【ブロードバンド】
北海道滝川市で5.0GHz帯無線アクセスのフィールド実験スタート<その3>モトローラ、半径6kmを10Mbpsでカバーする
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江部乙中学校の屋上に設置されたモトローラのFWA基地局(左)。ポールの途中にあるのがGPSアンテナだ(拡大写真)。加入者局が設置された公共施設には、日本電算機のiBOXが導入されていた(右)。その左側にあるのが、加入者局側無線機のサンプル。PCなどとの接続はEthernetケーブル1本でOK。電源もこれに重畳して供給される。国内の販売価格は未定だが、5.3GHz帯に対応した北米製品の希望小売価格は515ドルだという |
今回実験で使われている他社のFWAシステムがいかにも試験機という外観なのに比べると、モトローラのシステムはかなり“製品らしい”。これは、すでに同様のシステムが北米で製品化されているためで、北米では5.3GHz帯および5.8GHz帯に対応していたシステムが、日本向けの5.0GHz帯に仕様変更されている。
長距離対応を特徴としたこのFWAシステムは、もともと北米の環境に合わせて作られたもので、モトローラの独自仕様によるものだ。その意味で、北米と似たような環境の北海道で使用するということで“北海道仕様”とも呼ばれているという。モトローラでは今回の実験を通じて日本向け製品の最終的な詰めを行なうとしており、5.0GHz帯の屋外利用開放を受けて国内市場におけるFWA事業を本格展開する考えだ。
なお、出力などの規制が日本と異なり、ゲインを稼げるより大きなパラボラアンテナが使用できる北米では、約16kmで60Mbpsを実現しているという。
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(2002/10/29)
[Reported by nagasawa@impress.co.jp]