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オンライン旅行予約が多い日本人、詐欺に注意を~マカフィーが「安全な夏休みの旅行」レポート公開

 マカフィー株式会社は、オンラインでの旅行計画や予約の安全性、海外旅行中のデジタルツールへの慎重さについて調査したレポートを公開した。日本人は旅行の予約を全てオンラインで行う割合が世界で最も高いが、割引キャンペーンや割引サービスへの関心が高まっていることから、詐欺に注意する必要があると呼び掛けている。

 本調査は、日本を含む世界7カ国の、18歳以上の成人7054人を対象として、MSIリサーチが2023年4月13日~4月19日に行ったもの。対象国はアメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、日本、インド、オーストラリアで、各国1004人~1010人から回答を得ている。

旅行のオンライン予約で、安さのために知らないサイトも利用する傾向を危惧

 調査の結果、日本人は今年旅行を予約する予定、またはすでに予約した人の80%がオンラインで全ての予約を行っており、この割合は世界最高となった(世界平均は68%)。

 あわせて、50%の日本人が生活費上昇やインフレ危機を考慮して、休暇時期の特別割引を探す傾向にあると回答している。また、27%が、お得な価格で購入するためであれば、これまで利用したことのない旅行予約サイトも利用すると回答しているという。

 この結果について、同社では、物価上昇で生活費危機が大きな障壁となっている今日、休暇時期の割引キャンペーンへの関心が高まり、旅行割引サイトの利用も増えていることから、(低い料金を掲載して予約者をだます詐欺サイトのような)詐欺に引っかかりやすい新たな懸念があるとしている。

 同調査ではまた、成人の30%が旅行予約の際にオンライン詐欺の被害に遭ったことがある、もしくはそのような被害に遭った知人がいると回答し、詐欺の被害にあった人のうち34%は、旅行前に1000ドル以上のお金を失ったとしている。日本では、旅行詐欺の被害にあった人の35%が1000ドル(約13万8605円)以上の被害に遭ったという。

 「消費者の感情と行動の不一致」があることも、本調査から明らかになったという。日本人はデジタルの脅威に対する意識が高く、例えば、88%の日本人が旅行中に公衆Wi-Fiに接続することに対してセキュリティ上の懸念を抱いており、20%がセキュリティ上の懸念を理由に接続しないことを選択している。

 しかし、日本人の80%が休暇中に個人情報が漏えいする懸念があると回答している一方で、積極的に対策を講じている人は10%に過ぎないという。同社では、日本人は警戒心の度合いが高いにもかかわらず、データやデバイスに関する保護対策を休暇中も維持する傾向が世界的に最も低いことが分かったとしている。

 同社では、旅行・休暇中に詐欺などの被害から守るための対策として、次の3点、および、悪意のあるウェブサイトの対策や個人情報盗難対策機能などを備えた総合セキュリティソリューションの利用を呼び掛けている。

クリックする前に、まず考える

 サイバー犯罪者は、フィッシングメールや偽サイトでユーザーを誘い、悪意のあるクリックさせる。メールやウェブサイトに載っている旅行プランがいくら魅力的でも、発信元が信頼できない情報にはアクセスしないことが最善の選択となる。怪しいリンクやメールからでなく、信頼できる企業のサービスに直接アクセスし、ほかの人のレビューも参考にしながら、正規の販売サービスなどで予約すること。

公衆Wi-Fiへの接続は慎重に

 旅行先で公衆Wi-Fiに接続する際は慎重に行い、Wi-Fiが安全で信頼できる接続元であることを確認する。VPNを使用して接続を安全に保ち、銀行取引、ショッピング、オンラインで閲覧時の個人データやアクティビティを保護できるようにする。

レンタル契約前に確認を行う

 公文書で所有者の名前をチェックするなど、正規のバケーションレンタルであるか確認を行う。レンタル料が詐欺であった場合、取り消すことができないケースが多いため、レンタル料金を電信送金、プリペイドカード、ギフトカードなどで支払わないようにする。