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NTT、ミリ波・サブテラヘルツ帯で世界最高速となる2Tbpsの無線伝送に成功

大容量無線伝送における同技術の位置付けと利用シナリオ

 NTT株式会社は9月14日、屋外環境(伝送距離100m)において、ミリ波・サブテラヘルツ帯で2Tbpsの無線伝送に成功したと発表した。同社によると、電波を用いた無線通信で世界最高速だという。

 現在の大容量無線通信技術の研究において、高速化・大容量化には、複数のアンテナでデータを空間的に多重化して送受信する「空間多重技術」(MIMO:Multiple-Input Multiple-Output)が使用されている。しかし、ミリ波・サブテラヘルツ帯で想定される超広帯域信号に従来のMIMOを適用すると、演算負荷が爆発的に増加し、消費電力や処理遅延が増大してしまうことから、大規模な多重化は極めて困難とされていた。

 こうした課題に対して同社は、MIMOに関する信号処理をデジタルとアナログに効果的に機能配分し、デジタル演算負荷を大幅に低減する独自の「OAM-MIMO多重伝送方式」を採用した。同技術の採用により、デジタル演算負荷を数百分の1に抑えつつ、最大22多重での通信を実現し、屋外環境(伝送距離100m)において、2Tbpsでの無線伝送に成功した。

空間多重化に関する信号処理をアナログとデジタルに効果的に機能配分するハイブリッド構成
フィールド実験の様子と無線伝送実験の結果

 「OAM-MIMO多重伝送方式」をサブテラヘルツ帯かつ実用的な距離で実現するため、同社は、演算負荷を低減して遅延を減らすと同時に消費電力も低減する「Multi-UCA型Butler matrix導波回路技術」、電波の自己遮蔽を防ぎつつ高利得化を図って伝送距離を伸ばす「イメージングリフレクタ技術」、アンテナ間の位置・角度ずれによる影響を抑える「軸ずれ補正技術」の3つの技術を確立した。

 同社は、現在の「1対1」の通信から将来的には「多地点同時接続」が可能な無線伝送方式へと拡張を図り、10Tbps級の大容量無線伝送技術の実現に向けて研究開発を推進するとしている。