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オリンピックなど注目が集まるイベントに乗じた、有名人をかたる詐欺の拡大をマカフィーが警告、事例も紹介

 マカフィー株式会社は、パリオリンピック期間中「大規模国際スポーツ大会といった注目が集まる機会に乗じた詐欺が増加している」として、直近の事例などを紹介した。

 近年、高度なソーシャルエンジニアリング技術や、AIを利用した音声クローニング技術などを用いて著名人のディープフェイク映像を作り、低コストで説得力のある偽の音声メッセージを使う詐欺が増加している。同社では、特に大規模な国際スポーツ大会の開催期間中は、偽のチケットやグッズ販売の詐欺行為が行われるほか、規制がゆるいプラットフォームでセンセーショナルな主張が発せられ、巧妙な詐欺に騙されないよう、情報を確認することが重要であるとしている。

 ディープフェイクの例として、同社では、イーロン・マスク氏のディープフェイク映像を紹介している。ウォールストリート・ジャーナルのインタビュー映像をもとにし、背景や発言内容を入れ替えているが、完全なリップシンクがされていないことによる口の動きと音声のズレや、動画生成時の不具合と見られるノイズを、注意深く見れば確認できるという。

イーロン・マスク氏をかたるディープフェイク動画に見られる不具合や不一致の例

 イーロン・マスク氏の声は以前からディープフェイクによる模倣の対象となっており、同社がが発表した2023年ハッカーセレブリティホットリスト(詐欺師が名前を悪用する有名人のリスト)では、6位にランクインしていた。暗号通貨詐欺で最も頻繁に模倣される著名人の一人にもなっているという。

 同社は、AIコンテンツが今後ますます信頼性が高まる中で、オンラインコンテンツの閲覧に注意が必要であると呼び掛けている。具体的な注意事項として、信頼性の低い情報源のコンテンツには懐疑的になること、コンテンツを閲覧する際には警戒心を持ち、何らかの結果がないか注意深く見ること、そして、検索してほかの情報ソースにあたったり、有名人の発言については公式サイトを確認したりして、情報をクロス集計すること、の3点を挙げている。