MicrosoftとYahoo!の検索事業提携、米司法省と欧州委員会が承認


 米Microsoftと米Yahoo!は18日、両社の検索事業提携を米司法省と欧州委員会が承認したと発表した。Microsoftのスティーブ・バルマーCEOは「このプロセスの始まりにすぎないとはいえ、我々はエキサイティングなマイルストーンに到達した」とコメントしている。

 承認を受け、両社は検索事業の提携作業に早急に取りかかることになる。Microsoftは、同社のサーチエンジン「Bing」のアルゴリズムによる検索結果と、有料リスティング広告をYahoo!に対して提供。Yahoo!は、これらの検索結果にYahoo!が保有するコンテンツ資産(例えばエンターテインメント、ローカル、テクノロジーニュースや、辞書、商品検索など、検索を支援するためのさまざまなツール)を付加し、ユーザーに提供することになる。

 Yahoo!はまた、MicrosoftとYahoo!双方のための広告営業活動を世界規模で展開することになる。

 両社は、パートナー企業の協力のもと、できるだけ早く移行作業を進めたい考えだ。そのため広告主や出版社、開発者を手助けするために専用サイトを設けたほか、電話、メール、Webキャストなどにより、パートナー企業との連絡を密に取っていきたい考えだ。

 移行作業は、米国内では2010年末までに完了する予定だ。また、広告ビジネスについては、米国内では2010年末までの移行を計画している。しかし、年末商戦への影響を考慮した場合、2011年にずれ込む可能性もある。それ以外の地域では2012年初頭になる予定だ。

 開発者向けサービスの今後についても注目が集まっている。Yahoo!のサーチエンジンをもとに専用サーチエンジンを構築できるサービス「Yahoo! Search BOSS」については、Microsoftの検索結果にYahoo!サービスやコンテンツを付加する形で提供できないか、検討が行われている。また、検索結果をカスタマイズする「Yahoo! SearchMonkey」については、複雑な検討作業が必要とされており、具体的な方向性は決まっていない。Webマスターツールである「Yahoo! Site Explorer」についても、現在検討中としている。

 両社の提携は、すでにオーストラリア、ブラジル、カナダの規制当局の承認を受けている。今回、米国とEUの承認を受けた。今後、日本、韓国、台湾の規制当局の承認も得たい考えだ。


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(青木 大我 taiga@scientist.com)

2010/2/19 11:58