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Starlinkを活用した5G基地局、KDDIが岐阜県高山市・乗鞍岳の「日本一高いところにあるバスターミナル」にて運用開始

乗鞍岳畳平バスターミナルでのStarlinkアンテナ設置の様子

 KDDI株式会社は8月26日、岐阜県高山市丹生川村にある乗鞍岳畳平バスターミナルにて、衛星インターネット「Starlink」を利用した5G基地局の運用を開始すると発表した。

 サービス提供が困難とされていた山間部においても5Gを用いた高速通信が可能となり、非常時の通信手段としてはもちろん、キャッシュレス決済の快適化、動画などのリアルタイム共有などの体験価値の向上が期待されるとしている。なお、Starlinkをau通信網のバックホール回線として活用する5G基地局は、今回が初となる。

 乗鞍岳畳平バスターミナルは乗鞍岳の登山者のためのアクセス拠点の1つであり、標高2702mの「日本一高いところにあるバスターミナル」として知られる。これまでは光ファイバー回線の敷設が困難なことから、遠く離れた麓の基地局を使って通信していたが、電波状況によって通信状況が不安定になる場合があった。しかし、バスターミナル内にStarlinkを活用した基地局を開設することにより、今までより快適にデータ通信・音声通信が可能になる。

乗鞍岳畳平バスターミナル

 KDDIは2022年12月から、Starlinkをau通信網のバックロード回線とした4G基地局の整備を進めていたが、このたび技術検証が完了し、Starlinkの5G基地局への適用を開始したとしている。これにより、光ファイバー回線を利用した通常のau基地局で展開しているエリアに加え、山間部や島しょ地域などの光ファイバー回線の敷設が困難な地域が補完され、auの5Gエリアを日本中に展開できるようになるという。

乗鞍岳畳平バスターミナルでの基地局設置工事の様子