レビュー

本日発表! 日本初のWi-Fi 7ルーターを最速レビュー!! TP-Link「Deco BE85」は、MLOで“完全体”前でも実効5Gbpsと、スゴすぎで笑っちゃう速さ

日本初のWi-Fi 7対応ルーターとなる、TP-Link「Deco BE85」

 かねてからの予告通り、TP-LinkからWi-Fi 7対応ルーター「Deco BE85」がいよいよ本日(9月7日)発表された。Amazon.co.jpなどで予約が開始されており、発売は9月21日。日本初(最初に購入できる)のWi-Fi 7対応ルーターとなる。本誌では一足先にデモ機をお借りできたので、そのレビューをお届けしたい。

 現状、Wi-Fi 7はまだドラフト版であり、日本でも総務省での検討が現在進行中だ。そのため、まだ「完全体」とは言えない状態だが、それにもかかわらず、実力は圧倒的の一言。iPerf3での計測で5Gbpsをマークし、既存のWi-Fi 6/6Eをダブルスコアで引き離す。320MHz幅対応や価格など、課題はあるが、間違いなく現時点で最速のWi-Fiルーターが誕生した。

日本は「まだ」じゃなかった?

 Wi-Fi 7は、従来のWi-Fi 6/6Eの後継となる最新のWi-Fi規格だ。

 正式にはIEEE 802.11beとなるこの規格は、現在も規格策定が進行中で、正式な策定は2024年とみられている。しかしながら、規格の主要な技術は、すでにドラフトで固まっており、これをベースにした製品が、先行して販売されることとなった。

 Wi-Fiの世界では、このようにドラフトの段階で製品がリリースされることは珍しくない。過去、IEEE 802.11nやIEEE 802.11acなどもドラフト版での製品発売があった。

 ここで「あれ? 日本ではWi-Fi 7の320MHz幅が許可されてないんじゃなかったっけ?」と思った方は鋭い。

 Wi-Fi 7では、低遅延や通信の効率化を実現するためのさまざまな技術が採用されているが(「次世代の『Wi-Fi 7』は日本にいつ来る? 最大速度などの仕様はどうなる?」参照)、速度に関連する部分では、大きく以下の3つの技術が貢献している。

320MHz幅の利用
→空中線電力などの法令での規定、技術基準適合認定が必要

 Wi-Fi 6Eと同じ6GHz帯において、Wi-Fi 7では320MHz(16ch分)を使った通信を実現する。つまり、従来の160MHz(8ch分)の倍の帯域を利用できる。帯域幅が広くなれば、それだけ多くのデータを送れるため速度が向上する。

 なお、日本では6GHz帯で利用できる周波数が5925~6425MHzまでの500MHz分しかないため、重ならないチャネルは1系統しか320MHz幅を確保できない。現状は、一部の帯域が重なるかたちで、31chと63chの2系統を利用する方式が検討されている(広帯域無線LANの技術的条件の検討より)。

320MHz幅を利用可能

4096QAM(4K-QAM)の採用
→現状法令で規定なし。端末が対応していれば利用可能

 Wi-Fiで伝送するデータを変調する際の方式として、Wi-Fi 7では新たに4096QAMを採用する。従来の1024QAMでは、1シンボルあたり10bitのデータしか送れなかったが、4096QAMでは1シンボルあたり12bitのデータを送れる。つまり、速度が単純に1.2倍になる。

4096QAMを利用可能

MLO(Multi-Link Operation)
→各リンクは既存規格同等の条件で、端末が対応していれば利用可能

 いわゆるマルチリンク機能。これまで個別に利用していた2.4GHz、5GHz、6GHzの帯域のリンクをまとめて利用することで、リンクの数だけ速度を向上させることができる。

MLOを利用可能

 これらのうち、法令で定める技術的要件として、新たな規定が必要になるのは、320MHz幅のみとなる方向だ。空中線電力(0.625mW/MHz以下の予定)などを規定し、これをもとに、いわゆる技適の検査要件が定められ、実際のテストや認定が行われる。

 なお、詳しくは以下の資料参照を参照してほしいが、MRU(Multiple Resource Unit)やPreamble PuncturingなどのWi-Fi 7の機能も既存システムとの共用可能という方針が示されており、法令での対応は不要となると予想される。

▼参考資料
情報通信審議会 情報通信技術分科会 陸上無線通信委員会(第81回) 委員会報告(案)「小電力の無線システムの高度化に必要な技術的条件」のうち「広帯域無線LANの導入のための技術的条件」及び「無線LANシステムの高度化利用に係る技術的条件」(総務省)

 つまり、320MHz幅を機能から外した状態で出荷すれば、新たな法令を待たずしてWi-Fi 7対応製品を販売したり、実際にユーザーが利用したりすることが可能ということになる。

 今回、TP-Linkから発表されたDeco BE85では、まさにこの方式を使った日本初のWi-Fi 7ルーターだ。「完全体」ではないが、320MHz幅以外のWi-Fi 7の機能は実際に試すことができる。

 なお、320MHz幅への対応については、話が長くなるので後述するが、基本的にファームウェアのアップデートで対応予定となる見込みだ。

価格もスペックも「半端ない」

 それでは、実機を見ていこう。

 本製品は、TP-Linkのメッシュルーターである「Deco」シリーズとして販売される製品だ。単体モデルもあるが、前述したMLOなどのWi-Fi 7ならではの機能を利用するには、同じWi-Fi 7対応機器同士で通信する必要があるため、事実上2パックのセットで利用する必要がある。

正面
背面
Deco BE85 スペック
市場想定価格14万8800円(2パック)
CPU-
メモリ-
Wi-Fiチップ(5GHz)-
対応規格IEEE 802.11be/ax/ac/n/g/b/a
バンド数3
160MHz対応-
最大速度(2.4GHz)1376Mbps
最大速度(5GHz)5760Mbps(8640Mbps)
最大速度(6GHz)5760Mbps(11520Mbps)
チャネル(2.4GHz)自動選択
チャネル(5GHz)自動選択
チャネル(6GHz)自動選択
ストリーム数(2.4GHz)4
ストリーム数(5GHz)4
ストリーム数(6GHz)4
アンテナ内蔵(8本)
WPA3
メッシュ
IPv6
IPv6 IPoE(DS-Lite)
IPv6 IPoE(MAP-E)
有線(2.5Gbps)2
有線(10Gbps)2(1つはSFP+コンボ)
有線(LAG)-
USBUSB 3.0×1
セキュリティ
USBディスク共有
VPNサーバー
動作モードメッシュ
ファーム自動更新
LEDコントロール
本体サイズ(mm)128×128×236

 Wi-Fiのスペックは、同社が過去に発表したリリースなどでは、11520Mbps(6GHz)+8640Mbps(5GHz)+1376Mbps(2.4GHz)となっているが、これは320MHz(および240MHz)幅が利用可能な状態での性能となる。

 ハードウェア的には、この性能を備えているが、現時点での日本仕様は320MHz(および240MHz)幅が無効化されているため、5760Mbps(6GHz)+ 5760Mbps(5GHz)+ 1376Mbps(2.4GHz)のトライバンド対応となる。

 現状のWi-Fi 6/6Eが、4804Mbps(6GHz)+4804Mbps(5GHz)+1148Mbps(2.4GHz)なので、どの帯域もちょうど4096QAM(12bit)化した効果を加えた1.2倍の値だ。

 このスペックに合わせて、有線ポートも豪華だ。背面には2.5Gbps×2、10Gbps×2(うち1ポートはRJ45とSFP+のコンボ)が搭載されている。これらのポートは自動認識となっており、WAN側にもLAN側にも利用可能だ。また、メッシュ構成時の有線バックホールとして10Gbpsを利用することもできる。

有線ポートの構成も豪華

 デザインは、Decoシリーズらしく、シンプルで清潔感がある。円筒形の形状にWi-Fi 7の「7」をあしらったラインが採用されているが、実機では、思ったよりラインが目立たず、余計な主張がなく好印象だ。

 ただし、サイズは「でかい」。具体的には128×128×236mm(幅×奥行×高さ)となっており、大きめの花瓶とでも言おうか、短く切ったダクトパイプとでも言おうか、かなり存在感がある。円筒形で、底面積は小さいため、置き場所に困ることはないが、インテリアとしての主張は大きい方だろう。

 機能的には、ほかのDecoシリーズと同等となる。スマートフォン向けの「Deco」アプリで設定や管理が可能となっており、メッシュの構成も自動的に行われる。もちろん、IPv6 IPoE環境にも対応している。

 付加機能として、VPNサーバー、USB共有、HomeShieldによるセキュリティ機能や保護者機能なども利用可能だ。

スマホ向けのDecoアプリで設定や管理が可能
セキュリティ機能(HomeShield)なども利用できる

無線で実効5Gbpsの衝撃

 前置きが長くなったが、本製品の最大の注目点は、やはりパフォーマンスだ。その実力を見ていこう。

 今回使用したのは、同社から借りた試用版だ。完全に日本仕様となっており、パッケージにも技適の番号とマークが記載されている。技適番号で検索すると、すでに6月に取得済みとなっていたので、以前から周到に準備して、発売のタイミングを見計らっていたこともうかがえる。

パッケージ底面の技適番号

Archer BE85同士でのテスト結果

 計測は、Wi-Fi 7に対応したスマートフォンやPCは存在しないため、今回は2パックのDeco BE85を利用して、Deco BE85同士での速度を計測した。以下の図のように、10Gbpsの有線でPCを接続し、Deco BE85の間の無線性能をiPerf3で計測したことになる。

近距離で有線接続した場合のベンチマークテストの方法
有線クライアントテスト
1F3F
Deco BE85同士(上り)1630Mbps4580Mbps
Deco BE85同士(下り)1460Mbps4850Mbps

※サーバー:Ryzen3900X/RAM32GB/1TB NVMeSSD/AQtion 10Gbps/Windows 11 Pro
※クライアント:Core i3/RAM32GB/1TB NVMeSSD/ASUS XC-C100/Windows 11 Pro

 上記の通り、近距離(約3mほど)の場合の速度は、平均で下りが4.8Gbps前後、瞬間的には5.69Gbpsを達成した。

 今まで、筆者が自宅で実施したWi-FiのiPerf3テストで、これまでの最速値はWi-Fi 6E対応ルーター同士を利用(PCは10Gbps接続)した際の2.3Gbpsほどだったので、一気に2倍まで実効速度が上がったことになる。凄まじい威力だ。

後述するMLOによって速度が変動しがち。瞬間的には5Gbpsを超える

 また、長距離(1階と3階)でも下り1.46Gbpsと1Gbpsオーバーを実現できており、距離が離れてもかなり速いことがわかる。まるで、1階と3階が2.5Gbpsの有線で接続されたかのような印象だ。ちょっと、考えられないくらい速い。

 これは、ひとえにWi-Fi 7のMLOの恩恵だ。前述したように、Wi-Fi 7では、MLOにより2.4GHz、5GHz、6GHzの利用できる帯域を複数使って同時に通信できる。

時間による速度の変化

 iPerf3の計測中の値の変化を見ていると、計測開始から2秒ほどは3Gbps前後でデータをやり取りし、4~5秒前後から徐々に上昇、6秒あたりで、一瞬、使う帯域に迷ったのか値がばらつくものの、8秒以降から5.5Gbps前後で安定して通信するという感じで、徐々に速度が向上する傾向が見られた。

 内部的に、どの帯域をどれくらい使っているかはわからないので、これは想像でしかないが、値から考察すると、5GHzの5760Mbpsで通信を開始し、次に6GHzの5760Mbpsが追加され、最後に2.4GHzの1376Mbpsが追加されているように見える。

時間によるiPerf3の速度変化
時間下り
1秒3120Mbps
2秒3030Mbps
3秒3050Mbps
4秒4220Mbps
5秒5080Mbps
6秒5160Mbps
7秒4620Mbps
8秒4600Mbps
9秒5400Mbps
10秒5380Mbps
11秒5420Mbps
12秒5430Mbps
13秒5360Mbps
14秒5240Mbps
15秒5260Mbps
16秒5340Mbps
17秒5420Mbps
18秒5370Mbps
19秒5150Mbps
20秒5340Mbps

 なお、MLOは、Decoアプリの設定でオン/オフできるが、これはほかのクライアントをMLOで接続するときに、MLO用のSSIDを表示するかどうかの設定となる。Deco BE85同士でメッシュを構成した場合、この設定に関係なく、メッシュのバックホール部分では自動的にMLOが有効化される。

手動で有効化できるMLOは、ほかのクライアントをMLOで接続するための設定

Wi-Fi 6Eクライアントとの通信

 最後に、Wi-Fi 6Eクライアントを使って無線接続した際の速度も掲載しておく。1階にのみDeco BE85を設置した単体のケースと、1階と3階にDeco BE85を設置したメッシュの場合の値となる。

無線クライアントテスト
1F2F3F3F端
2台メッシュ(上り)1520Mbps774Mbps999Mbps997Mbps
2台メッシュ(下り)1630Mbps1020Mbps1090Mbps1070Mbps
単体(6GHz・上り)1770Mbps964Mbps272Mbps199Mbps
単体(6GHz・下り)1730Mbps1090Mbps464Mbps266Mbps
単体(2.4/5GHz・上り)1650Mbps744Mbps117Mbps82.7Mbps
単体(2.4/5GHz・下り)1710Mbps996Mbps200Mbps239Mbps

※サーバー:Ryzen3900X/RAM32GB/1TB NVMeSSD/AQtion 10Gbps/Windows 11 Pro
※クライアント:Core i5-8365/RAM8GB/1TB NVMeSSD/Intel AX210

 単体の場合、長距離となる3階では、2.4GHz帯が選択されてしまうケースがあった。Deco BE85では、2.4/5GHzと6GHzのSSIDが作成されるが、前者のSSIDを選択した場合、距離が遠くなると2.4GHzが選ばれる可能性がある。この場合、速度はあまり伸びない。

 一方で、6GHz帯のSSIDを選んで接続した場合やメッシュの場合の値は優秀だ。特にメッシュでは、あらゆる場所で1Gbps前後の通信を実現しており、驚異的な安定性も実現する。バックホールがWi-Fi 7のMLOとなるため、途中にボトルネックが感じられないのは絶大な威力と言える。

 筆者は、「メッシュはトライバンドに限る」と言い続けてきたが、今日からこれを「メッシュはMLOに限る」と言い換えることにする。

 従来のメッシュは、バックホールに2.4GHzが使われてしまったり、1階と3階に機器を設置したケースで2階から1階ではなく3階経由で1階につながってしまったりと、ユーザーが意図しない接続状況がたびたび発生した。

 しかし、MLOによって、バックホールが超高速化され、安定すると、こうしたメッシュならではのネガティブな部分がうそのように消える。バックホールは自動で高速化されるため2.4MHzが選ばれて遅くなることがないし、接続経路が2階→3階→1階と遠回りしてもバックホールが速いから気にならない。率直に「MLOすげえ」という感想である。

 現状、Wi-Fi 7のクライアントは存在しないが、このようにメッシュで利用する場合、バックホールが安定するメリットは非常に大きい。既存のWi-Fi 6対応PCやスマートフォンを接続する場合でも、Wi-Fi 7のメリットは大きいだろう。

320MHz幅対応はどうなる?

 最後に、320MHz幅対応についてだが、これは冒頭で少し触れたようにファームウェアのアップデートで実現できると考えてよさそうだ。

 以前、以下のコラムで6GHz帯の認可について解説した際(「結局、既存Wi-Fi 6E対応機器で6GHz帯は使えるの? 何がOKで何がNGなのかを総務省に聞いた」参照)、5GHz帯の144chに関する扱いを紹介した。

 簡単に説明すると、法令で扱う際の「種別」が同じであれば、電波の型式、周波数および空中線電力の変更について、同一認証番号での変更申請が可能になるという解釈となる。詳細は、以下の総務省のガイドラインも参考にしてほしい。

▼参考資料
同一認証番号とする場合のガイドライン(総務省)

 場合によっては、320MHz幅に対しても、今後、同様のガイドラインが提示される可能性があるが、おそらく、この前例が適用されるのではないかと個人的には考えている。

 前述したように、Deco BE85は、すでに「007-AM0073」で「第2条第80号に規定する特定無線設備」(つまり6GHz帯のLPIの種別)についての技適を取得している。320MHz幅化は、この種別で取得済みの申請に対して、320MHz幅に関する「空中線電力の変更」を追記するかたちとなる(現在の申請の備考欄に追記される)。

 つまり、この申請さえ通れば、前例と同様にファームウェアのアップデートによって320MHz幅化が実現する可能性が高いと考えられる。

 もちろん、今回の事例に関して、具体的かつ明確な方針が示されているわけではないので、結果的に320MHz幅対応ができない可能性もゼロではない。高い買い物なので、このあたりは、慎重に今後の動向を見守っていく必要がありそうだ。

▼特定無線設備の種別についての参考資料
証明規則第2条と種別名の対応表(総務省)

ブランディングやマーケティングだけでなく、確かな「実利」がある製品

 以上、TP-Linkから登場したDeco BE85で、Wi-Fi 7を体験してみた。320MHz幅を省いた状態でも、MLOによってかなり高速な通信が可能なことが確認できた。

 これで、320MHz幅化した「完全体」になったら、さらに2~3Gbpsの実効速度の上乗せが期待できるので、10Gbps有線に匹敵する速度も夢ではないことになる。

 欠点は、ひとえに価格だ。市場想定価格が単体で7万9800円、2パックで14万8800円は、この手の製品が大好きで、仕事にしてしまっている筆者でも、いきなり買うのは躊躇される(記事公開時点でのAmazon.co.jpでの価格は単体で6万9801円、2パックで12万8000円)。

 もちろん、最新でまだ希少なWi-Fi 7対応チップのコスト、10Gbps×2、SFP+、2.5Gbps×2のこれまたコストかかりそうな有線の構成、そしてその処理を行う高性能なCPU、とめどなく発生する熱対策、安定した通信のためのアンテナなどなど、ハードウェアにかかっているコストを考えれば、むしろ安いくらいだということは理解できる。

 もしかすると、他メーカーが同等のスペックをこの価格帯で発売することも難しいかもしれない。

 なので、今回のテスト結果のように、バックボーンとしてのMLOによる超高速な接続に価値を見出せるかどうかが購入のポイントとなる。個人的にはMLOの速さと安定性が予想以上に高かったため、投資に対してのリターンは確実にあると考える。

 筆者は当初、このタイミングでWi-Fi 7対応製品を発売することに対して、どちらかというと否定的な見方をしており、「日本初のWi-Fi 7対応製品発売!」といった、マーケティングやブランディング的な意味合いが大きいのではないかと考えていた。しかし、実際に製品を使ってみると、驚くほどのスピードで、Wi-Fi 7であること、というかMLOを使えることが、しっかりと実利として感じられる。

 こうした先進的な技術を、いちはやく市場に持ち込む手法は、これまで別の海外メーカーが担ってきた印象だが、そのプレーヤーが変わりつつあることの現れだろう。もはや、技術的なリーダーとしても、同社の存在感は大きいと言える。いろいろな意味で時代が変わったと感じさせる製品と言えそうだ。