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自分の書いたビジネスメールに7割が「不安あり」、会社でメールの研修を受けたのは1割程度~日本ビジネスメール協会調査

 一般社団法人日本ビジネスメール協会は、仕事でメールを使用する2395人を対象に、ビジネスメールの利用状況に関する実態調査を実施した。調査期間は4月1~30日。同調査では、7割が自分のメールに不安を抱いており、会社でビジネスメールの研修を受けているのは1割程度に止まることが明らかになった。

 仕事で主に使うコミュニケーション手段(複数回答)としては、「メール」(99.08%)、「電話」(90.10%)、「会う」(74.07%)が多い。以下、「ファックス」(26.60%)、「テレビ会議/電話会議/ウェブ会議」(20.54%)、「LINE」(19.42%)。

 1日に送受信しているメールの平均通数は送信が12.62通、受信が39.28通。メール1通の作成にかかる時間は5分が35.74%、3分が18.96%、10分が16.99%、2分が6.60%、15分が4.97%、1分が3.17%。

仕事で使う主なコミュニケーション手段
メール1通作成するのにかかる平均時間

 自分のメールに対して不安を抱くことが「よくある」と回答したのは13.53%、「たまにある」が57.87%で、合わせて7割が何らかの不安を抱いていることが分かった。「ほとんどない」は24.76%、「まったくない」は3.84%。

 不安を抱くと答えた1710人にその内容(複数回答)について聞いたところ、「正しく伝わるか」が68.36%で最多。以下、「誤字や脱字はないか」(55.15%)、「宛先が間違っていないか」(44.27%)、「不快にさせないか」(42.34%)、「敬語が間違っていないか」(38.60%)、「挨拶が間違っていないか」(31.87%)、「内容が正しいか」(31.40%)、「添付ファイルを付け忘れていないか」(25.44%)、「文章が長すぎないか」(23.74%)、「メールで伝えていいか」(18.48%)。

自分のメールに不安を抱くこと
不安の内容

 過去1年間に仕事でメールの失敗をしたことが「よくある」と回答したのは2.67%。続いて、「たまにある」が35.82%、「ほとんどない」が47.64%、「まったくない」が13.86%。

 失敗をしたことが「よくある」「たまにある」と回答した922人にその内容(複数回答)を聞いたところ、「添付ファイルの付け忘れ」(43.82%)、「誤字や脱字」(36.98%)「宛先(メールアドレス)の間違い」(28.74%)、「書きかけで送信」(27.01%)、「宛名の間違い」(15.51%)などが挙がった。

過去1年間に仕事でメールの失敗をしたこと
自分がした失敗の内容

 過去1年間に仕事で受け取ったメールに失敗を見つけたことが「よくある」は9.60%、「たまにある」が54.15%で、合計で6割に上った。

 失敗を見つけたことが「よくある」「たまにある」と回答した1527人に見つけた失敗の内容について聞いたところ、「誤字や脱字」(50.95%)が最多。続いて「添付ファイルの付け忘れ」(41.58%)、「宛名の間違い」(26.52%)、「質問に答えていない」(26.13%)、「宛先(メールアドレス)の間違い」(26.06%)、「書きかけで送信」(23.31%)、「言葉遣いの間違い」(21.09%)、「件名が分かりにくい」(20.30%)、「文章が曖昧」(19.19%)、「メールが読みづらい」が17.22%。

過去1年間に仕事でメールを受け取り、失敗を見つけたこと
見つけた失敗の内容

 一方、過去1年間に仕事でメールを受け取り、不快に感じたことが「よくある」は4.09%、「たまにある」が38.50%、「ほとんどない」が43.55%、「まったくない」が13.86%。

 受け取ったメールに不快を感じたことが「よくある」「たまにある」と答えたユーザーに、不快に感じた内容(複数回答可)を聞いたところ、「質問に答えていない」が35.9%と最多。続いて「文章が失礼」(31.96%)、「文章が攻撃的」(25.49%)、「文章が曖昧」(25.20%)、「必要な情報が足りない」(20.59%)、「メールが読みづらい」(19.22%)、「文章が冷たい」(17.06%)、「誤字や脱字」(16.96%)、「文章が長い」(16.86%)、「無駄な情報が多い」(16.18%)。

過去1年間に仕事でメールを受け取り、不快に感じたこと
不快に感じた内容

 なお、会社でビジネスメールの社員研修が「ある」と回答したのは10.31%、「ない」が82.67%となり、ほとんどの人が研修を受けていないことが分かった。

ビジネスメールの社員研修

 今回の調査結果を受けて、日本ビジネスメール協会は、普段仕事でメールを使えていても、その使い方が間違っていて失敗をしたり、相手を不快にする可能性があると指摘。受け取った相手もメールの失敗や不快感を指摘しない傾向にあるため、自らが危険感と問題意識を持たない限り問題が改善されないとしている。そのため、「働き方改革を推進するためにはメールの業務改善が必須であり、メールを使うすべての人にメールの教育は必要だ」とコメントしている。