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WeWork、渋谷区とスタートアップ支援などで覚書を締結、区内のオフィス最高峰45階の新規フロアもオープン

渋谷区の長谷部健区長(左)とWeWork Japan合同会社最高経営責任者の佐々木一之氏(右)

 WeWork Japan合同会社と東京都渋谷区は15日、スタートアップ支援などで協力する覚書を締結したことを発表した。

渋谷区とWeWork Japanの覚書

 覚書は以下の5点についてとなっている。

  1. 国内有数のスタートアップ・エコシステム形成拠点都市への成長に関すること。
  2. 区内における「新時代の働き方」の推奨、実践及び普及に関すること。
  3. 区内における働きやすさ、住みやすさ及びコミュニティーの多様化の向上に寄与する支援及び活動に関すること。
  4. 前3号に関連し有益な機会をもたらす情報交換及び交流の促進に関すること。
  5. 前各号に掲げるもののほか、相互に協力することが必要と認められること。

 従業員数の増減に素早く対応でき、共有設備などの管理が不要で敷金などもないWeWorkのようなオフィス環境は、スタートアップ企業にとって相性が良い。一方の渋谷区は現在、区内にスタートアップのエコシステムを構築することを目指し、さまざまなスタートアップ支援事業を展開している。

WeWorkと渋谷区が協力し、海外企業招致に

 今回の協力により、渋谷区のスタートアップ支援事業で採択されたスタートアップが「WeWork 渋谷スクランブルスクエア」を利用できるようにしたり、イベントを実施するなどで、渋谷のスタートアップコミュニティの活性化を図っていく。

 支援する対象は国内スタートアップに限らない。渋谷区は海外のスタートアップの招致も行なっているが、グローバルなネットワークを持つWeWorkとの連携で、海外企業招致をさらに加速させていくことも狙っていく。逆に日本のスタートアップが海外進出するとき、WeWorkがゲートウェイとなることも期待されている。

渋谷区が行なっているスタートアップ推進事業の一部。このほかにもピッチイベント開催や投資家の招聘、海外スタートアップのサポート窓口の開設などを行なっている

 新型コロナウイルス感染症の影響で在宅勤務も拡大しているが、従来は会社に出社する以外の選択肢がなかった働き方に、多様性が生まれている。こうした多様性の中で、WeWorkのようなシェアオフィスという選択肢は、より存在感を増している。今回の覚書では、そうした「新時代の働き方」においても、渋谷区とWeWorkが協力して実践・普及を行なっていく。

これが45階からの眺め! 「WeWork 渋谷スクランブルスクエア」がフロア増設

 今回の発表は、渋谷駅直結の高層複合ビル「渋谷スクランブルスクエア」の45階に新規開設されたWeWorkの新フロアで行なわれた。渋谷スクランブルスクエアにはすでに37~41階の5フロアに、国内でも最大級となるWeWork拠点が入居しており、45階はそれに加わる新しいフロアとなる。フロアは離れているが、渋谷スクランブルスクエアのWeWorkを契約する人は37~41階と45階いずれの共有エリアも利用できる。

 渋谷スクランブルスクエアは地上47階の渋谷区では最も高い高層ビルで、45階は展望フロア「SHIBUYA SKY」のすぐ下にある(45階には展望フロアのエントランスも入っている)。近隣に高層建築のない、希有なくらい眺めの良いオフィスフロアだ。その一方で渋谷駅直結の好立地でもあり、このWeWork拠点が利用できるとなれば、渋谷区によるスタートアップ支援などに大きな価値が提供されることが期待される。

「WeWork 渋谷スクランブルスクエア」45階のオフィス部屋の1つ。こうした部屋をデスク単位で借りたり、もっと小さな部屋を部屋単位で借りたりできる
こうした会議室は利用するときだけ借りることができる。会議室の広さはいろいろ用意されている。予約なしで使える1人用フォンブースもある
コピー機なども共有のものが用意される。ペーパーレス化で利用頻度が低いだけに、自前で用意しないで済むのが小規模スタートアップにはありがたい
こちらは共有エリア。普段は机が並んでいて、ワークスペースとして利用できる。オフィス部屋に専用デスクを持たず、共有エリアだけ使う契約もある
共有エリアにはお茶やコーヒーも用意されている。別フロアのWeWorkにはビアサーバーまである広い共有エリアもあるので、そちらと使い分けすることもできる
45階からの窓からは向かい側のヒカリエ(地上34階)もはるか下に見下ろし、その先の青山や六本木がパノラマで見渡せる