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Starlinkで構築したau通信網を活用し、北海道新幹線のトンネル建設現場から3D点群データのリアルタイム伝送に成功。KDDI・清水建設ら

大東奈央

2024年9月3日 08:30

　KDDI株式会社、株式会社KDDI総合研究所、KDDIスマートドローン株式会社、清水建設株式会社の4社は9月2、Starlinkによるauの通信エリア構築ソリューション「Satellite Mobile Link」を活用し、清水建設が建設中の北海道新幹線・渡島トンネル上二股工区からの3D点群データのリアルタイム伝送実証に成功したことを発表した。

　3D点群データは、映像と比較し、奥行き情報も含めて立体的な情報を取得できることから、測量用途など建設現場での活用が進んでいる。一方で、現場で測量した3D点群のデータ量は非常に多く、遠隔地と共有するためには3D点群データを保存した記録媒体そのものを事務所に持ち運んだり、膨大な時間をかけてクラウドに伝送したりする必要があるなど、即時共有が困難だった。

　実証に成功したのは8月6日。渡島トンネル坑内外にStarlinkを利用したauの通信エリア構築ソリューション「Satellite Mobile Link」により構築した通信網を活用し、四足歩行ロボットで撮影した坑内の3D点群データ、ドローンに搭載したLiDAR 3Dスキャナーで撮影した坑外の3D点群データのそれぞれを、清水建設のイノベーション創出拠点「温故創新の森NOVARE（東京都江東区）」へ伝送した。

　四足歩行ロボットやドローンは、KDDI総合研究所が開発した、小型コンピューター上でも動作する3D点群データのリアルタイムエンコーダーを搭載。伝送に必要な帯域を、約20分の1に圧縮している。

　このようなシステムによるリアルタイム転送が実現したことで、従来は撮影からデータ確認まで数時間かかっていたものが、10秒以内に短縮された。