レビュー

宅内LANをDIYで10GbEにしてみた。マイホームの配線丸ごと交換は意外と簡単!?

自宅の10GbE化は簡単にできる?

 ふと、自宅のギガビットLANを10GbEにしたいと思った。なぜか。そりゃもう、「速ければ速いほどうれしいじゃん」という素朴な欲求である。

 あとは仕事柄、そろそろ10GbE環境にしないと試しにくい機材もぼちぼち増え始めている、というのもあったりする。5年前に新築したわが家だが、当時「1GbEであと10年は戦えるだろ!」と思っていたのが、5年でこれである。

【今回のハイライト】
設計図でケーブルを通せるルートを検討
既設のCAT5eケーブルをCAT6Aに
適切な長さのLANケーブルを自作して配線

高速化するWi-Fi、2.5GbEなどマルチギガビット化する有線LANにLANの10GbE化は不可欠!?

 Wi-Fiがどんどん高速化しているし、「有線LANなんていずれ廃れるのでは?」と考えていたりもしたのだが、コロナ禍の在宅勤務でオンライン会議、オンライン取材が当たり前になり、「通信が途切れたらアウト」なシチュエーションが毎日のように続くと、「Wi-Fiの怖さ」がじわじわと胸を締め付けてくる。相手が一番大事な話をしているときに通信が不安定になって音声が乱れでもしようものなら、どうすればいいのか。どうしようもない。

 ただ、Wi-FiはWi-Fiで、自宅のどこにいても気軽に快適にスマートフォンを使うには必要だ。でも仕事用のPCはできるだけ有線LANに接続しておくべきだろう。

 最近は2.5GbEなどのマルチギガビットに対応したNASが続々登場してきているし、10GbEのネットワーク機器も個人で導入できるレベルの価格帯まで下りてきている。Wi-Fiにしたって、高速なWi-Fi 6ルーターにアップグレードすれば、1GbEのLANではポテンシャルをフルに発揮できない可能性すらあるのだ。

 こうした最新機材をいつでもわが家に迎え入れられるように、あるいは仕事で効率良くテストできるように、宅内LANの10GbE化は不可欠ではないか。不可欠なはずだ。そうじゃなくても高速化はしておきたい。単純にうれしいから。

 そういうわけで、筆者宅の壁の中を通っているLANケーブルを、1GbEから10GbE対応のものへ置き換えることにしたのである。そのためには何が必要で、どんな手順で進めていくのがいいのか。筆者自身、試行錯誤しながら10GbE化していった様子をご覧いただきたい。

10Gbps対応ケーブルを「作る」のに必要なものを準備する

 代表的な1Gbps対応のLANケーブルは「CAT5e」や「CAT6」という規格のもの。対して10Gbps対応のLANケーブルは「CAT6A」(または「CAT6e」)以降のものとなる。筆者宅の壁の中にはCAT5eのケーブルが敷設されており、単純に言えば、これをCAT6Aに置き換えることができれば、10GbE化はあっさり完了するはずだ。

 ただし、市販のコネクタ付きLANケーブルが壁からぴろんと生えている、というわけではない。壁面埋込型のコンセントパネルにモジュラージャックが設けられていて、その先にLANケーブルがつながっている。

わが家2Fの中央あたり、天井付近にある棚のルーター付近に回線類を集中させている

 こうすることでネットワーク機器の接続・取り外しが容易になり、かつ見た目としてもすっきりさせられるわけで、CAT6Aに置き換えてもこのスタイルは維持したいところだ。

既設LAN回線は1GbpsのCAT5e。こちらはルーターの真下、床近くにあるモジュラージャック

 そのためには、ケーブルを「作る」必要がある。モジュラージャック付きのケーブルは売っていないし、最初からモジュラージャックが付いていると壁の中を通せないからだ。先にコネクタの付いていない「生」のケーブルだけを通し、後で出入口部分にモジュラージャックを装着するのである。

 筆者宅を新築した5年前当時、CAT6A対応のモジュラージャック(の少なくとも家庭向け製品)を目にした記憶はない。なので仕方なくCAT5eにしたという事情もあるのだが、近ごろはCAT6Aのモジュラージャックも手に入れやすくなっていて、例えばAmazon.co.jpでは、1つ1800円程度と安価だ。

 CAT5eはその半分くらいの値段なので、CAT6Aのモジュラージャックも高価といえば高価だ。でも今や簡単に入手は可能なのだ。通常は対向で必要となるから、2つ1セットで考えると3600円。設置箇所が増えるほどコストが上積みされるので、意外と費用がかかる(ちなみに住設大手であるパナソニック製のCAT6A対応モジュラージャックは1つ3200円なので、これにこだわれば、さらにコストはアップする)。

 もちろんCAT6A対応のケーブルも必要だ。どれくらい壁の中を引き回すことになるのか不明な時点では、できるだけ長いケーブルが欲しいところだが、例えばサンワサプライが100m長の生CAT6Aケーブルを普通に販売しているので、これもすぐに手に入る。

パンドウイットのCAT6Aモジュラージャック。1つ1800円ほど
サンワサプライの自作用CAT6Aケーブル。100mで約1万3000円

 1万3000円もするので高く感じるけれども、1mあたりではたったの130円である。LANコネクタ(モジュラープラグ)と、後述する「成端」用の工具を用意すれば、今後LANケーブルを買う必要がなくなるし、しかもその場所に合った適切な長さのケーブルが作り放題になることも考えると、100mあっても決して無駄にはならない、はず。

 不満があるとすれば、ケーブルの色や太さが今のところ限られることだろうか。市販されている好みのデザインのCAT6Aケーブルを購入して、コネクタ部分を切断して使うという手もあるが、(線材が細すぎて)手作業での成端にはおそらく向かないので、あまりおすすめはできない。

配線するときに必須、もしくはあると便利な工具類

 でもって、モジュラージャックとケーブルを接続するための専用工具も必要だ。最低限あった方がいいのは「成端工具」(約800円)と呼ばれるもの。モジュラージャックを押し込んで接続するようなイメージなので、もしかすると力技で何とかできるかもしれないが、成端工具があれば失敗が少ない。そもそも1000円もしない安価なものなので、サクッと買っておこう。

 モジュラージャックと接続するだけなら以上でOKだが、通常のLANケーブルも作りたいのであれば、ほかにも材料や工具をいくつか用意しなければならない。確実に必要なのは「LANコネクタ」(1パック50個入り約4500円)と「モジュラーカバー」(1パック10個入り約300円)、そして「モジュラープラグ圧着工具」(約2500円)。圧着工具はケーブルを真っ直ぐ切断したり、LANコネクタと圧着するときに使う。

「成端工具」。約800円
通常のLANケーブルも作りたいなら、ケーブル先端に取り付けるコネクタが必要。これは1パック50個入り約4500円のもの

 また、成端するときの作業効率と成功率を上げたいなら、目打ちのような「スパイキ」(約700円)があった方がいいし、正しくケーブルを作れたかどうか確認するための「LANテスター」(約1500円)も、あれば間違いなく効率アップになる。いずれもそれほど高価なものではないので、最初に買いそろえておくのがおすすめだ。

コネクタを圧着するための「モジュラープラグ圧着工具」。約2500円
「スパイキ」(約700円)と「LANテスター」(約1500円)

 最後に、ケーブルを壁の中に通す際に便利なアイテムが「通線ワイヤー」(約5000円)と「内視鏡カメラ」(約7000円)の2つ。通線ワイヤーは、ケーブルを引っ張ったり、押し込んだりする際に役に立ってくれる。これがないと途中で詰まり、にっちもさっちもいかなくなることが多いので、ちょっと高いが手に入れておきたい。

30mの通線ワイヤー。約5000円
内視鏡カメラ。約7000円

 内視鏡カメラは完全にオプショナルではあるけれど、壁の中の状況を見ながらケーブルを通す必要があるシーンでは、絶大な威力を発揮してくれる。何より使っていて楽しいので、これも必携である。

先端のカメラレンズには輝度調節可能なライトもある
手元のコントローラーで輝度調節、ズームイン/アウト、写真撮影が可能

 まとめると、以下の部材・工具類が必要になる。今回、筆者宅では壁の中を通したいケーブルが4本あるので、モジュラージャックは8個必要だ。今後のことも考えて通常のLANケーブルも作れるように準備したこともあり、工具類も含めるとトータルコストは5万円近くになってしまった。やはりモジュラージャックの値段が高く、宅内の何カ所にLANケーブルを配線するかによって、コストが大きく変わってくることに注意すべきだろう。

LANケーブルの作成に必要な部材と工具類
部材CAT6A対応モジュラージャック8個約1万4400円
CAT6A対応LANケーブル100m約1万3000円
CAT6A対応LANコネクタ50個約4500円
モジュラーカバー10個約300円
工具類成端工具1個約800円
モジュラープラグ圧着工具1個約2500円
スパイキ1個約700円
LANテスター1個約1500円
通線ワイヤー30m約5000円
内視鏡カメラ(スマホ対応)1個約7000円
約4万9700円

LANケーブルの自作手順

 ちなみに、通常のLANケーブルを作る手順は以下の通り。ケーブルやコネクタによって仕様が異なる場合があるので、参考までに。

まずはLANケーブルの被覆を剥いて2×4本の撚り線を開く
中央の十字介在物を根本でカット
スパイキを撚り線に差し込んで、根本を抑えながらぐっと上に引いていく
こんな風にきれいに真っすぐになるはず
スパイキを使わず頑張って指先で伸ばしたのがこちら。これだけやるのにも時間が掛かる上、うねっているので圧着時に接触不良になる率も高い
線材1本1本を決まった順番に並べ、先端をカット。斜めにすることでガイドに通しやすくなる
ガイドに通す。このあたりの手順やパーツの作りは製品によって異なる場合がある
手前側に単色のケーブル(橙、青、緑、茶)、奥側にライン入りケーブル(橙、緑、青、茶)の順番に並んでいればOK。ここもケーブルの仕様によって並びが変わる場合がある
再び真っすぐカット。このときガイドは5mmほどケーブル根本方向に動く状態。こうしておくことで、この後コネクタに挿入したときに線材が先端まで届くようになる
先端側から見てきれいに挿入されていることを確認
圧着工具でかしめる
あらかじめケーブルに通しておいたモジュラーカバーをはめ込んで完成
LANケーブルをLANテスターに接続。電源をオンにするとインジケーターが順番に光る
両側の8つずつのインジケーターが順番に全て光ればOK。ネットワーク機器に接続することなく手元で通電確認できる。ただし、微妙な接触不良までは確認できないので、後で通信テストも必要だ

LANケーブルを通せそうなルートを設計図で検討

 通常、電気の通る宅内設備を追加・変更するような場合には電気工事士の資格が必要になる。が、今回のようにモジュラージャックに接続できるよう施工したり、LANケーブルを壁の中を通したりするのには、そうした資格は不要だ。

 もちろん、壁面の電源コンセント付近で作業する可能性は高いので、その際にはブレーカーをあらかじめオフにし、コンセント周辺に触れないよう十分に注意しながら作業しなければならない。また、壁に穴を開けたりする場合、誤って家の柱を大きく破損すると家自体の強度にも影響してしまう。建築当時の設計図や実際の状況を確認しつつ、難しそうな場合は、素直に建築したときの設計士や工務店などに相談した方がいいだろう。

設計図で柱や梁の場所と構造を確認し、LANケーブルを通せそうなルートを検討する

CD管を通っているLANケーブルを交換

 そんなわけで、筆者も設計図を穴が開くほど読み返しながら、ケーブルをどうやって通していくかをじっくり検討していったのだが、ありがたいことに(というか、筆者が建築当時に設計士にそうするよう依頼していたのだが)、既存の壁の中に敷設されている1GbEのLANケーブルは、CD管という配管を通じて各所につながっていた。

 この場合、ケーブルの交換は非常に楽ちんだ。何しろ、今あるCAT5eケーブルを引っこ抜いて、同じところへCAT6Aケーブルを通せばいいだけなのだから。

 筆者宅のLAN配線の状況を図示すると、以下のような感じとなる。2階のほぼ中央付近(天井近く)へ光回線が引き込まれており、ここにある壁面パネルを起点に、真下のカウンターの足元、リビング、そして1F中央あたりのルーター(サテライト)置き場にLANケーブルがつながっている。これら3本のLANは全て個別のCD管を通っているわけだ。

オレンジ色が既存の壁の中を通っているLAN回線。この3本をCAT6Aに交換する
2階天井付近の光回線が引き込まれている場所は、リビング側にモジュラージャックを含むコンセントパネルがある
で、その裏側はウォークインクローゼットで、コンセントパネルと背中合わせで弱電ボックスがある
開けると、見えるのはテレビアンテナケーブルと分配器だけれど……
弱電ボックス内のボードを取り外すとCD管から伸びている既設LANケーブルが見え、ある程度アクセスしやすい作りになっている

 ただ、CD管はそれほど太くない上に、壁の中のあちこちで曲がっているらしい。LANケーブルをそのまま挿入してもスムーズに通らず、途中で詰まる。なので、ここで通線ワイヤーを使い、ケーブルと接続して引っ張ったり押し込んだりすることとなった。最も楽なパターンのはずだが、まあまあ汗だくになりながらの作業である。

1階中央のルーター置き場のコンセントパネルも、取り外すとCD管がある
CAT5eケーブルを抜き、通線ワイヤーにCAT6Aケーブルを固定
そのままCD管に突っ込み、送り込んでいく
出てきた

ケーブルを通した後の成端作業

ケーブルの先端にモジュラージャックを取り付ける。マニュアルを見ながら、まずはパーツの1つに線材を通す

 ケーブルを通した後は成端作業だ。細かい作業工程は購入したモジュラージャックの説明書をご覧いただきたいが、難易度はそれほど高くない。説明書の通りにケーブルの皮を剥き、十字状の介在物を切断。中にある8本の電線をモジュラージャックの部品にセットし、成端工具でグッとやってカチッとやれば完成である。最終的に8カ所を成端したが、1つも失敗することはなかった。

成端工具でぐっとやる
線材を1本ずつ溝にはめる
余分なところをカット
もう1つのパーツに、再び成端工具でカチッと鳴るまで押し込む
さらにシャッターにはめ込む
コンセントパネルに取り付けて完了
2階カウンター下のモジュラージャックも交換
リビングのコンセントパネルにあるLANも交換完了

既存のケーブルがない仕事部屋にもLANを引きたい!

 あらかじめ壁の中に敷設してあるCD管にLANケーブルを通すだけなら、以上のように実に簡単だ。しかし、筆者としては是が非でも、もう1本LANケーブルを通したいところがあった。それは1階の仕事部屋である。安定した通信環境でつつがなくオンライン会議をするには有線LANが必須。10GbE対応のネットワーク機器をテストするときにも、仕事部屋に10GbEの口があれば、はかどること間違いないのだ。

有線LANを通していなかった1階仕事部屋
PCのすぐ横の壁にコンセントパネルはあるが、LANの口はない

 しかし、冒頭で書いたように、建築当時は「有線LANなんていずれ廃れるのでは?」と考えていた節があり、わざわざ全ての部屋にLANケーブルを通すほどではないだろうと判断して、必要最小限のところにしか配線していなかった。仕事部屋どころか、1Fは中央のルーター置き場以外、どの部屋にもLANの口がなく、当然ながらCD管なども敷設されていない。

 そのため、2Fから1Fの仕事部屋まで、幾重にも立ちはだかる仕切りや柱をなんとかして乗り越える方法を考えなければならない。太さ5~6mm程度のLANケーブルとはいえ、これはかなり困難な作業だ。場合によっては壁をいったん剥がさなければならないかもしれないし、そうなると、もはや大工事である。ケーブルモールで壁に沿うように配線していく方法もあるが、見た目が美しくないので却下だ。

照明などを一時的に脇に避け、内視鏡カメラを入れていく

 とりあえず、設計図をチェックして柱や間柱の位置を特定した上で、壁のコンセントパネルや天井に埋め込まれた照明器具を一時的に脇へ避けつつ、既存のケーブル類が通っている箇所などをチェックして、LANケーブルを通す「隙」がないかを探っていった。

 ここで大活躍したのが「内視鏡カメラ」である。壁や天井の小さな穴から内部を目視できる範囲は限られているが、細い内視鏡カメラなら、目も届かず手を伸ばしても分からない壁の中の状況を、スマートフォンの画面で簡単に確認できる。

内視鏡カメラで撮影した画像。断熱材などもあるので一筋縄ではいかないが、目視できないところも、しっかり見通せる
テレビアンテナのケーブルなどがどこをどう通っているのか、少しずつ把握していく。カメラに小型のライトも組み合わせると、より見やすい

 週末の時間が作れたタイミングで壁の中の状況を少しずつ把握すること3週間余り。何とか見つけた1本の通り道が、以下の図にある緑色のルートだ。もちろん梁などが障害物として存在しているのだが、既存のテレビアンテナケーブルなどを通している穴があり、そこに多少の余裕があった。

緑色のラインが新たに敷設した仕事部屋用LAN回線。1階天井の中を蛇行させるかたちとなった
行けそうなルートを発見。あとは頑張ってケーブルを通していくだけ。玄関の天井に設けられていたメンテナンスホールが役に立った

 それでも、ゴール直前の梁に空けられていた穴が狭く、穴を広げる加工ができるような箇所でもなかったので、最終的には既存のテレビアンテナケーブルを引き抜いて、代わりにLANケーブルを通すことになった。

 テレビを見られなくなるのは残念だが、そもそもテレビを仕事部屋に設置する予定もなかったので、よしとする。もしテレビを見たくなったら、それこそ壁や天井を剥がして改めてケーブルを引き直せばいいのだ(やりたくないけど)。

アンテナケーブルを引き抜いた。同じ穴に電源ケーブルも通っていたので、苦戦しながらも、なんとかLANケーブルを通す。なお、CAT6Aケーブルと電源設備は電波干渉の可能性があるため、15cm以上離すのがベターとされているようだ
LANケーブルを仕事部屋まで持って来ることに成功
最後に成端して完了
最終的に2階のルーター置き場のコンセントパネルは、このようにLANの口が4つ並んだ

今後のシステムの10GbE化に向け準備万端、可能なら今すぐアップグレードしよう

 こうして無事、わが家のLAN回線の10GbE化が実現した。と言いつつも、いまだにPCやネットワーク機器の10GbE化には至っていないのだが、とりあえず2.5GbEと、以前の1GbEとでインターネットの通信速度、およびNASのファイル転送速度(1Gbps×2のリンクアグリゲーション設定時)を比較してみたのが以下のグラフ。インターネット回線はau光の5Gbps契約だ。

インターネット回線の速度比較。2.5GbEにすると受信は1Gbpsを超えた
HDD NASを使った約1万ファイルのアップロードとダウンロード時間の比較
HDD NASを使った1ファイル10.5GBのアップロード/ダウンロード時間の比較

 1Gbps→2.5Gbpsにしたことで2.5倍速に! ……というわけには行かなかったが、インターネットは受信1Gbpsを超えた。NASについても、1万ファイルのコピーで一定のパフォーマンスアップが図られている。1ファイル10.5GBの転送速度については、どうやら1GbEの時点でほぼHDD NASのパフォーマンス上限に達しているようだ。

 2.5GbE以上のLAN環境で高速にバックアップしたいなら、マルチギガビットに最適化されたNASか、SSD NASにアップグレードすることを検討した方がいいのかもしれない。

 というわけで、自宅のネットワーク環境を無事10GbE化できたわけだけれど、壁の中のLAN配線を置き換えるときの難易度は、CD管のようなものが壁の中に敷設されているかどうかで大きく変わってくる。

 CD管がないときの作業にかかる手間を考えると、やっぱり工務店などに依頼した方が楽だし、結果的に安く付くかもしれない。いずれにしても、これからの時代、きっと1GbEでは物足りなくなってくる。LAN配線を置き換えられる環境にあるなら、試しに10GbE化のDIYにチャレンジしてみても損はないはずだ。