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QNAP、NAS用OS最新ベータ「QTS 5.1.0」リリース

SMBマルチチャンネル対応、セキュリティや安全性の向上、AIパフォーマンス向上など

 台湾QNAP Systemsは、NAS用OSの最新ベータ版となる「QTS 5.1.0」をリリースし、ベータプログラムの提供を開始した。

 QTS 5.1.0の新機能として、以下が挙げられている。

  • SMBマルチチャンネル対応
  • AES-128-GMAC対応
  • NASにログインする際のセキュリティを強化するモバイルアプリ「QNAP Authenticator」
  • 管理作業やデータ管理軽減の委託機能
  • ドライブエラーの可能性検出時の自動RAIDディスク交換
  • ドライブ健全度解析および故障予測の性能向上
  • クラウドマネジメントプラットフォーム「AMIZ Cloud」対応
  • AIモジュール「Hailo-8 M.2」増設による効率的なスマート監視が可能に

 SMBマルチチャンネルにより複数のネットワーク接続を束ねて利用可能な帯域を最大化し、転送速度を最大で4倍に高速化できるという。また、稼働の信頼性を実現する自動フェールオーバーにより、1つの接続にエラーが発生しても、アプリケーションI/Oは残りのネットワークによって継続し、総帯域幅はもとのスループットに自動的に回復する。

 あわせて、SMBプロトコルにおけるセキュリティ機構であるAES-128-GMACに対応。セキュリティとパフォーマンスの最善のバランスを実現するとしている。

自動フェイルオーバー
SMBマルチチャンネルによるネットワークパス自動設定

 モバイルアプリ「QNAP Authenticator」により、NASのアカウントへの2段階認証を実現。管理機能としては、管理者グループユーザーが、管理作業やNASデータの管理のための権限を有する8タイプの役割をほかのユーザーに割り当てる委任管理ができるようになった。これにより、データアクセス制御を犠牲にすることなく、管理作業の負荷を軽減できるとしている。

委任管理

 ドライブエラーの可能性が検出されると、そのディスクが完全に故障する前に、RAIDグループ内の影響するディスクから、自動的にデータをスペアのディスクに移動する。QTS 5.1.0には、これには「S.M.A.R.T.」「Western Digital Device Analytics」「IronWolf Health Management」「ULINK DA Drive Analyzer」といったドライブ健全度チェックツールが搭載されている。

自動RAIDディスク交換

 ULINK DA Drive Analyzerに関しては、ドライブ健全度解析および故障予測の性能向上もポイントとしている。クラウドベースのAIを用いて故障を予測し、進化したUIにより、各ドライブベイ/スロットにあるドライブ情報、寿命予測スコア、ドライブデータ更新ログが明確に識別できるとしている。

ULINK DA Drive Analyzerの画面

 また、同社のクラウド集中管理プラットフォーム「AMIZ Cloud」に対応し、複数組織にまたがり、スイッチなどほかのネット管理などとあわせたリモート管理が可能になる。動作状態の監視やソフトウェアアップデート、再起動などが行える。

 監視サーバーとしては、AIアクセラレーションモジュール「Hailo-8 M.2」の増設が可能となった。これにより、画像認識AI「QNAP AI Core」 を強化し、高効率で正確、かつ大規模なスマート監視が、より低いコストで実現可能になるとしている。顔認識ソリューション「QVR Face」における同時解析可能なIPカメラ数は12チャンネルに、人員計数ソリューション「QVR Human」における同時解析可能なIPカメラ数は4倍以上になるとしている。

Hailo-8 M.2

 そのほかAES-128-GMAC対応によるSMB署名の高速化や、2段階認証(2FA)によるアカウント保護に今回のアップデートで対応した。