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仮想通貨交換業者16社、自主規制団体設立に向けて合意――「業界の健全な発展のための大きな一歩になる」

 仮想通貨交換業者16社は2日、新たな自主規制協会を設立することで合意した。4月頃を目処に設立される見込み。同日には日本ブロックチェーン協会(JBA)代表理事の加納裕三氏(株式会社bitFlyer代表取締役)、日本仮想通貨事業者協会(JCBA)理事の奥山泰全氏(株式会社マネーパートナーズ代表取締役)が都内で記者会見を行った。

 今回の新設団体は、既存の業界団体である日本ブロックチェーン協会(JBA)や日本仮想通貨事業者協会(JCBA)と並存するもの、という点が繰り返し説明された。日本ブロックチェーン協会についてはブロックチェーン技術に関する深い知見、仮想通貨事業者協会(JCBA)については取引所以外の事業者とのつながり、といった例を挙げつつ、例えばブロックチェーン推進協会(BCCC)なども含めた他団体との協力も模索していくという。

 設立後の新協会においては、今後金融庁への登録を目指す事業者にも入会を募る予定。現時点では同協会の名称、所在地、設立および認定申請時期などの詳細については未定としている。なお、代表人事に関しては、設立総会をもって正式に決定してゆくとしながら、現時点では会長は奥山氏、副会長を加納氏が務める予定だという。

 自主規制協会に合意するのは金融庁の登録業者である以下の16社。

株式会社マネーパートナーズ
QUOINE株式会社
株式会社bitFlyer
ビットバンク株式会社
SBIバーチャル・カレンシーズ株式会社
GMOコイン株式会社
ビットトレード株式会社
BTCボックス株式会社
株式会社ビットポイントジャパン
株式会社DMM Bitcoin
株式会社ビットアルゴ取引所
エフ・ティ・ティ株式会社
株式会社BITOCEAN
株式会社フィスコ仮想通貨取引所
テックビューロ株式会社
株式会社Xtheta

業界共通の基準を作り、安全な環境構築を

 加納氏は、新団体の設立について「業界の健全な発展のための大きな一歩」とコメント。9月以降、16事業者が仮想通貨交換業者として金融庁で登録を受けている一方、認定自主規制団体がなかったことは「業界にとっての懸念点。その中で1月に起こったコインチェック事件は業界にとって残念な事態だった」と振り返る。

 ブロックチェーン技術に基づく仮想通貨は、既存の金融規制ではカバーできない技術的な論点や懸念点が多く存在する。その中で「インターネットセキュリティに細心の注意を払うことはもちろん、仮想通貨の技術についても業界団体で共通の基準を作り、高い水準で運用していくことが肝要である」という。

 なお、会場からは、コインチェック事件を引き合いに、「事件を再発させないために、こうした自主規制団体が果たせる役割」「自主規制団体だけでは役割を果たせないとしたら、なにが求められるのか?」との問いかけがあった。それに関する両者のコメントは以下の通り。

 加納氏 仮想通貨業界全体のセキュリティレベルを一定程度に上げる必要がある。それに関して仮に認定が取れたとすると、自主規制団体という役割は大きなものになる。技術的な方策だけではなく、運用も含めて何かしらの基準を作る。現状、有識者と議論しているところもあるが、例えばコールドウォレット、ホットウォレット、マルチシグといった技術を活用する必要がある。また、運用に関してはPCI-DSSのような既存の技術、基準をある程度見て、セキュリティを上げる部分を積極的に導入することで顧客保護を努める。

日本ブロックチェーン協会代表理事の加納裕三氏(株式会社bitFlyer代表取締役)

 奥山氏 金融機関というのは内部管理態勢の整備が求められ続けている。形とかフレームワークを作るだけで良いのではなく、常態的にきちんと内部管理が守られているかというステータスが求められる。内部管理は技術的な側面は無論、業務フローや金銭の管理体制、エビデンスの整理なども含めて問われる。100%防ぎきれるかは分からないが、法整備で強化される中で業者に対しての信頼度は格段に上がっていくことになると思う。個人がウォレットで管理されるよりも、専門的知識、しっかりとした設備投資もできる登録交換業者に安心して残高を預けて頂ける、仮想通貨を取引できる健全な市場をしっかり作り上げていくことが業者としての使命。そういったことをサポートできる自主規制団体としての認定化を推進していきたい。

日本仮想通貨事業者協会理事の奥山泰全氏(株式会社マネーパートナーズ代表取締役)