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日本の労働者の約4割「在宅勤務は生産性が下がる」との調査結果、米国と対照的

 アドビ株式会社は、「COVID-19禍における生産性と在宅勤務に関する調査(Productivity/Work from Home Survey)」を実施し、その結果を発表した。

 調査は6月2日~4日、現在オフィス勤務を中心として働いている日本人約1000名を対象に、調査会社Advanisが実施。在宅勤務の主な課題として生産性や社内コミュニケーションが挙げられるほか、メッセージアプリの普及でコミュニケーション方法が変化しつつあることが分かった。

 「在宅勤務の生産性」について問われた質問では、在宅勤務を経験した回答者の43%が「生産性が下がった」と回答、「生産性が上がった」の21%の約2倍に上った。「変わらない」は36%だった。生産性が下がった理由としては、68%が「勤務環境が整っていない」、46%が「集中しづらい」、33%が「同僚からの協力が得られにくい」を挙げた。

 米国で行われた同様の調査では、回答者の77%が「柔軟に仕事時間を調整できる」「通勤や集中を妨げるものがない」などを理由に、在宅勤務への移行後もそれまでと同等か、それ以上に生産性が上がったと回答したのと対照的だという。

 在宅勤務における同僚とのコミュニケーションについては、日本の回答者の55%が「以前よりコミニュケーションが取りにくい」と回答。一方で、米国の回答者の63%が「以前と変わらない」と回答している。在宅勤務で失ったものとして、日本の回答者の半数近くが対面でのやり取りや雑談を挙げており、これまで対面でのコミニュケーションが重視されてきたと分かる。

 なお、調査実施時点で、従来オフィス勤務だった回答者の49%が、元通りオフィス勤務していると分かった。フルタイムで在宅勤務に移行している回答者は、回答者全体の20%程度だった。

メッセージアプリの利用が拡大、回答者の半数以上が業務時間外にも確認

 過去3年のデータを比較した結果、在宅勤務への移行後も、仕事のメールを確認する時間には変化が見られなかった。

 その一方で、ミレニアル世代を中心に、メッセージアプリをはじめとした新しいコミュニケーションツールの利用拡大が起きていると分かった。

 業務用のメッセージアプリ(SlackやTeamsチャットなど)は、回答者の44%が始業前に、8%が休憩中に確認していると分かった。これに対して、始業時間までに仕事のメールを確認する回答者は37%にとどまり、休憩中に確認する回答者はいなかった。