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スマートプラグ&スマートスピーカーで自宅が未来に変身! 1日の生活をTP-Link「HS105」と「Amazon Echo」でシミュレーション
2018年4月26日 06:00
音声で操作できるスマートスピーカーやIoTデバイスが各社から登場し、自宅をスマートホームにすることも不可能ではなくなった。ただ、いろいろなアイテムはあっても、生活がすぐに便利になるような使い方が見つからない、使い道が分からない……なんてところに悩んでいたりしないだろうか? 家電をスマート化するにも、照明や統合リモコンユニットのような各種アイテムが意外に高額だったり、誰でも簡単に使いこなせるような家庭向けアイテムがまだそれほど多くなかったり、というのも原因だろう。
世間は盛り上がっているはずなのに、我が家のスマート化は停滞気味……。そんな人にぜひ一度試してみてほしいスマートホーム向けデバイスが新たに登場した。“スマートプラグ”と呼ばれるTP-Linkの「HS105」だ。単体の標準価格は5200円(税込)だが、実売価格は4000円前後。Amazon.co.jpではスマートスピーカー「Amazon Echo」とのセット販売なら、実質3500円以下で入手できる比較的手ごろな価格がうれしい。
つないだ家電機器の電源をコントロールするシンプルな機能のスマートプラグ「HS105」。果たして「どれだけ便利に使えるの?」 そこで、筆者をモデルに、平日は仕事に出掛ける家庭の1日の生活をなぞりながら、HS105とAmazon Echoシリーズ+αの活用例を考えてみたい。難しい設定なしに簡単に使える方法を紹介しているので、参考になれば幸いだ。
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【記事目次】
・シンプルだからこそ難しい!?スマートプラグの使いどころ
・「起床」その1~1日の始まりにスマートスピーカーを起動
朝に電源オンにする「スケジュール」設定
・「起床」その2~寝坊がちな家族を音楽で起こそう
EchoにHS105を登録する
EchoとBluetoothスピーカーをペアリングする
・「外出中」その1~家を出るときに使わない家電をまとめてオフに
「シーン」設定
・「外出中」その2~外出中も自宅の家電を遠隔から監視
外出先から電源をオン/オフ
在宅を装える「おでかけモード」
・「夜」~家族の健やかな眠りも自動でサポート
スケジュール機能のオン/オフ設定
・「休日」その1~無線LANルーターを必要な分だけ稼働させて節電する
・「休日」その2~マルチメディア系デバイスをUSB充電器に集約
・最小限の台数で節電につなげよう
シンプルだからこそ難しい!?スマートプラグの使いどころ
HS105は、電源コンセントと家電機器との間に接続して使うスマートプラグ。接続した機器に通電をするかしないかの“オン/オフ”を切り替える機能を持っており、役割としては「機器を動かす・止める」を制御するだけの単純な製品だ。
無線LANにHS105を接続しておくと、Android/iOSに対応するTP-Linkスマートホーム製品専用アプリ「Kasa」上でオン/オフの操作ができる。スケジュールを設定して指定時間にオン/オフを切り替えることも可能だ。Amazon Echo各製品からの音声操作も可能だ。
製品としてはシンプルなだけに、普段の生活の中で便利に活用するには、ユーザーのアイデアや創意工夫が重要だ。というのも、最近の家電製品は、オンタイマーやオフタイマー機能を最初から備えていたり、予約実行機能が用意されていたりする。通電しただけでは動作せず、その後に機器のボタンを物理的に押すことで動き始める、といった製品も少なくない。これらにHS105を組み合わせても、有効に使うのは難しいわけだ。
だから、HS105と一緒に使うと便利になる機器と、反対にあまり意味がない機器がどんなものかは、事前に把握しておきたい。おそらく、HS105と組み合わせたときに便利に使えそうなのは、以下のような家電ではないだろうか。
- 通電するとすぐに動き始め、オフにすれば止まるもの
- 通電後に機器側のボタン操作などが不要なもの
- いきなり電源がオフになっても問題ないもの
- 離れた場所(アプリ)から操作することに意味のあるもの
こういった機器は、HS105を有効に使える可能性がある。けれども、そうではない機器をHS105単体で便利に使えるようにするのは、かなり難しい。これらを念頭に置いた上で、HS105の音声操作が可能になるAmazon Echoシリーズや、TP-Linkのメッシュネットワーク対応無線LANルーター「Deco M5」も併用しながら試してみた。HS105を使うにあたって必要な環境や、あるとより便利なアイテムは、以下の通りだ。
【HS105の利用に必要な環境】
HS105本体
スマートフォンまたはタブレット
HS105用アプリ「Kasa」
無線LANルーター
【あるとさらに便利になるもの】
複数のHS105
Amazon Echoシリーズ
Amazon Echo用アプリ「Amazon Alexa」
「起床」その1〜1日の始まりにスマートスピーカーを起動
HS105を音声で操作できるようにするアイテムが、Amazon Echoシリーズだ。こういったスマートスピーカーの多くは、バッテリーを搭載しておらず、AC電源を接続して常時通電状態で動作するようになっている。Echoでは、はじめに「アレクサ」などと呼び掛けて、その後に実行して欲しい命令を話し掛けるが、このようなユーザーの呼び掛けにいつでも応答できるよう待機している必要があるからだ。
待機中の電力はそれほど大きなものではないとはいえ、ユーザーが眠っている間はまず使うことはない。その間の電力消費を簡単にカットできる方法があるのなら、わずかでも電気代を節約するために試してみたいところだ。そこでHS105の登場というわけ。キモとなるのは「いつ電源をオンにするか」だ。
起床時に電源オンにする一番単純な方法は、HS105用のアプリ「Kasa」の「スケジュール」機能を利用すること。アプリの「スマートプラグ」一覧からスマートスピーカーに接続しているHS105を選び、「スケジュール」から設定する。毎朝必ず同じ時刻に目覚める規則正しい生活をしている人なら、起床より少し前の時刻を指定するのがおすすめだ(Echoが起動して待機状態になるまで数分かかるため)。
そうではなく、その日によって目覚めるタイミングが違うのであれば、スケジュール設定画面の時刻部分を右へフリックして「日の出」に設定しよう。こうすることで、利用している場所の日の出時刻に合わせて電源のオン/オフを切り替えられる。朝日が登り始めた後から起き出す人なら、これで起床直後からすぐにスマートスピーカーを使えるだろう。
「起床」その2〜寝坊がちな家族を音楽で起こそう
自分は朝すっきりとした目覚めを迎えることができても、家族全員が同じように起きられるとは限らない。寝坊している家族も気持ち良く目覚められるよう、寝室の枕元で音楽を流そう。
簡単、かつコストもそれほど掛からない方法の1つが、Echo Dotと小型のBluetoothスピーカーを組み合わせるパターン。Echo Dotと外部Bluetoothスピーカーとを連携して音楽を流せる機能を活用する。Echo Dotは朝食を準備するキッチンに置き、Bluetoothスピーカーは寝室にHS105とともに設置。キッチンからEcho Dotに話し掛けて、Bluetoothスピーカーに接続したHS105の電源をオンにし、続けて音楽を流すように指示すれば、寝坊している家族も爽やかに目覚められるに違いない。
Bluetoothスピーカーの多くはバッテリーを内蔵しているので、電源に接続しなくても動作する。けれども、一定時間以上使わないでいるとスリープ状態になるし、使い続けているうちにバッテリーも切れる。かといって24時間充電状態にしておくのも無駄が多いので、HS105で必要なときだけ給電するのが良いだろう。
「外出中」その1〜家を出るときに使わない家電をまとめてオフに
朝、自分は会社へ出掛け、家族も外出するときは、使わない家電の電源をできるかぎりオフにしておければ、電気代を節約できる。HS105を使えば、忙しい朝でも出掛ける前に、一瞬で家中の家電をオフにすることが可能だ。
Kasaアプリには、複数のHS105を一括で操作できるようにする「シーン」機能がある。例えば、1つのシーンに待機電力の大きいテレビや、消し忘れやすいルームランプなどに接続したHS105を登録しておくと、アプリ上のボタンをワンタップするだけで、それらをまとめてオン/オフできるようになる。
登録済みのシーン名はEchoからも操作できる。「アレクサ、○○(シーン名)をオンにして」と言うと、そのシーンを即座に実行してくれる。電源をオフにするのに「オンにして」と呼び掛けるのはちょっと違和感があるので、シーン名を「留守番モード」のように工夫すれば、自然に使えるだろう。
帰宅時のために「在宅モード」のようなシーンも作成しておこう。帰宅後にアプリでワンタッチ、もしくはEchoに話し掛けることで、オフになっていた家電をすぐに使えるようになる。
「外出中」その2~外出中も自宅の家電を遠隔から監視
HS105の利点の1つは、自宅にいるときだけでなく、外出先からも操作できること。遠隔から宅内の家電を制御できる、まさにスマートホームらしい機能を簡単に実現できるのだ。どんな使い方ができるかを考えてみよう。
外出先から電源をオン/オフ
もし、家を出た後に電源をオフにし忘れたことに気付いたとしても、諦める必要はない。出先でKasaアプリを開き、自宅で操作するときと全く同じ方法で電源をオフにできる。また、帰宅したときには動かしておきたい家電をあらかじめオンにしておく、という使い方にも役立てられる。
例えば夏の暑い日なら、熱気の溜まりやすい天井付近の空気を循環させるために、帰宅の数時間前からサーキュレーターをオンにする、という使い方が考えられる。空気清浄機や加湿器も同じように電源を入れることで、節電しつつ、帰宅する頃には季節に関わらず快適な空間にしておくことが可能だ。
「夜」〜家族の健やかな眠りも自動でサポート
夜の就寝時間帯もHS105が活躍する。朝の起床と似たかたちで、眠りに入りやすいリラックスサウンドを流しつつ、最後は自動で電源をオフにして節電できるようにしよう。
就寝時間帯になったら、HS105に接続したBluetoothスピーカーに自動で通電するよう、Kasaのスケジュール機能を設定。Echoに声で命令して、眠気を誘うリラックスできる音楽を再生する。その後、同じくKasaのスケジュール機能で、指定した時刻に家中のHS105が全てオフになるようにして、就寝中に余計な電力を消費しないようにできる。シーン機能で、就寝時用に複数のHS105をまとめてオフにする設定を用意しておくのも良さそうだ。
「休日」その1〜無線LANルーターを必要な分だけ稼働させて節電する
TP-Linkは、メッシュネットワークを構築できる無線LANルーター「Deco M5」の開発元としても知られている。このDeco M5、製品パッケージとしては1台のみのものと、3台セットのものが販売されている。電波を効率的に広く届かせるメッシュネットワークの本領を発揮するなら、当然ながら3台セット(2台以上)のDeco M5を使うのがベストだ。
ただ、日本の一般的な広さのアパートやマンション、あるいは2階建ての一軒家では、主要なWi-Fi機器があるリビングやキッチン、寝室に電波を届かせるといっても、1台か2台あれば十分なはず。あとは、普段あまり電波が届かなくても影響の少ない客間や、テレビの影になって電波が届きにくくなっているAmazon Fire TV StickやChromecastのような機器に対して、どうするかが悩みどころだろう。
なので、3台セットの3台目のDeco M5は、そういった普段は気にならないけれど電波の届きにくい場所に置いて、友達が遊びに来たときや、テレビ背面の機器を利用するときに使うのが効果的。HS105にDeco M5を接続して、使わないときはオフにして節電しておき、使いたいタイミングでKasaから電源をオンにする、というのが賢い使いこなし方ではないだろうか。
ちなみに、Deco M5はEchoからの音声操作にも対応する。「アレクサ、TP-Linkに友達が来ると伝えて」と話し掛ければ、ゲストネットワークをすぐさまオンにできる。または「アレクサ、TP-Linkを使ってゲームをQoSして」と言えば、ゲームの通信を優先する設定にできる。友人が遊びに来たときに、いちいち無線LANルーターの管理画面を開いていくつもの設定をする必要はなく、声だけでスムーズに来客を歓迎できるのは、なかなか未来感のある使い方だ。
「休日」その2〜マルチメディア系デバイスをUSB充電器に集約
もう1つ、HS105のおすすめの使い方が、USB充電器に接続するというもの。最近ではスマートフォン以外にもAmazon Fire TV StickやChromecast、ゲーム周辺機器などがUSB給電に対応している。それら1つ1つをACアダプターに接続するよりも、複数の出力ポートを持つUSB充電器1台にまとめた方が、場所も取らず効率的だ。
このUSB充電器をHS105に接続することで、マルチメディア系デバイスの電源オン/オフをKasaアプリやEchoの音声操作で気軽に切り替えられるようになる。マルチメディア系デバイスは常時電源オンのままにしていることが多いので、使用時以外はオフにしておくことによる節電効果は小さくないはずだ。
機器を個別に電源オン/オフしようと思うと、その数だけHS105が必要になってしまうが、複数機器を集約したUSB充電器で一括制御するなら、1台のHS105でカバーできる。操作が煩雑にならないようにしつつ、コストも抑えられ、しかも便利になるという、一石二鳥、三鳥の活用方法だ。
最小限の台数で節電につなげよう
TP-LinkのHS105は、電源のオン/オフを手動・自動で切り替えるシンプルな機能しか持っていない。しかし、使い方次第で立派にスマートホーム化に貢献するアイテムだ。
スマートホームの実現にはいろいろなアプローチがあり、外出先から自宅の状態を監視するセキュリティにフォーカスしたものもあれば、センサー類と連動して家電製品の機能を細かく自動制御するようなものもある。そういった中でHS105は、家電製品の電源という根幹部分を制御するだけに、スマートホームにおいては最も基本的ながら重要なポジションを担うものと言えるだろう。
実際、今回紹介したように、朝起きてから外出し、帰宅して夜眠るまで、あらゆるシチュエーションでHS105が活躍してくれる。やりたいことが多くなってくると、やはり数を揃えなければならず、それなりに費用もかかって管理も煩雑になってしまいそうではある。けれど、活用例の最後に挙げたUSB充電器のように、1つの電源で似たような複数の機器を同時制御する工夫で、HS105の導入数を抑えることもできる。
まずは自宅のなかで最もHS105がフィットしそうな機器にHS105を導入してみて、コツをつかんだら少しずつ台数を増やして他の機器の操作にも活用していこう。じっくり時間を掛けて設置場所や既存の機器との連携を考え抜き、家族みんなが便利に使えて、納得のいくスマートホーム作りを進めていってほしい。
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(協力:ティーピーリンクジャパン株式会社)