レビュー
「助けて!操作がわからない!」を手早く解決、電話より確実な方法はコレ
「資料を会社に忘れたら」「テレワークにも?」 ~リモートデスクトップ活用事例その1~
2019年3月8日 06:41
働き方改革や生産性向上が叫ばれている昨今だが、目の前にないPCやスマートフォンを操作できる「リモートデスクトップ」を使うことで、既存のシステムを活用しながら、生産性や利便性を向上できる、ということをご存知だろうか?
リモートデスクトップは、エンジニアなどにとっては既になじみ深いものと思うが、そうでない人にとっては、なかなか利用イメージがつかみにくい。
そこで、「仕事向け」「家庭向け」の双方で定評があるリモートデスクトップアプリ「TeamViewer」を使い、利用シーンのイメージを3回にわたって紹介していきたい。
今回お届けするのは「職場編その1」。TeamViewerの基本的な使い方や、日本での展開については、別途使い方レビューやインタビューを掲載しているので、気になる方はそちらも参考にしてほしい。
【目次】
【仕事編1】
▼取引先の「ソフトの操作がわからない」、冴えた対応法とは?
▼「資料を会社に忘れた!」、最終手段は?
▼自宅で!カフェで!リモートデスクトップでテレワーク!
【仕事編2】
▼ 休日に職場からSOS、旅行帰りでもバッチリ仕事する方法
▼ 無人PCを置きっぱに、メンテは遠隔で
▼激安ノートでOfficeをフル活用してみた
【家庭編】
▼友達の「パソコン教えて」、電話で解決しようとしてません?
▼PCでしかできないノベルゲームやソシャゲを昼休みに遊びたい
▼スマホアプリの使い方を教えたいがチャットだけでは伝わらない
▼スマホのゲームをPCの大画面でプレイしたい
取引先の「ソフトの操作がわからない」、冴えた対応法とは?
あなたが製品やサービスを提供する企業の営業だったり、あるいは税理士などであれば、納品先や顧客から「使い方が分からない」「入力の仕方がわからない」と言われることは往々にあるだろう。
実は、そんな場面で役立つのがリモートデスクトップアプリだ。
「相手の画面を操作しながら手順を解説する」というのはとてもわかりやすいし、TeamViewerであればテキストチャットも備えているため、「遠隔操作しながら、設定方法をその場で解説できる」なんてこともできる。
顧客が使用するPCがカメラやマイクを供えているのであれば、音声チャットやテレビ会議も使えるし、TeamViewerでは、相手の画面に文字や注目点を直接書き込める「ホワイトボード」機能も用意されている。
もちろん「顧客にTeamViewerをダウンロードしてもらい、使用中のIDとパスワードを聞く」という手間は発生するものの、TeamViewerのインストーラーは「インストールせず、すぐに使用を開始する」という、まさしくこうした目的向けの機能が用意されており、起動するとIDとパスワードもすぐに表示されるといいう周到ぶりだ。
「資料を会社に忘れた!」、最終手段は?
遠方の顧客先に出向く出張はビジネスパーソンとして珍しくない。だが、人間は急げば急ぐほど物忘れといったミスを起こしがちだ。資料が足りないだけなら、クラウド経由でダウンロードする方法や同行する同僚と共有する方法もある。しかし、資料がオフィスのPCだけにあるケースや、PC自体を忘れてしまったとなれば目も当てられない。
そんな時のためにも、オフィスのPCにTeamViewerをインストールしておこう。外出先から社内のPCにアクセス可能になれば、資料を入れたHDDだろうが、PC自体を忘れようがどうにでもなる。
例えば、手元にPCがあり、PowerPointファイルが会社のPCにある場合は「ファイル転送」を使えば、任意のファイルを取り出すことができるし、そのままリモートデスクトップでプレゼンしてしまってもいい。
また、PC自体を忘れてしまっても、手元にスマートフォンがあれば、TeamViewer経由で会社のPCにアクセス、そのまま会社のPCのPowerPointでプレゼンした画面をスマートフォンに表示する、なんてことも可能だ。正直なところ、小さい画面でのプレゼンは、あまりスマートとはいえないが、できないよりはマシだろう。ただし、スマートフォンからHDMI出力できれば、客先のディスプレイを使って何事もなかったかのようにプレゼンする、なんてこともできる。
また、iPhoneやiPadでも、PowerPointファイルをダウンロードし、手元で編集、といった方法もできる。
ちなみにTeamViewerは遠隔プレゼンテーションを行う機能や、参加者のWebブラウザー経由で発表者のデスクトップを共有するWebプレゼンテーション機能も備えており、
自宅で!カフェで!リモートデスクトップでテレワーク!
いまやテレワークは常識だ。先進的な企業は社員ごとに決まった席を設けず、自由な席で周囲とコミュニケーションを取りながら仕事ができるフリーアドレスも導入している。
昭和生まれの人々から見れば「自分の机や引き出しがない」とピンとこないかもしれないが、資料はクラウドやデータセンターのオンプレミスサーバーにあり、社員同士のコミュニケーションはビジネスチャットツールなど手段も多い現状を踏まえると、「個人用の机」という概念が旧態依然といえるのだろう。
また、「個人用の机」がなくなると、社外や自宅から働くモバイルワークへのハードルも低くなる。実際、政府が推進する働き方改革の文脈で、これを推進する企業も増え始めている。
一億総活躍社会の一環である働き方改革は「労働生産性の向上」「非正規雇用の格差改善」「長時間労働の是正」を改善し、日本社会が迎えている少子高齢化に伴う人手不足を解決しなければならない背景があるものの、導入すべき企業担当者や中堅中小企業の経営者が口を揃えるのは「人事考課など管理が難しい」だ。
"働き方"を古い価値観で捉えるからこそ、人事考課のようなキーワードにたどり着くのである。そもそも人間とは、仕事から得る満足度が高ければ、生産性も成果も向上する存在だ。労働と対価はイコールだが、そこには価値観や興奮といった人間の根底にある感情が含まれていない。
このような企業では"カタチだけ働き方改革"を導入し、仕事が未消化なのに定時帰宅を強制される「時短ハラスメント」こと「ジタハラ」や、業務量を見直さず生産性向上だけを上意下達して現場が疲弊するケースが多い。
たとえば営業案件を社内のERP(基幹系情報システム)に入力する場面を想定すれば、帰社するよりも喫茶店で休憩しながらタブレットや2-in-1 PCで入力した方が手軽であることは誰の目にも明らかだ。
だが、このシチュエーションを実現するは意外に難しい。たとえば、VPNを利用するなら、今度は「そのPCのアクセスを許可して良いか?」という問題が出てくるはずだ。
そこで「手軽な解決」として利用できうるのがリモートデスクトップというわけだ。フルアクセスよりは安全性が高いため、「VPNに直結」よりはPCの認証を緩くできる。セッションの安全性は気になる部分だが、これについてはTeamViewerとして非常に気を使って開発している部分と説明されている。
また、ファイアウォールなどの「接続性の壁」もあるが、接続性の高さも同アプリのアピールポイントで、「ほかのアプリが接続できない場合でも、利用できる場合が多いはず」とされている。どうしても接続できない場合は、同社が公開しているFAQを参考に、情報システム部門にお願いしてみるのがいいだろう。
(協力:チームビューワージャパン)