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Starlinkを用いて高層工事現場での通信環境を改善、KDDIと清水建設が実証

 KDDI株式会社と清水建設株式会社は、都内の高層ビル建設現場において実施した、衛星ブロードバンド「Starlink」を用いて高層施工フロアでの通信環境を改善する実証実験に成功したと発表したした。

 これまで、超高層ビルの建築現場では、携帯電話の電波も届きにくいため、光ファイバーを引き込むなどして通信環境を個別に構築する必要があった。工事が進行して階層が上がると、そのたび施工階とその下階をカバーできるようネットワークを再構築する必要が生じ、多大なコストと稼働がかかっていたという。

 実証実験では、KDDIが提供する「Starlink Business」を、清水建設が施工する超高層ビル建設現場の最上層に位置するタワークレーン上部に設置。Starlinkの衛星通信を活用した通信環境の構築に加え、タワークレーンの旋回時や、豪雨・強風などの悪天候時の通信への影響や品質検証を行った。

 結果、Starlinkのアンテナをビルの最上層に位置するタワークレーンのガイサポートに設置することで、クレーン旋回の影響を受けることなく、通信環境の構築が可能であることが確認できた。これは、豪雨・強風などの悪天候時でも、業務での通信が途切れることなく安定した高速通信を実現でき、高層施工フロアからの映像伝送やオンライン会議などが従来よりも容易になり、業務効率化に寄与したとしている。

 これらの実証をふまえ、今後は高層ビル現場における通信環境整備へのStarlink活用や、遠隔監視などIoTツールを利用した建設現場の課題解決に取り組んでいくという。