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「新しい Google マップ」正式公開、地図大きく、精緻すぎる3D都市マップも

 Googleは20日、新しいデザインの「新しい Google マップ」の正式提供を開始すると発表した。今後、Google マップのデスクトップ版サイトは「新しい Google マップ」がデフォルトになる。今後数週間かけて、全ユーザーを対象に切り替えていく。

「新しい Google マップ」(画像提供:Google)

 「新しい Google マップ」では、地図タイルの表示領域が大きくなった。従来は上部の左右いっぱいに表示されていた検索窓などの領域や、住所などを表示していた左側のパネルがなくなり、ブラウザー全面に地図を広々と表示。その地図の左上に重なるかたちで検索窓が小さめに表示される。

 また、「Google Earth」で提供しているようなリアルな3Dマップが、WebGL対応ブラウザーでプラグインなしで閲覧できる。このほか、経路検索結果で示された複数の経路を、視覚的に一覧化して比較できる画面もある。

 「新しい Google マップ」の対応ブラウザーは、Internet Explorer 10以上、Google Chrome、Firefox、Safari 6以上。対応OSは、Windows Vista以上(Firefox以外はWindows XPにも対応)とMac OS X。ただし、3Dマップを含む全機能を使うには、Windows Vista/7/8またはMac OS X 10.8.3以上のGoogle ChromeまたはFirefoxの最新バージョンが必要。

キーワード検索したり地図上で選択した場所の情報が、その内容に応じて、検索窓の下にパネルが開いて表示される(画像提供:Google)
3Dマップ。東京スカイツリーのようなランドマークはもちろん、周囲のビル群まで緻密に描かれている(画像提供:Google)
経路検索結果から「その他のオプションと時間」をクリックすれば、検索された複数の経路の比較画面が表示される(画像提供:Google)

 「新しい Google マップ」は昨年5月より試験的に公開しながら改良を重ねてきたもので、従来もユーザーが任意に選択することで「新しい Google マップ」がプレビュー版として使えるようになっていた。すでに移行済みのユーザーも少なくないと思われる。それが今回、これまで「新しい Google マップ」を選択していなかったユーザーにも自動的に「新しい Google マップ」がデフォルトで提供されるかたちだ。

 なお、正式提供開始のタイミングで「新しい Google マップ」に追加された新機能などはないという。そのため、すでに「新しい Google マップ」を使っているユーザーにとっては、正式提供開始後に特に変化があるわけではない。

 また、前述のように全ユーザーが自動的に切り替わるのは数週間かかるが、これまで通り、手動で切り替えればすぐに「新しい Google マップ」を使い始めることが可能だ。左側のパネルに表示される「新しい Google マップ 今すぐ始めてみる」をクリックすればよい。

 一方、「新しい Google マップ」がデフォルトになった後も、従来のGoogle マップが引き続き提供される。操作性などから従来のデザインの方がいいというユーザーは、地図の右下に表示される「?」アイコンをクリックした後、「以前のマップに戻る」をクリックすれば、慣れ親しんだクラシック画面に戻すことが可能だ。

クラシック画面。上部の検索窓を含むツールバー的な領域と、住所や検索結果一覧を表示する左側のパネル領域が「新しい Google マップ」では消え、地図を全面表示するようになった(画像提供:Google)

それぞれのユーザーに合わせた地図を、大きく、ダイナミックに表示

 グーグル株式会の村上陽祐氏(Google マップ プログラムマネージャー)によると、Googleではこれまで「正確で幅広い地理的情報を網羅しつつも、直感的で分かりやすい地図製品を提供できるよう開発を続けてきた」という。そしてこの1年、「Google マップをゼロから考え、使うのが楽しくなるようなシンプルで美しいデザイン」を目指して開発してきたのが「新しい Google マップ」だ。

グーグル株式会の村上陽祐氏(Google マップ プログラムマネージャー)

 「新しい Google マップ」で目指したのは、それぞれのユーザーがやりたいことに合わせたマップを提示することだという。表示される地図・情報はすべてのユーザーで同じというわけではなく、ユーザーによって、あるいは調べる対象によってダイナミックに変化する。Google アカウントでログインしていれば、過去に行ったことのある店舗やレビューを投稿した店舗が表示される。Google+のサークルの知人がお勧めした情報があれば、それもあわせて参照でき、店選びの参考になる。

 自宅の場所が登録してあれば、検索した店舗まで何分かかるのかも自動的に表示。経路検索もすぐさま行うことができ、検索した経路をストリートビューで見て事前に把握することも可能だ。リアルタイムの交通情報も表示される。こうした店選びなど、地図を使って行う“意志決定”の一連の操作を、大きな地図タイル上で行えるようにしたのが「新しい Google マップ」だとしている。

「新しい Google マップ」(画像提供:Google)

(永沢 茂)