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北海道滝川市で5.0GHz帯無線アクセスのフィールド実験スタート<その3>

モトローラ、半径6kmを10Mbpsでカバーする
“北海道仕様”のFWAシステム

■URL
http://www.hokkaido-bt.go.jp/C/C14/c141008.htm

 北海道滝川市においてスタートした5.0GHz帯の加入者系無線アクセス(Fixed Wireless Access:FWA)システムのフィールド実験において、モトローラが提供しているFWAシステムの伝送速度は10Mbps。同じく実験に参加しているNECや松下通信工業のシステムが最大36Mbpsであることを考えると、高速性という面ではかなり見劣りがする。これでは2.4GHz帯を使うIEEE 802.11bの11Mbpsよりも遅いことになり、5.0GHz帯のメリットがないように思われるかもしれない。

 しかしその反面、モトローラのFWAシステムは、IEEE 802.11aなどと比べて通信距離を稼げる点が特徴だ。その距離は通常の無線機で3km、加入者側にパラボラアンテナを併用すれば6kmに達する。しかも、距離による速度劣化がないとしている。もちろん収容ユーザー数や回線の混雑状況によりスループットは変化するものの、理論上は基地局から半径6kmのエリアが10Mbpsの一定速度でカバーされることになる。

 実験では、市内の中学校の屋上に基地局が設置された。付近の小学校や公共施設、一般モニター7世帯などを収容しているほか、長距離対応のパラボラアンテナを導入することで、約5km離れた観光名所や約6km離れたお隣の雨竜町役場にまでエリアを拡大している。

 無線機は、アンテナを一体化した長さ30cmほどの扁平型のボックスで、1機で水平方向60度をカバー。これを1本のポールの周りに6機取り付けることで、全方位をカバーする仕組みだ。収容ユーザー数は1機につき200ユーザーまでとなっており、1つの基地局では最大1,200ユーザーとなる。GPSの信号をもとにして基地局間の送受信のタイミングを同期することで電波干渉を軽減する機能も採用されており、基地局にGPSのアンテナが付いている点も特徴だろう。

江部乙中学校の屋上に設置されたモトローラのFWA基地局(左)。ポールの途中にあるのがGPSアンテナだ(拡大写真)。加入者局が設置された公共施設には、日本電算機のiBOXが導入されていた(右)。その左側にあるのが、加入者局側無線機のサンプル。PCなどとの接続はEthernetケーブル1本でOK。電源もこれに重畳して供給される。国内の販売価格は未定だが、5.3GHz帯に対応した北米製品の希望小売価格は515ドルだという

 今回実験で使われている他社のFWAシステムがいかにも試験機という外観なのに比べると、モトローラのシステムはかなり“製品らしい”。これは、すでに同様のシステムが北米で製品化されているためで、北米では5.3GHz帯および5.8GHz帯に対応していたシステムが、日本向けの5.0GHz帯に仕様変更されている。

 長距離対応を特徴としたこのFWAシステムは、もともと北米の環境に合わせて作られたもので、モトローラの独自仕様によるものだ。その意味で、北米と似たような環境の北海道で使用するということで“北海道仕様”とも呼ばれているという。モトローラでは今回の実験を通じて日本向け製品の最終的な詰めを行なうとしており、5.0GHz帯の屋外利用開放を受けて国内市場におけるFWA事業を本格展開する考えだ。

 なお、出力などの規制が日本と異なり、ゲインを稼げるより大きなパラボラアンテナが使用できる北米では、約16kmで60Mbpsを実現しているという。

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(2002/10/29)

[Reported by nagasawa@impress.co.jp]

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