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高級車向けの合皮で耐久性が10倍!? AKRacingの最新モデル「Pro-X JP」はテレワークでの長時間利用にも最適

 オフィスや商業施設などに出かけると、頻繁に見かけるのがAKRacingのゲーミングチェアだ。ゲーミングチェアらしいカッコ良さげなデザインのモデルから、オフィスなどでも使いやすい落ち着きのあるモデルまで、多彩なバリエーション展開でどんなシーンにも似合うのが理由なのかもしれない。

 そんなAKRacingのラインアップに、新たに「Pro-X JP」というモデルが追加された。張り地に国産の高品質合成皮革を採用したフラグシップモデルで、リッチな気分になれそうな予感……。

 コロナ禍の始まりからすでに5年以上経過しており、「テレワークするにはいいイスを」と初期に奮発して導入したオフィスチェアも、もしかしたら使用感マックスな見た目になっているかもしれない。なので、「そろそろチェアを買い替えようかな」と考えている方もいることだろう。

 今回、新製品であるこのPro-X JPをメーカーからお借りすることができたので、張り地の感触も含め、座り心地や使い勝手をレビューしていきたい。チェアを新しくしようと思っている人の参考になれば幸いだ。

Pro-X JP(レッド)
Pro-X JP(ブルー)
Pro-X JP(ホワイト)
Pro-X JP(グレー)

Pro-X JPの組み立てからスタート

筆者の自宅に届いたPro-X JPの大きな箱

 まずは届いたPro-X JPの組み立てから。購入したAKRacingのチェアは基本的にパーツがバラバラの状態で届くので、ユーザー自らの手で組み立てる必要がある。

いざ、開封の儀
全部のパーツを取り出して並べてみた

 といっても、トータルで10カ所くらいのボルトを外したり締めたりするだけなので、大仕事というほどではない。少しコツが必要に感じるのは、座面と背もたれを連結するときのねじ穴を合わせるところくらい。できるだけスペースを広くとるのも、スムーズに作業するコツだ。

座面と背もたれを連結する序盤のステップは少しコツがいるかも
連結完了
サイドカバーを取り付けて……
座面裏側にシリンダー固定台をボルト留め

 説明書を見ながら進めれば1人でも30~40分程度で組み上がるはず。工具だけでなく軍手も付属していて、余計な準備の手間なく、安全に作業できるのもありがたい。

シリンダーを差し込み、脚を装着
あとは好みに応じてヘッドレストやランバーサポートを取り付ける

優しく身体を受け止める、しなやかで高耐久の国産合成皮革採用

完成したPro-X JP
後ろから

 そんなわけで完成したPro-X JP、一番のポイントはなんといってもハイグレードな素材の張り地だ。

 実に、国内自動車メーカーが展開するプレミアムブランドで採用されているものと同グレードの国産合成皮革を採用しているのだという。高級車といえば本革と思われるかもしれないが、昨今は本革を使わない(あるいは使う量を減らす)レザーフリーがトレンドで、高級車でも合成皮革が積極的に採用されている。

 とはいえ、自動車の車内は真夏は高温、真冬は氷点下になることもあり、さらに途中で交換することは想定されていないので、とても高い耐久性が求められる。それ故、高品質な素材選びに加え、独自のコーティング技術により一般的なPUレザーよりもはるかに優れた耐久性を実現したものが開発されており、本チェアにはまさにそうした高品質な合成皮革が使われているというわけだ。

全体の張り地に国産高品質合成皮革を使用
さらっとした肌触り

 触れてみると柔らかく、しなやか。座るとわずかに沈んで少し奥の方でしっかり体重を支えてくれる感じ。漂う香りが高級車のそれっぽく感じるのはきっと気のせいではないだろう。チェア本体の張り地だけでなく、ヘッドレストやランバーサポートの表皮も同じ素材で、体重をかけると従来製品よりも優しく受け止めてくれるイメージだ。

最初は少し身体が沈むが、少し奥の方でしっかり支えてくれる

 触り心地、座り心地がいいだけではない。高級車に採用されるだけあって耐久性が圧倒的に高いものとなっており、耐摩耗性能においては従来製品の10倍以上に達するという。

 一般的なPUレザーと比べて薄く軽い素材ではあるものの、10年間の使用に相当する高温・多湿環境でのテストも従来品と同様にパスしている。国内自動車メーカー基準の試験においても、その耐久性の高さが証明されているとのこと。

ヘッドレストとランバーサポートにも同じ素材

 チェアは立ったり、座ったり、姿勢を変えたり……を繰り返すことで徐々に表皮が劣化し、長く使っていくほど感触も見た目も変わってしまうもの。だけれど、Pro-X JPならそうした経年劣化が最小限に抑えられ、長く使い続けられるのだ。

 Pro-X JPの価格は7万9800円(直販サイト価格)と、同社のスタンダードなモデルと比べると1.5倍ほどの価格となるが、それで耐久性が10倍になるなら、むしろお買い得な価格設定と言えるだろう。

というわけで、さっそく仕事部屋に導入

ヘッドレストの大型化でフィット感がさらに向上

 ところで、Pro-X JPは既存製品のPro−X V2をベースに、張り地素材を変更したフラグシップモデル、という位置付け。なのだけれど、ヘッドレストのサイズ・形状も変わっていることにお気づきだろうか。

Pro-X JPはヘッドレストが従来とは異なる新しいデザインになっている

 このタイプのヘッドレストは、今まで「AKRacing by BEAMS DESIGN」というモデルにのみ採用されていたもので、それ以外の製品では今回のPro-X JPと、本稿最後に紹介するEclairシリーズが初採用となる。

 従来のヘッドレストは小ぶりながらも厚みのあるフォルムで、いわば点で支持するような形だった。が、大型化したPro-X JPのヘッドレストは後頭部から肩までのラインにぴったり沿うような形状で、表皮の柔らかさもあってフィット感抜群だ。

後頭部から肩にかけて、ぴったりフィットしているのが分かるだろうか
こちらは従来のヘッドレスト

 チェア本体の機能については、高さ調整が可能なのは当然として、背もたれは90°から約180°のフルフラット状態まで倒すことができる。座面と背もたれの角度を保ちつつ全体を傾けられるロッキング機能のオンオフもある。

高さ調整とロッキング機能のオンオフを設定するレバー
リクライニング調整用のレバー
一番起こした状態
フルフラットの180°に近い角度まで倒せる
180°まで倒す場合は(身体が反ってしまうので)ランバーサポートは外した方が楽かもしれない

 さらにアームレストは昇降、前後移動、左右角度の全てが変更が可能なタイプで、体型や利用シーンに合わせた細かなフィッティングが可能だ。Pro-Xシリーズのフラグシップモデルらしい機能をもっていると言えるだろう。

アームレストは昇降可能
一番上げた状態
アームレストは前後位置や角度も調整できる
アームレストを開いた状態

Pro-X JPのクオリティを全国各地で体感できる!

 国産高品質合成皮革採用を採用した今回のPro-X JPの座り心地は、全国のAKRacing取扱店舗で確かめられる。しかも、映画館の「新宿ピカデリー」にも同じ張り地の「AKRacing BOXシート」が一部に設置されている。

 なので、映画を見るついでにその感触をチェックするのもよし。長時間座りっぱなしになる映画館なら、デスクワークで使ったときの快適性のシミュレーションにもちょうど良さそうだ。

▼新宿ピカデリーに導入
AKRacing 都内映画館(新宿ピカデリー)にスペシャルシート「AKRacing BOXシート」を導入|テックウインド株式会社

ベースモデルとなっているPro−X V2は東京ドームや神宮球場でも採用されている
大阪国際空港(伊丹空港)では出発ゲート付近にPro−X V2が計52脚設置され、誰でも利用可

 Pro−X JPは普通に販売店などで購入するのもいいけれど、ふるさと納税で手に入れる方法もある。泉佐野市産の合成皮革を採用していることから、泉佐野市へのふるさと納税の返礼品として用意されているのだ。

▼ふるさと納税でも入手可能
ふるさと納税の返礼品としてAKRacing製品をお受け取りいただくことができます|テックウインド株式会社

 ちなみに、大型化されたヘッドレストについては、Pro-X JPと同じタイミングで販売開始した「Eclair(エクレール)」シリーズにも採用されている。ホワイトメインの明るいデザインで、機能はPro-X JPと大きく変わらないながらも、合皮は一般的なものとすることで価格は抑えられているから、部屋の雰囲気によってはこちらを選ぶのもアリ。

Eclair(オレンジ)
Eclair(ブルー)
Eclair(グリーン)
Eclair(ピンク)

 健康的に仕事し続けるために、長時間のデスクワークには高性能なイスを、というのは鉄則。そのうえで、せっかく買い替えるのであれば、今までのものにプラスアルファの性能が追加されたPro−X JPのようなゲーミングチェアにしてみるのはいかがだろうか。

 エントリーモデルに比べれば相応のプレミアムな価格になっているとはいえ、快適性を長く保てる耐久性を考えれば割安なことは間違いなし。高級車のラグジュアリー感を仕事中も味わっていたい、というような人にもおすすめだ。