声により指示する「VistaFinder Mx」なども展示されていた。

複数人が同時に使えるタッチパネル
シダックス新宿歌舞伎町クラブ店で実演しているVRコンテンツの説明
VRコンテンツを体験するHTC Vive
カメラをかざすと商品がわかる「買い物カメラ」
「買い物カメラ」で商品の情報を表示
リモートの作業者のスマートグラスから届いた映像を見て指示する「VistaFinder Mx」