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東武野田線、乗客向けWi-Fi対応の新型車両「60000系」営業運転開始

 東武鉄道株式会社は、野田線の新型車両「60000系」6両×2編成の営業運転を6月15日に開始する。柏発9時41分の大宮行きが初運用になる予定。

60000系(東武鉄道の5月8日付発表資料より)

 60000系では、VVVFインバーター制御装置やLED照明を採用するとともに、アルミ合金を使用した車体の軽量化などにより省エネ化を図った。従来の「8000系」に比べ、電気使用量が約40%削減されるという。また、密閉構造のモーターを採用することで車両内外への騒音を低減した。

 東武鉄道では初の車内公衆無線LANサービスを提供するのも特徴。KDDI株式会社との契約により乗客向けに提供するもので、「au Wi-Fi SPOT」および株式会社ワイヤ・アンド・ワイヤレスの公衆無線LANサービス「Wi2 300」の契約者が、スマートフォンなどからインターネットに接続できる。無線LANは、IEEE 802.11a/b/g/nに対応。なお、WAN側はWiMAXを使用している。

 東武鉄道の新型車両は、2008年2月に東上線に投入した「50090系(TJライナー)」以来5年ぶりとなる。今回の60000系投入は2012年11月に発表されていたが、最新型車両の投入先が東上線や伊勢崎線ではなく、野田線だったことでも話題になった。

 東武鉄道によると、同社路線の利用者は230万人に上るが、そのうち45万人が野田線の利用者。多くの利用者をかかえながら、野田線はこれまで新型車両やリニューアル車両が投入されることがなかったという。利用者のかねてからの要望もあり、沿線の活性化のために60000系を投入するに至った。さらに今後、野田線で60000系の編成を増やす予定だが、現時点で他の路線への導入予定はないとしている。

(永沢 茂)