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Google「未来へのキオク」リニューアル、震災遺構や浪江町の写真などを追加

 グーグル株式会社は21日、東日本大震災の被災地に関連する写真・動画を共有するためのサイト「未来へのキオク」をリニューアルし、閲覧できる写真などを追加した。

 「未来へのキオク」は、震災前の町並みや風景、施設、名所、イベントなどに関する写真・動画や、震災後の状況を記録した写真・動画などを、ユーザーが投稿したり、投稿を呼びかけるリクエストができるサイト。2011年5月からこれまでに、442本の動画を含め、写真などの「キオク」を約5万5800件以上アーカイブしており、震災前後の街の様子や、津波や震災の被害を受けた建物(震災遺構)の屋内を撮影したストリートビューも閲覧できる。

未来へのキオク

 今回のリニューアルでは、写真、動画、ストリートビューなどの様々な「キオク」が地図上で閲覧できるようになった。また、タイムスライダーが追加され、時間の経過による景色の変化を確認しやすくなった。

 ストリートビューの画面では、震災前と震災後を上下分割画面で表示できるようにし、同じ場所の風景を比較して見やすくした。ストリートビューで確認できる震災遺構については、岩手県宮古市のたろう観光ホテル、宮城県石巻市おしかホエールランドなど36カ所を追加。計70カ所が閲覧可能となった。

 写真では、福島県浪江町から預かった、2005年から2012年の写真541件を公開。請戸漁港から出航する出初式の様子や、震災後に撮影された最近の町の様子を見ることができ、写真は今後も追加公開する予定。

 また、首都大学東京渡邉英徳研究室と朝日新聞社が実施した「東日本大震災アーカイブ」も、地図上での検索・閲覧に対応。東日本大震災アーカイブは、写真や動画だけでは伝えきれない震災直後の様子や、震災後の暮らしの様子を生の声を通して伝えることを目的に作成されたもので、東日本大震災アーカイブに表示されている朝日新聞社「いま伝えたい千人の声」から抜粋した被災者証言を見ることができる。

 このほか、気に入った写真をリスト形式で保存したり、リストを家族や友人と共有できる「お気に入り」機能が追加された。

震災前後を上下分割画面で確認できる
ストリートビューで確認できる震災遺構
東日本大震災アーカイブの被災者証言

(三柳 英樹)