レビュー
友達の「パソコン教えて」、電話で解決しようとしてません? ~リモートデスクトップ活用事例その3~
「PCでしかできないゲームを昼休みに遊びたい」「スマホアプリの使い方教えて」ほか
2019年3月25日 06:35
活用次第で様々な使い方ができるリモートデスクトップアプリだが、エンジニアなどにとってはなじみ深い反面、そうでない人にとっては、なかなか利用イメージがつかみにくい、というのが実情だ。
そこで、実際の利用シーンを想定して、そのポイントなどを解説していくのが当集中連載。今回お届けするのは「家庭編」。「友達の『パソコン教えて』、電話で解決しようとしてません?」「PCでしかできないノベルゲームやソシャゲを昼休みに遊びたい」「スマホアプリの使い方を教えたいがチャットだけでは伝わらない」「スマホのゲームをPCの大画面でプレイしたい 」の4題だ。
利用するのは、「仕事向け」「家庭向け」の双方で定評があるリモートデスクトップアプリ「TeamViewer」。基本的な使い方や、日本での展開については、別途使い方レビューやインタビューを掲載しているので、気になる方はそちらも参考にしてほしい。
【目次】
【仕事編1】
▼取引先の「ソフトの操作がわからない」、たった一つの(?)冴えた対応法
▼「資料を会社に忘れた!」、最終手段は?
▼自宅で!カフェで!リモートデスクトップでテレワーク!
【仕事編2】
▼休日に職場からSOS、それでもバッチリ仕事する方法
▼無人PCを置きっぱに、メンテは遠隔で
▼激安ノートでOfficeをフル活用してみた
【家庭編】
▼友達の「パソコン教えて」、電話で解決しようとしてません?
▼PCでしかできないノベルゲームやソシャゲを昼休みに遊びたい
▼スマホのゲームをPCの大画面でプレイしたい
▼スマホアプリの使い方を教えたい、………がチャットだけでは伝わらない
友達の「パソコン教えて」、電話で解決しようとしてません?
同じ市内に住む友人Aは飲み仲間だが、PCは疎い。測量を仕事とする彼はPCで測量データを打ち込むのだが、やれ「Excelのデータが……」「Wordの使い方が……」とスマートフォン(以下、スマホ)に連絡してくるのだ。もちろん時間的余裕があるときは対応し、彼の事務所に赴くこともあるが、我らが住む街は縦に細長く、加えて移動手段が限られている。運転免許証を持たない自分は、その都度迎えに来てもらうのだが、片道30分の距離やメンテナンス内容を考えると数時間の余裕が必要だ。
そこで昨日、彼のPCにインストールしたのがTeamViewerだ。
これなら電話であれこれ指示することなく、その場にいるかのようにPCのメンテナンスができる。手元のPCで、友人のPCをリモートコントロールしつつ、「何をしているか」を電話で話す、といった具合だ。必要なツールはファイル共有で、その場で送り込めばよい。
以前はあらかじめUSBメモリーにツール類や、インストールすべきアプリを入れてから出向いていたことを考えると夢のようである。おかげで簡単な要望であれば、5分10分で片付くようになった。
なお、やってみて改めて気付いたのだが、「PCの操作をしながらスマホ通話する」というのは、肩と首に挟み込めずかなり厳しい。
今後の課題としては、TeamViewerのチャット機能を使って「電話レス」でのサポートをするか、あるいは彼にWebカメラを買ってもらい、TeamViewerの音声通話でひとまとめにサポートを行う、といったあたりだろう。作業効率も著しく改善するはずだ。
PCでしかできないゲームやソシャゲを昼休みに遊びたい
仕事では働き方改革の文脈で「いつ・どこでも」と言うが、遊びとなるとそうも行かない。ネットにはまだまだWebブラウザーを前提したノベルゲームやソーシャルゲームが多く、空き時間に「夕べの続きを……」とスマホからアクセスしても、そこには「PCでお楽しみください」の寂しいメッセージが。
「遊び方改革」なんて言葉はどこを探しても見当たらないが、ゲームにハマり、日々の楽しみとするゲーマーには切実な問題だ。
そうした際、頼りにできるのがリモートデスクトップだ。
自宅PCとスマホにTeamViewerをインストールし、後はPCにアクセスするだけ。さすがに画面描画が著しく激しいタイプのゲームは、回線状況に伴う描画遅延や、スマホというデバイスの操作性から厳しいが、ノベルゲームやソーシャルゲームであれば、ポチポチと画面をタップするだけでよい。
ちなみに、ついつい困るのが「思わず画面をタッチしてしまうこと」だ。これについては、TeamViewerにある「リモートカーソル」機能(相手端末のマウスカーソルを手元端末の機能で表示するもの)を有効にして、マウスカーソルの表示サイズを「特大」に設定すると使いやすくなる。
なお、唯一の悩みはパケット消費量かもしれない。毎日出先でプレイすると、PC-スマホ間だけで数GBの消費となるため、Wi-Fiを活用するか、契約容量を大きくしたほうが無難だろう。
スマホのゲームをPCの大画面でプレイしたい
最近歳のせいか目がかすむ場面が増えている。どこぞのテレビCMではないが、スマホを触るときは近視用の眼鏡を外して使うようになった。歳を感じるには早いと思いながらも、長年PCのディスプレイを見続けてきた結果なのだろう。フォントサイズの設定を変更するなどして、多くのアプリは難なく使えるのだが、問題はソーシャルゲームだ。
Androidはバージョン8.0からTextViewのフォントサイズに自動調整機能が加わったものの、ソーシャルゲームの多くは画面レイアウトを維持するため、未対応なケースが多い。それはバージョン4.x時代から変わらない。どうにか眼精疲労を避けつつ、スマホのソーシャルゲームを楽しめないかと思案した結果が、「Androidの画面をTeamViewerでPCに映し出す」というものだ。
大半のAndroidは、iPhoneと異なりフルコントロールが可能なため、特に難しい操作は必要ない。基本的には「タップしたい部分をマウスでクリック」すればいい。タッチ操作がマウス操作になるため、慣れは必要だが、逆に言えばその程度。
ただし、特定部分をなぞる「スワイプ操作」は厳しいので、その点は気にしたい。たとえば「ツムツム」のようにキャラクターをなぞる場合は、始点をクリックしてマウスポインターを移動させるのだが、指によるスワイプほど素早く実行できない。基本的には、「大画面でできるようになる」ことをメリットと考えるべきだろう。
いずれにせよ、当初の目的である「眼精疲労の回避」という点では、十分効果がありそうだ。
スマホアプリの使い方を教えたい、………がチャットだけでは伝わらない
ある日、友人Aからメッセンジャー経由で連絡があった。何でも「スマホアプリの使い方が分からない」という。
彼はPCだけではなく、スマホもイマイチ使いこなしていない。21世紀にそれで大丈夫かと入らぬ心配をしつつ、そのまま簡単な使い方を返信したが、よく分からないという。仕方なく、彼のスマホにTeamViewer QuickSupportをインストールさせ(これは電話でなんとかなった)、iOSの事前設定を行う。
その後、彼のiPhoneで表示されたパートナーIDを、PCのTeamViewerにIDを入力し、PCの画面に彼の画面が表示される。
あとは電話(スマホはこちらと画面共有中のため、自宅の電話回線にかけている)で話ながら、相手が起動したアプリをTeamViewer経由で見つつ、アレコレと操作を教えて難なく終えた。なお、最初の例と同様、電話の代わりにTeamViewerが提供するチャットでサポートする、ということもできるので、相手のスキルレベルに合わせてやり方を変えるといいだろう。
(協力:チームビューワージャパン)