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KDDIら10者が「安全なデータ連携による最適化AI推進コンソーシアム」設立、総務省の委託によりAI開発などを推進
2023年8月8日 06:00
KDDI株式会社らは8月4日、総務省委託研究開発「安全なデータ連携による最適化AI推進コンソーシアム」を設立し、活動内容などを発表した。
同コンソーシアムは、総務省の「安全なデータ連携による最適化AI技術の研究開発」の委託先として選定された8者(KDDI株式会社、株式会社KDDI総合研究所、国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)、グリーンブルー株式会社、日本電気株式会社(NEC)、株式会社ピコラボ、さくらインターネット株式会社、凸版印刷株式会社)に、プラナスソリューションズ株式会社、ギリア株式会社の2者を加えた、10者で構成される。
多様なデータを安全に連携させる、分散型機械学習の確立を目標としており、プライベートデータや機密情報を含むさまざまな分野のデータをAI学習に活用することを可能とし、分野横断的な社会課題の解決や産業競争力の向上に貢献するとしている。
活用内容としては、「マルチモーダルAI技術の開発・高度化」「エッジAI技術の開発・高度化」「連合学習技術の開発・実用化」の3つを挙げ、さらに3つを組み合わせた分散型機械学習技術を活用し、具体的な社会での実装を想定した技術認証を行うという。発表された具体的な内容、および担当は以下の通り。
マルチモーダルAI技術の開発・高度化
多様なデータを組み合わせ、複雑な予測を可能とする大規模マルチモーダル深層学習モデルの構築技術、及び収集したデータの差異を吸収可能なロバストなマルチモーダルAI技術の研究開発を行う。
多様・不均衡・少量データに対するロバストな深層学習技術
収集された場所や期間などによってデータの量や粒度に不均衡が発生した場合においても、性能を低下させることなく予測を可能とするマルチモーダル深層学習技術を開発する。担当はKDDI総合研究所。
異分野データ横断的な予測を可能にする深層学習技術」
異種・異分野センシングデータ間の相関性をマルチレベルに発見・学習し、横断的(クロスモーダル)な予測を可能にするマルチモーダル深層学習技術を開発する。担当はNICT。
参加型地域安全サービスにおける検証技術
地域内のさまざまな場所を横断的に走行するオンデマンドモビリティなどの車両から取得したデータと外部データを掛け合わせ、地域内の交通リスクを分析・可視化する実証システムを開発する。また、基盤モデルの作成・評価・検証に必要なデータの利活用基盤を整備する。担当はKDDI。
エッジAI技術の開発・高度化
マルチモーダル深層学習モデルを対象に、エッジ環境の限られた計算資源の規模に応じて、効率的に学習を行う技術の研究開発を行う。
エッジの多様性を考慮した高効率な連合型エッジAI技術
エッジの収集データや計算能力などに応じてマルチモーダル深層学習モデルを分割・転送・集約する分散機械学習や、大規模モデルの軽量化を行う連合型エッジAI技術を開発する。また、仮想サーバによるエッジAIのシミュレーション実験システムを構築する。担当はNICT。
リスク・ベネフィット適応ナビゲーションにおける検証技術
車載用や歩行者用のスマートセンサーなどのデータで基盤モデルを連合学習し、運転リスク回避の行動推奨を行うスマート運転支援と、地区拠点ごとの環境ホットスポット予測の実証システムを開発する。担当はグリーンブルー。
連合学習技術の開発・実用化
マルチモーダル深層学習モデルを対象に、多数のエッジ環境間におけるデータの偏りを前提とした⾼精度な連合学習技術の研究開発を行う。
安全に個別環境適応が可能な連合学習技術
データ分布や性能の異なるクライアント間で高精度かつセキュアな連合学習を行うパーソナライズド連合学習技術と、データ項目に差異のあるクライアント間で連合学習を可能にする転移連合学習技術を開発する。さらに連合学習における安全性を秘密計算技術などで担保するとともに、連合学習の運用や安全性に関する標準化活動などを通じ、連合学習の安全性に関するコンセンサスを形成する。担当はNEC。
連合学習フレームワーク技術
AIモデルの管理や交換、機械学習アルゴリズムのモジュール化等、大規模分散連合学習を実行するために必要となる機能を共通化して提供する連合学習フレームワークを開発する。担当はピコラボ。
エッジ・クラウド連携による基盤モデル最適化技術
研究成果を集約したデータ連携AIプラットフォームの参照実装を開発し、システム基盤構築と機械学習モデル構築を最適化する技術を検討する。担当はさくらインターネット、プラナスソリューションズ、ギリア。
スマートシティ市民サービスにおける検証技術
市民向けアプリを対象に、各種データとの連携、リスク情報の個別通知、市民向けアプリによる情報収集を行う技術を開発し、市民向けアプリを通じた安心・安全な移動の支援への有効性を評価する。担当は凸版印刷。