レビュー

バーチャルメイクと手軽さがウリのWeb会議「CyberLink U」を使ってみた、
初対面100人とWeb会議しても失敗ナシ

 働き方改革が叫ばれる中、柔軟な働き方の一つとして挙げられるテレワーク。在宅勤務やモバイルワーク、サテライトオフィスなど、いつもの職場から離れた場所で働くにあたり、テレビ会議の重要性はますます増している。

 しかし、日本人の8割以上がネットにつながり、カメラとマイクが備わった機器が行き渡っていても、テレビ会議はなかなか一般的にならない。なぜか?

 人のぬくもりが感じられないとか、会って話した方が早いとか、電話で十分とか、テレビ会議をしない「言い訳」はさまざまある。しかし、本当の理由は「IDやパスワードを覚えてない(覚えてくれない)」、「アプリの使い方がわからない(わかってくれない)」、「画面に映った自分を見たくない」、「自分の部屋を見られたくない」、そして「仕事の相手を“友達”登録したくない」からではないだろうか。

 やれ登録だ、アプリだ、接続テストだ、片付けだと、テレビ会議のための準備を強いられるのが煩わしい。私も過去何度かテレビ会議を持ちかけたことがあるが、イマイチ相手の歯切れが悪いのは、存外そんな理由があるように感じる。

テレビ会議、ムリ絶対

 前置きが長くなったが、「CyberLink U」(以下、U)はそんな面倒をすべてすっ飛ばして誰でも使える、CyberLinkのWeb会議システムだ。

 私が実際この3ヶ月間、のべ100人以上の初対面の方と実務でWeb会議を開いたが、一度も失敗したことがない。某公的機関主催の有識者会議で使ったときはさすがに緊張したが、これも全く問題なく、むしろ拍子抜けするくらいスムーズに2時間の会議を乗り切った。Uは相手に強いる負担も、自分の準備も限りなく少ない、いい意味で「雑」にWeb会議ができるのだ。

主催者以外は登録不要「1クリックで参加」もOK

Uのサイトから「サインイン」のページを開き、「サインアップ」から登録できる

 Uを使ったWeb会議のいいところは、なんといっても相手の登録が不要で、Chromeを常用している環境ならWebブラウザーから参加できる手軽さにある。

 会議を主催する側の登録は必須だが、Uのサイトからメールアドレスとパスワードと名前を入力して、送られてきたメールを確認するだけで登録できる。あとはアプリをインストールしてログインすればよい、至ってシンプルだ。

届いた確認メールのリンクをクリックし、Uのアプリをインストールすれば準備は完了
Uアプリの画面も、目的の機能がとてもわかりやすい
会議の件名、開始日時、終了日時、必要に応じてパスワードを入力する

 「ビデオミーティングを開始」でいきなりWeb会議を始めることもできるが、やはり会議日時の予定を組むケースが多いだろう。Uアプリの「ミーティングを予約」からWeb会議の予約をすると、ミーティングIDが発行され、以下のような招待テキストが用意される。あとはメールなどで相手に送ればWeb会議への招待は完了だ。

 重要なのは「https://u.cyberlink.com/meeting/~」で始まるURLと、ミーティングIDとパスワード(設定した場合のみ)だけなので、メールの文面ではそれ以外の文言は削除・変更しても問題はない。

予約後は招待メールを送ったり、カレンダーに保存したり、クリップボードにコピーもできる
予約はUのサイト上でも確認できるほか、会議時間10分前には通知ダイアログが表示される

「招待状をコピー」でクリップボードにコピーされる招待テキストの例:


ミーティング件名:営業企画ミーティング

ミーティング時間:2019/01/23 15:00(UTC+9) ~ 2019/01/23 16:00(UTC+9)

ミーティングに参加するには、記載される時間に次のリンクをクリックしてください。

https://u.cyberlink.com/meeting/xxxxxxxxx

ミーティング ID:xxx-xxx-xxx
パスワード:impress0123

ミーティング ID を使って、コンピューター/端末に U をインストールすることもできます。https://u.cyberlink.com/download
参加者はChromeからURLにアクセスすると、名前とパスワードを入力して会議に参加できる

 招待を受け取った相手は、会議当日にChromeから上記のURLにアクセスすれば、インストールも登録もせずに、そのまま会議に参加できる。

 Chrome以外の環境でも、同じURLに表示されるリンクからUアプリをインストールし、ミーティングIDを入力するだけ、もちろん登録は不要だ。つながってしまえばあとは対面と同じように会議をすればよい、チャットウィンドウを開いてテキストチャットもできる。

Webブラウザーから会議に参加したところ(カメラを接続していないPCの場合)
主催者のUアプリの画面、もちろんWebブラウザーより高機能かつ高画質だ
Uアプリからも、ミーティングIDさえあればサインインせずに参加できる

 とにかく、このミーティングIDとURLのみで会議に招待・参加できる、というのが最高に楽だ。万が一、Web会議用の機材にトラブルがあっても、インターネットにつながり最低限マイクさえ付いていれば、PCでもMacでもスマートフォンでもWebブラウザーから会議にリカバリできる。もちろん、主催者だけは会議を開くため登録が必要だが、相手に登録とログインを強いる必要がないというだけで、サポートコストがとても安くすむのである。

バーチャルメイクで「汚部屋の隠蔽」も可能もちろん「見た目」の調整も

 とある女性に「Web会議は便利だけど、メイクの手間がかかるし、生活感のある部屋を見せたくない」という悩みを聞いたことがある。

 最近のWebカメラは高性能なので、顔のアップや部屋がすみずみまで映ってしまうのが耐えられないそうだ。なるほど、働き方改革でよく例に出る「テレワークで育児や介護と両立しながら自宅から会議にも参加」するには、そうしたセンシティブな悩みも解消する必要がある。

 そんな悩みも、UのPro 50プランに付属のバーチャルメイクアプリ「PerfectCam」が解決してくれる。Webカメラからの映像にリアルタイムでメイクを施してWeb会議の画面に出力してくれるので、メイクを手抜きして「雑」にWeb会議に参加できるのである。また、背景ぼかし機能も付いているので、生活感のある部屋も自然に隠すことができる。

 ……と、いかにも女性向けのアプリに見えるが、あえて言おう、PerfectCamは男性にこそ使って欲しい。40も過ぎれば、男性もシワ・シミ・ソバカス・酒焼け・目のクマ・謎のアザが目立つ(※個人の感想です)。人にもよると思うが、やはり気になる人もいると思う。そこでPerfectCamの出番である。

PerfectCamでメイク前、毎朝鏡の前で見かける、40代男性の姿がそこにある
PerfectCamでメイク後、我ながら見違えるし、変な自信まで付くから不思議だ

いかがだろうか。美肌機能で肌のシミ・ソバカスやアザを薄め、ファンデーションで血色をよくし、リップとアイシャドーを軽く載せただけで10歳は若返った姿になる。髪の毛と額の被ったところも無精ヒゲもそのままに、ごく自然にメイクが施されているのがわかる。

人生においてメイクというものを自分でしたことがないが、これは普段からメイクをした方がいいのではないか、と思うほどに効果的である。こうして自分のリアルな顔に施されたメイクを見ると、普段会っている相手に対してももちろんだが、初対面の相手ならなおさら第一印象が大事だと思わずにはいられない。

筆者のメイク設定、のっぺりした感じが気になる場合は「美肌」効果を弱めに
「口紅」は自分の唇と近い色を選び、「20」くらいの濃さに
「アイライナー」は黒でシンプルなパターンを選び、あまり濃くせず「10」程度で
「アイシャドー」はナチュラルな色合いで目の周囲が明るく見える組み合わせを選ぶ
「ファンデーション」は白系を避けた方が無難、血色がよく見えるものを選ぶ

 さらに背景ぼかし機能を有効にすると、自宅からの参加でもちらかった自室を見せずに済むほか、執務エリアや出先で見せられない物が背景に映ることを防げる。設定値10~20くらいまでは自然なボケで、相手にもPerfectCamでぼかしているとは気づかせずにミーティングができるだろう。絶対に見せたくないものがある場合は、中途半端な値にするとボケている部分が逆に気になってしまうので、あえて設定値100にして明確に「見せたくない」という意思が伝わるように使うのがおすすめだ。

「背景ぼかし」を「10」にすると自然なボケが得られる、どんな部屋かは見られても構わないが細部をジロジロ見られたくないという時におすすめ
「背景ぼかし」を「100」にすると背後に何があるのかほぼわからなくなる、見せてはいけない執務エリアや居場所を教えられない出先などにおすすめ

アプリを使えばさらに便利に音声制御や会議の録画、会議状況の確認も……

現在起動しているアプリウィンドウを選択して、参加者に画面共有できる
デスクトップ全体を共有すると、ペンで書き込みもできる

 Webブラウザーから参加できる手軽さとバーチャルメイクがUの良さと信じて疑わないが、UアプリにこそWeb会議の真骨頂がある。シンプルなインターフェースでありながら、会議において必要かつ十分な機能がとにかく充実しているのだ。

 会議において、円滑かつ集中して議論を進めるにあたり、音のコントロールは重要だ。自分で自分のマイクのオンオフを自由に切り替えることはもちろん可能だが、ほかの参加者の環境音やキーボードを叩く音などをマイクが拾ってしまい、耳障りなケースが多々ある。そのような場合でも主催者側で参加者を個別にミュートしたり、逆にミュート解除して発言を促すといったことができるようになっている。

 また、アプリウィンドウやデスクトップごと画面を共有することで、会議の資料を参加者全員で参照できる。デスクトップに見せたくないファイルなどがあるなら、アプリウィンドウを共有するとよい。デスクトップの共有であればペンで書き込みも可能だ。ただし、ペンで書き込む際にデスクトップ画面は静止した状態になるため、画面を切り替える場合は手書きメモをいったんクリアする必要がある。

「REC」と表示されたボタンを押すと録画が始まり、参加者にも録画中であることが表示される
会議が終了するとビデオファイルが生成され、WMV形式で保存される

 会議といえば議事録がつきものだが、UアプリならWeb会議の様子を録画できる。会議中に録画ボタンを押すだけで、発言している参加者のカメラや共有している画面から、その時々のメインとなる映像を会議の音声とともに記録する。会議中は何度でも録画と停止ができ、会議終了後にウィンドウを閉じると、それらを1本のWMV形式の動画としてPCのビデオフォルダに保存してくれるのである。これは議事録を補うだけでなく、動画自体を会議に参加できなかった人と共有することで、場の雰囲気も含めた情報共有が大いに捗ることは間違いない。

 UはWeb会議中のチャット機能は備わっているが、終了するとログが残らない。そこで、ぜひ頻繁にWeb会議をするようになった相手には、Uの登録をおすすめしてほしい。登録してUアプリにサインインすることで、Uアプリ上でチャットができるようになる。

 一般的なビジネスチャットと同様に会話ログを残せることはもちろん、チャットからWeb会議をシームレスに招集できるようになるため、Web会議の利便性は段違いに高まるだろう。チャット上でやりとりしたファイルも保存されるので、メールの添付ファイルより気軽に情報共有ができるようになる。チャットでタスクを依頼された場合は、その会話からTo Doを作ることもできる。Uアプリのチャットから作ったTo Doなら、そのTo Doの元になったメッセージを辿れるので、どういった会話の経緯で発生したタスクかを思い出しやすいという利点がある。

 また、会社で導入するなら管理機能も重要だろう。Pro 50以上のプランなら、法人向け管理機能がついてくる。ダッシュボードでミーティングの利用状況が見られるほか、ユーザーを部署名で管理も可能だ。会社で導入した場合、管理者にとってはスタッフの利用率をチェックできるので、業務改善にも役立てることができる。

ダッシュボードで、メンバーや部署の管理のほか、メンバーごとのミーティング実施時間や人数、回数などを把握できる

Uはバーチャルメイクとセットで使うべし

 Uは無料のBasicプランで1回50分、25人までのWeb会議が可能だが、残念なことにBasicプランにはPerfectCamが含まれていない。PerfectCamを個別に契約もできるが月額1500円(年間契約でも月額1215円)だ。それならいっそPro 50プラン(月額1000円)の契約をおすすめしたい。

 Pro 50プランなら、1回24時間、50人までのWeb会議と管理機能、そしてPerfectCamの利用権も付いている。これなら都内近郊で2回も会議をしたら、交通費と移動時間だけ考えても十分ペイするし、遠方とのWeb会議であればなおさらだ。

 UとPerfectCamの組み合わせだからこそ、参加者全員が無用な手間やトラブルなく、容姿や見た目で損をしない「ストレスフリーなWeb会議」が実現できる。1ヶ月無料のトライアルもあるので、ぜひ実際に使って試してみてほしい。

PerfectCamだけを契約するより安いPro 50プランがおすすめだ

 ちなみに「UのWeb会議で失敗したことがない」と書いたが、実は1回だけ失敗したことがある。Web会議中にWindows Updateが始まってしまったのだ。UにはWeb会議前のメイクや部屋の片付けは不要だが、Windows Updateだけは済ませておこう。

(協力:サイバーリンク)