アイドック、EPUB形式の電子書籍向けDRMシステム「KeyringEPUB」


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 デジタルコンテンツの著作権管理(DRM)ソリューション事業を手がけるアイドック株式会社は7日、電子書籍リーダー向けに、EPUB形式の電子書籍の著作権管理システム「KeyringEPUB」の開発を表明。国内外のEPUBリーダーのベンダーや電子書籍端末メーカーへ採用を呼びかけていく。

 「KeyringEPUB」は、EPUB形式の電子書籍を暗号化し、電子書籍端末のEPUBビューワーに組み込まれたモジュールにより復号する仕組みで、SaaS型DRMソリューションとして提供する。DRMの基本的な仕組みは、広く利用されているKeyringPDFやKeyringFLASHと同様で、アイドックが運営するKeyring.netライセンスサーバーがコンテンツの閲覧許諾を管理する。

 アイドックのKeyringPDFやKeyringFLASHでは、PCプラットホームの標準的なドキュメントとなっているAdobe社のPDFやFLASHに準拠している。しかし、EPUBビューワーに関しては、現在複数社からリリースされており、デファクトスタンダードもまだ定まらない状況であることから、特定1社の製品に準拠するのではなく、国内外のビューワー開発会社に広く提携を呼びかけていく考えだ。

 なお、すでに導入が決定している事例として、株式会社スピニングワークスのソーシャルリーディングサービス「Qlippy」(2010年4月サービス開始予定)で、アップル製iPadに提供するEPUBビューアーに搭載されることが発表された。

 EPUBはHTMLやWebブラウザーのオープン性を保持しつつ、電子書籍端末やネットブックなどで、オフラインでも読めるようダウンロード配信を前提にパッケージ化されたXHTMLのサブセット的な規格。現在のEPUB 2.0はXHTML1.1とCSS 2をベースとしている。次バージョンとなるEPUB 2.1では日本語対応が盛り込まれる見通しで、日本電子出版協会は4月1日、その叩き台となる日本語要求仕様案を公開した。


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(工藤 ひろえ)

2010/4/8 15:16