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ワーケーションは在宅ワークよりも「抑うつ感」が低く、「仕事のパフォーマンス」が高い

NTTデータ経営研究所などによる比較実験結果

「南紀白浜地域における健康経営ワーケーションの効果・効用に関するエビデンス獲得」を目的として行われたワーケーションの実証実験の様子

 ワーケーションと在宅リモートワークの比較実験の結果を、株式会社NTTデータ経営研究所、株式会社南紀白浜エアポート、TIS株式会社の3社が公表した。「在宅リモートワークと比べ、ワーケーションが業務生産性および心身の健康にポジティブな効果があることが分かった」という。

 「南紀白浜地域における健康経営ワーケーションの効果・効用に関するエビデンス獲得」を目的として、SHIRAHAMA KEY TERRACE HOTEL SEAMORE(和歌山県白浜町)、ゲストリビング Mu南紀白浜(同)、椿温泉しらさぎ(同)、熊野本宮大社(和歌山県田辺市)の4カ所で実証実験が行われた。

 参加者はTIS株式会社の従業員を中心とした男女20名。3月5日~11日はプレワーケーション期間として、参加者の状態を把握するためウェブでアンケートを実施。3月12日~15日がワーケーション。3月16日~19日はワーケーション終了後の状態を把握するためウェブでアンケートを実施した。

 また、ワーケーション期間中とその後4日間は、スマートウォッチ「Fitbit Charge4」を着用し、活動量や睡眠時間のデータを収集。ウェブでのアンケートは合計24回実施され、これらのデータを解析してワーケーションの効果を数値化した。

ワーケーション中に「抑うつ感」が低減、終了後も低減効果が継続

 気分の落ち込みや集中できない感覚の「抑うつ感」は、ワーケーション前と比べて、ワーケーション期間中に最大56.2%程度低減、ワーケーションが終了してから4日後も42.5%ほど低減していた。頭痛や肩こり、食欲不振などの身体的な不調である「身体愁訴」は、ワーケーション期間中に最大50.1%程度低減、終了4日後も続き、48.8%ほど低減していた。

 また、ワーケーション参加者は、ワーケーションの実施前には、在宅リモートワークの人よりも抑うつ感が高く、実施初日も同じような傾向にあったが、2日目にはワーケーションの方が抑うつ感が下がり、終了後も在宅リモートワークよりも抑うつ感が低いという結果になった。

参加群(ワーケーション)と不参加群(在宅リモートワーク)の「抑うつ感」の違い

 ワーケーションに参加したことで、仕事のパフォーマンスが向上するという結果もある。ワーケーション終了4日後の測定では、仕事のパフォーマンスの数値「規定された職務遂行」(指示・期待された仕事を十分に行っている程度)が14.8%程度、WHOが定める国際的な生産性の指標「WHO-HPQ」が17.2%程度、ワーケーション実施前よりもそれぞれ向上している。

 在宅リモートワークと比較すると、規定された職務遂行、WHO-HPQともに、実施中から終了後までワーケーションの方が仕事のパフォーマンスが高くなっている。

「規定された職務遂行」の変化
「WHO-HPQ」の変化

 そのほかには、「リカバリー経験」(良質なパフォーマンスを発揮するための業務後の回復機会)は、ワーケーション期間中に最大26.5%程度、終了4日後も23.2%ほど向上が見られた。「ワークエンゲージメント」(仕事に対する活力、熱意、没頭の程度)は、ワーケーション4日目に23.9%程度上昇。終了4日後も15.9%ほど向上している。

 なお、今回の実証実験では、南紀白浜エアポートが実施主体となり、企画・運営、プログラムの作成、ツアーの手配を行った。TISはモニター参加者、プログラム企画、データ収集、設計などの支援、NTTデータ経営研究所は収集したデータの解析を実施した。また、心理学・統計学・データ解析の専門家である小島淳広氏がデータ解析、東京医療センター形成外科医長などを務める落合博子氏が健康経営視点でのプログラム造成とエビデンス取得に関する監修を行った。