ニュース

KDDI、国際衛星通信60周年を振り返り

初めての衛星通信は1963年のケネディ米大統領暗殺のニュース

初めての日米間テレビ衛星中継時の画面

 KDDI株式会社は11月22日、国際衛星通信の開始から60周年を迎え、これまでを振り返る「KDDI、国際衛星通信60周年のお知らせ」を発表した。

 日本の衛星通信は1963年11月23日、日米間テレビ衛星中継で、ケネディ米大統領の暗殺を報じるニュースの放送で幕を開けた。このときに使用された日本側の通信施設が、KDD(当時)の茨城宇宙通信実験所(後の茨城宇宙通信センター、2007年閉所)である。

 それまで、日本における国際通信は短波無線が主流で、用途は電報や音声、低解像度の静止画の送受信に限られていたが、衛星通信の実用化により、世界中の出来事がリアルタイムに映像で視聴できるようになった。

 その後も、世界で6億人が同時に視聴したと言われる1969年のアポロ11号人類初の月面着陸中継や、1972年の札幌五輪、1998年の長野五輪といった数々の国際ニュースやイベントの歴史的映像を世界に届けてきたとして、下図のような年表を公開している。

KDDI衛星通信の歩み
1969年に開所した山口衛星通信所 50年以上にわたり日本最大級の衛星通信所として現在も貢献

 近年のKDDIは、固定通信インフラ未整備地域における携帯電話の通信エリア整備や、東日本大震災における復旧活動などで衛星通信の活用を行ってきた。

 2021年9月には衛星ブロードバンドインターネット「Starlink」と提携し、2022年12月よりau通信網のバックホール回線として運用中だ。2024年を目途に、Starlinkとauスマートフォンが直接通信を行える「直接通信」の取り組みを推進し、山間部や島しょ部を含む日本全土にauのエリアを拡張し、「空が見えれば、どこでもつながる」通信環境の実現を目指すとしている。

東日本大震災時の車載基地局
空が見えれば、どこでもつながる|au・スペースX(2023年8月、スマートフォンの直接衛星通信サービス提供に向けたStarlinkとの提携発表時に公開されたコンセプト動画)