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地図会社のジオテクノロジーズ、位置情報スタートアップの「Geolonia」をグループ会社化

国や自治体向けスマートシティ領域のサービスを拡充

 ジオテクノロジーズ株式会社は9月2日、株式会社Geoloniaの株式を取得してグループ会社化したと発表した。

 ジオテクノロジーズは1994年にパイオニア子会社のインクリメントP株式会社として創業した地図会社で、2021年6月にパイオニア傘下から独立、その後、2022年1月に社名をジオテクノロジーズへと変更した。現在はカーナビや地図アプリへの地図データ提供、ウェブ地図サービス「MapFan」、ポイ活アプリ「トリマ」など地理空間情報に関連したさまざまな事業を展開している。

 Geoloniaは2019年9月に創業したスタートアップで、地理空間情報クラウド「Geolonia Maps」を通じてウェブ地図やロケーションプラットフォーム事業を展開。国や自治体のデータを中心に都市・まちの情報を集約し、地理空間情報を活用できるスマートシティの基盤を構築・提供している。

国・自治体向けの「地理空間データ連携基盤」

 今回のジオテクノロジーズによるGeoloniaのグループ会社化は、自治体へのアクセスルートの拡充を目指していたジオテクノロジーズと、ジオテクノロジーズが持つ独自のデータによりクラウドサービスの向上を図りたいGeoloniaの意向が合致して実現した。

 Geoloniaがジオテクノロジーズグループへ参画することにより、ジオテクノロジーズが保有する地理空間データや人流データと、Geoloniaの位置情報基盤や国や自治体などへの導入・運用ノウハウを掛け合わせて、都市計画やスマートシティの領域を中心にサービスを拡充する方針としている。

 スマートシティ実現に向けた取り組みとしては、Geoloniaがジオテクノロジーズから地理空間データの提供を受けることにより、インフラや道路、固定資産などのデータを一元管理するなど、自治体の住民向けサービスの拡充および自治体業務のDXに取り組んでいく方針だ。

 また、これまでGeoloniaは、国や自治体の保有データを地域住民が活用するアプリに展開することを目的としたクラウドサービスを提供してきた。今回のグループ会社化により、ジオテクノロジーズが保有する人流データや施設・道路などの地理空間データ、さらに他の民間企業が提供するデータなどを国・自治体のデータと組み合わせて利用できるプラットフォームの構築を両社が連携して推進する。これにより、行政と民間が業務やビジネスを推進できる官民連携の実現を目指している。